白湯

白湯のように優しく柔らかく。毒にも薬にもなりません。でも、少しだけ安らぎは与えられるか…

白湯

白湯のように優しく柔らかく。毒にも薬にもなりません。でも、少しだけ安らぎは与えられるかも。与えられないかも。10分くらいで書いてます。

最近の記事

【10分エッセイ】旅の計画

 「祭りは、始まるまでが一番楽しい」、と母が言っていました。これから始まる祭りに期待を躍らせている時が、気分が最高潮になるものかもしれません。  旅も同じで、私は旅の計画をしている時に一番気分が高揚します。これからどこに行くか、何をするか、宿はどうするか、交通手段は何にするのか。頭の中で色々と考える時、ウキウキとした気分になることができます。  私は、実に子どもっぽいですが、旅の前の日は眠れません。旅の計画は、いつも私を童心に帰らせてくれます。

    • 【10分エッセイ】強さ

       強いとは何でしょうか。  一つの考え方に、腕力の強さがあります。アーノルド・シュワルツネッガーのような肉体があれば、なるほど強いと言えるでしょう。  しかし私は強いとは、しなやかさだと思っています。竹は、グイッと押せば曲がります。そう考えれば、強度は弱そうです。しかし曲がれば曲がるほど、手を離すと元の形に戻ります。剛性よりも弾性。それこそが強さではないかと感じています。  世の中にはストレスがいっぱいです。壁にぶち当たることなど、毎度のことです。そんな時、しなやかに躱せる人

      • 【10分エッセイ】メンタル

         メンタルとは気ままなもので、やる気満々・充電満タンかと思えば、急に意気消沈・充電0%になることもあります。私は基本的に沈みがちなので、テンションの乱高下は少ない方ですが、しかしそれでも気持ちに波はあります。  毎日、ハッピーであればどれほど良いでしょうか。山あり谷ありだからこそ人生は面白いという方もおられるでしょう。その通りかとは思いますが、しかしやはりハッピーならハッピーのままがよいと思います。  春先は特に気持ちの浮き沈みが激しい時期だと思います。落ち込んだ時は、自分で

        • 【10分エッセイ】初めて髪を染めた日のこと

           初めて髪を染めたのは、成人式前でした。私はそれまで髪を染める=チャラいというあまりにも古い固定観念を持っていました。しかし友人や両親の勧めもあって、思い切って髪を染めてパーマも当ててみました。  鏡を見た時、自分の世界が根底から覆されたような感覚でした。少し明るめの茶色を入れたのですが、ちょっと髪色が変わっただけでここまで印象が変わるものかと、驚愕です。今までの野暮ったい雰囲気が一転して、大人の階段を登ったかのようでした。  思えば、髪色とは不思議なものです。たった少しの変

        【10分エッセイ】旅の計画

          【10分エッセイ】涙

           以前、ストレスで耳が聞こえにくくなったことがありました。その時にお医者さんから、感動的な映画を見て泣けばいいよ、とのアドバイスをいただきました。涙は医学的にもストレスに効くのだとびっくりしました。  しかし私は薄情なのかなんなのか、あんまり感動話で泣くことが苦手です。どうも感動話には、作り手の作為が見えてしまい涙が引っ込んでしまいます。  その代わり、私は泣きたい時は出来るだけコメディ系の動画を見ています。逆説のようではありますが、これが意外といいのです。ゲラゲラと笑ってい

          【10分エッセイ】涙

          【10分エッセイ】時は金なり

           時は金なり。時間の大切さを説いた言葉です。実に時間とは有限なもので、しかし私たちはついつい浪費してしまうものです。その辺りも、時間とお金、よく似ています。  しかし時間管理を厳格にして1秒たりとも無駄にできない!と気負い立つのもこれまた問題かと思います。人間の頭は何時間もフル稼働できるほど高性能にはできていません。いや、高性能だからこそフル稼働できない仕組みになっていないのかもしれません。良い仕事には良い休みが必要なのです。子供の頃、動物園に行った際、ライオンはいつも寝てい

          【10分エッセイ】時は金なり

          【10分エッセイ】服

           オシャレとは縁遠い人生です。世の中の方々を見ていると、みなさん大変服にはこだわりがあるようです。私もファッションについて色々と考えているのですが、どうしてもファッションとは主観が入るものでイマイチよくわかりません。  これが良い!と思って買っても、上下の組み合わせが合わず、悲しきキメラ怪獣が生まれることもしばしばです。  美容室などで最新のファッション雑誌を読んでみても、やはりこればかりはセンスでして、正直わかりません。「そもそもモデルさんの顔がいいだけなのでは?」などと元

          【10分エッセイ】服

          【10分エッセイ】春

           春とは、出会いと別れの季節です。3月は、卒業のシーズン。誰だって別れは寂しいものです。4月は、入学や入社のシーズン。新たな出会いが待っています。  高浜虚子の句です。決意を新たにした虚子が、39歳の時に詠んだ句とされています。虚子は別に入学や卒業を意識した訳ではないのでしょうが、気負い立つ若々しさが全体から溢れています。  いつだって春は、人々にとっての節目なのです。

          【10分エッセイ】春

          【10分エッセイ】夜の世界の王さまだ!

           『ドラえもん』の作品のタイトルです。のび太くんはある日、ドラえもんに相談します。やることがいっぱい。しかし時間は有限であると。ならば、夜眠らなければ時間は2倍活用できるではないか。眠くならない薬が欲しいと。  オチは省略させていただきますが、誰も起きていない夜中に外に出たのび太くんの実感がタイトルに表れています。藤子•F•不二雄先生の言葉選びのセンスに脱帽します。  私も、夜中に出歩くことが好きです。昼間の賑やかな街から一変、静寂に包まれた街。誰もが寝静まっている中、自分だ

          【10分エッセイ】夜の世界の王さまだ!

          【10分エッセイ】城

           私は子供の頃から非常に歴史好きだったのですが、中でもお城は昔から大好きでした。勇壮で雄大。他を圧服するような威容を放ちながらも、一方では芸術品のような美しさ。お城には、武と美の両方が重なっています。  さて、お城といえば天守閣をイメージされる方も多いのではないでしょうか。天守は確かに素晴らしく、お城の象徴ではありますが、私は石垣こそがお城だと思っております。  あの大きな石を人力で組み上げていく作業の大変さ。しかしそれでもなお挑戦して、完成させた先人たちの偉大さを感じること

          【10分エッセイ】城

          【10分エッセイ】トランポリン

           先日、少し大きめのスーパーでトランポリンが売られていました。ポヨンポヨンと飛ぶ感触、子供の頃大好きでした。よくベッドの上で飛び跳ねては、怒られていたことを思い出します。  さて、大人になった今、トランポリンとは非常に疎遠な関係になっていました。しかしあの跳ねる感覚、大人になっても体験してみたい。家にトランポリンがある生活がしたい。現代社会の忙しさに疲れていた私は、不意に童心に戻りたくなりました。ということで、思い切って買ってみました。聞けば、トランポリンには脂肪燃焼効果もあ

          【10分エッセイ】トランポリン

          【10分エッセイ】急がば回れ

           世の中は忙しさに満ちています。時間がなければ、焦るもので、焦ってしまえばロクな判断ができません。そうして更に時間ばかりが過ぎてしまいます。そうなるとまたもや焦ってしまい、負のスパイラル。実に恐ろしいことです。  さて、そんな時、私は『急がば回れ』の格言を思い出します。いかに急いでいても危険な近道よりも安全な回り道を選びましょうという教えです。一見、迂遠に思えますが、実生活のさまざまな場面において、この言葉は重要です。  私もマイペースな割に、焦りがな性分です。そんな時は『急

          【10分エッセイ】急がば回れ

          【10分エッセイ】スタバ

           地元に初めてスタバが出来た時、私は都会っ子になったかのような錯覚を覚えました。実際は私の地元は、田舎とも都会ともつかない実に中途半端な場所ですが、スタバとは都会のステータスだと思っていました。  初めてスタバに行った時、あの難解なメニューに都会の格の違いを見せつけられました。そもそもサイズの表記から違います。マックではS・M・Lですが、スタバではS・T・G・Vのサイズ表記。異世界に迷い込んだかのようです。  それでもえっちらおっちらと苦戦しながら注文し終えましたが、汗が出て

          【10分エッセイ】スタバ

          【10分エッセイ】教え

           『振り返りは必要だが、人生に後悔や懺悔、落ち込んでる暇なんてない』。  ある方から、そう言われたことがあります。私が大切にしている教えです。今まで反省ばかりで過去に囚われていた私を、前に向かせてくれました。  『暇がない』というのが、実にその人らしい竹を割ったような豪快な考え方です。人生なんて忙しいんだから、後悔なんかしていたらすぐ過ぎるよ。後悔とか反省とか、悔恨で時間を潰してしまうのはやめようよ。そんな想いが込められているのでしょう。  後ろ向きに考えてしまう時、私はこの

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          【10分エッセイ】鍋

           日本料理の最高傑作は、私は鍋だと思っています。無論異論はありますでしょうし、そもそも鍋の類似料理はいくらでも各国にあるので日本料理かどうかも微妙ではありますが。  鍋は、まず具沢山であることが挙げられます。日頃の野菜不足を一気に解決してくれそうな量の野菜を摂取できます。お腹にも優しいです。  そして作るのが簡単。私は学生時代の一人暮らしで鍋ばかり食べていました。煮込めばいい、というズボラ精神で作れるのが素晴らしいです。考え方としては最も原始的。そもそも鍋という料理名自体がた

          【10分エッセイ】鍋

          【10分エッセイ】恩師

           卒業式のシーズンですね。新たなステージへの旅立ち。別れは寂しいものですが、それ以上の素晴らしい出会いがあると信じています。卒業生の皆様の素晴らしい門出を心よりお祝いいたします。  さて学生時代の話を少し。私には恩師と呼べる方が大学生時代に1人いらっしゃいました。その方は教授という権威に相応しい膨大な知識をお持ちで、まさにインテリジェンスを体現された方でした。しかし教授というお堅いイメージを覆すほどユーモアがある方で、かつパワフルでした。人生を体全体で楽しんでいる、そんな方で

          【10分エッセイ】恩師