マガジンのカバー画像

モデルカーあれこれ

79
モデルカーは実車を単に縮めたものではありません。斜め上方から眺めて、実車の雰囲気を楽しむのと同時に、雑誌の写真には写っていなかった部分を見て、新たな発見ができる物です。その歴史を…
運営しているクリエイター

#モデル

重箱の隅をつつく-14:  醜美の基準

重箱の隅をつつく-14:  醜美の基準

 またまた「Racing on」ネタで恐縮、それも21頁のCooperの文章の中「最も醜いF1と酷評され」と書かれた一文が琴線に触れたのだ。元々はかなり前のCar Graphic(CG)誌の文中にあり(写真提供のDavid Phippsの言)、Cooperファンにとっては「ホントかいね」となったのを覚えていたのが切掛け。

 CooperはJochen Rindt好きが嵩じて1966年のBelgi

もっとみる
レアモデル列伝-26:  悲運のF1マシン  Honda RA301

レアモデル列伝-26:  悲運のF1マシン  Honda RA301

 2023年4月1日に雑誌「Racing on」の524号が発売された。特集は「60年代 葉巻型F1の時代」となっていて、「空力戦争前夜、スターたちの煌めき」が副題。

 読んで写真を見て「おやっ」と。表紙にはHonda RA301の写真も載っている、しかしこの車にはウイングが付いている。本文中にウイングのない301を探したが、1枚も見ることができなかった。

 1968年はHonda F1第1期

もっとみる
異能β-10:    LotusはやっぱりGreenじゃなきゃ

異能β-10:    LotusはやっぱりGreenじゃなきゃ

 最近(23.03.18)入手したモデルは1/43のLotus 49、No.5はJim ClarkがDutch GPでこの車の初出場・初優勝を遂げたモデル。

 Lotusは好きなメーカーだが、世の習いとはいうもののゴールドリーフカラー以後の車は今一好きになれない(JPSは一寸好きだったが、1台も持っていない)。

 ここで、入手しているGreen Lotusを供覧した。(一部は白や赤)

 日本

もっとみる
異能β-9     コレクターの性(さが)・44台のBMW E36

異能β-9 コレクターの性(さが)・44台のBMW E36

 2週間程前のこのサイトで「異能β-8  競争しない車たち」を記載した。その中でナンバーを貼っていないBMW E36を紹介し、E36は46台あり次回記載と書いた。よくよく調べたら、1台は同じモデルであり、もう一台はE36ではなくE46であった。それを除くと44台が入手したモデルであり、それを供覧する。

 1台目は乗用のBMW 328iを購入した後、モデル収集を開始し、2014年今は無き「ミスター

もっとみる
異能β-8                 競争しない車たち

異能β-8      競争しない車たち

 これまで掲げてきた車の多くはレースカー、1台1台に歴史と個性が有ったので書きやすくもあった。しかし乗用車はそれに当てはまらない、最初の3台は自分が乗ってきた(現在乗っている)車についての記載、自己満足に終わることのない様に書いたが、うまく伝わるかも問題だ。(2023.02.25)

 先ず、最初は現在既に8年目に入った車から。
 BMW320i F30、BMWが生産している3シリーズの4ドア・セ

もっとみる
レアモデル列伝-22     店番していた蜃気楼

レアモデル列伝-22     店番していた蜃気楼

 ほぼ2週間前の2022.11.29に「異能β-7 蘇った蜃気楼」と題し、7台のGulf Mirageと2台の発展型の歴史を記載した。
 同年、12月10日、あるショップに注文したモデルを取りに行った時、店内に見慣れぬMirageを発見。最初は新たに書き直すのは辛いと思い、見るだけにしたかったが、そこはフリーク、半年以上も店番していた品だが「年末大売り出し3割引」の文字にも惹かれ購入した。
 モデ

もっとみる
重箱の隅をつつく-9:SUNOCO McLaren M6A       Gold Pin Striping

重箱の隅をつつく-9:SUNOCO McLaren M6A       Gold Pin Striping

 見た瞬間、「欲しい!」「俺を待っていたのだ!」と
その場に画伯がいらしたので、即座に購入希望を述べ、後日送られ居室に飾った。  
 
 Pin Stripingとは、ピンストライプ(pin stripe)と呼ばれる塗料などで描いた極細の線で作る装飾のことをいう。
このモデルのピンストライプ、ラムパイプ後方にラインがあるか、炎型の描画が入るか等々、モデルを眺め違いを知るのも面白い。

 Roger

もっとみる
重箱の隅をつつく-7      2台のFord J Car

重箱の隅をつつく-7  2台のFord J Car

 2022.05.08に「レアモデル列伝-8 Ford J Car」を記載、その中で大手のSparkが2022.01に販売予定で購入希望者を募ったと。それから半年、2022.07.23にそのモデルが送られてきた。両車は似ている様で細かなところが異なる。そこで資料(「LE MANS 1960-69」と檜垣和夫著「Sportscar profile series 2 フォードGT」CG版)を読みながら

もっとみる
異能β-5  あっと振り向くバックシャンCheetah Riverside

異能β-5  あっと振り向くバックシャンCheetah Riverside

 東京で最初にオリンピックが開催された1964年、巷ではボーリング場やモデルカーレーシングのサーキットが雨後の筍のごとく林立した。その頃はまだプラモデルが元となる1/24モデルカーが主体であったが、翌年辺りからもっと軽いクリアボディが輸入され、本邦でもそれを真似して種々のモデルが作られた。

 その中で好みのボディはショートホイルベースでワイドトレッドの車(FT-16というマブチモーターをサイドワ

もっとみる
レアモデル列伝−15                青い楔 McKee Mk-10

レアモデル列伝−15     青い楔 McKee Mk-10

 マッキーと言っても牧原君のmackyのことではない。

 McKee Mk-10、60年代の半ば、米国で盛んになった何でもありのCan Amで、一寸先に行っているかという身体つきの車がMk-10。

そもそもBob McKee率いるマッキー・エンジニアリングは作り慣れたマルチチューブラースペースフレームのミッドシップレースカーMk-5やMk-6で初期のCan Amを戦っていた。エンジンはその初期

もっとみる
事実は小説より奇なり-5    Can Amの赤い徒花 Ferrari

事実は小説より奇なり-5    Can Amの赤い徒花 Ferrari

 2022.08.05、eBayのオークションで一寸珍しいモデルを落札した。Ferrari 612というFerrariでは当時最大の排気量を誇るレースカー。このモデルの台座には1969年のLaguna Secaに参戦したと書かれていた。しかし資料をみて吃驚仰天、なんとそのレースでは走っていないのだ。

 1960年代、アメリカでは大排気量で規制が緩やかなCan Amが人気を促した。その賞金額は当時

もっとみる
異能β-6       大英帝国の逆襲 !?Alan Mannの野望と挫折

異能β-6       大英帝国の逆襲 !?Alan Mannの野望と挫折

 アラン・マンと聞いて、あぁと頷く人はそうはいないであろう。知っている人はかなりのレース通か英国通であろう。

 Alan Mannは1936年生まれ、26歳の頃、英国のサルーンカーレースにFord車で参戦。27歳の1963年にFord Cortinaであるレースに優勝、アメリカのHolman-Moodyが注目し、1964年にFordワークスの一員となり、世界のレース界にAlan Mann Rac

もっとみる
レアモデル列伝-16    Ford 429'er

レアモデル列伝-16    Ford 429'er

 1966年にCan Amが始まってから60年代にFordエンジンが勝利したのは、66年 第2戦のBridgehamptonでLola T 70を駆ったDan GurneyがPole to finishで優勝を飾ったのが唯一。

 1968年、Carroll Shelbyは2台のMcLaren M6Bを購入し、Fordエンジン車の勝利を画策したが、本戦では優勝できず、68年の最終戦後に行われた日本

もっとみる