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レアモデル列伝-16    Ford 429'er

 1966年にCan Amが始まってから60年代にFordエンジンが勝利したのは、66年 第2戦のBridgehamptonでLola T 70を駆ったDan GurneyがPole to finishで優勝を飾ったのが唯一。

 1968年、Carroll Shelbyは2台のMcLaren M6Bを購入し、Fordエンジン車の勝利を画策したが、本戦では優勝できず、68年の最終戦後に行われた日本Can AmでPeter Revsonの駆ったM6B Fordが優勝したのは奇跡のようなものだった。
 M6Aを駆るMark DonohueとRevsonのM6Bが断トツの速さ、Donohueがガス補給トラブルでDNFの結果とはいえ、他車を寄せ付けず終わってみれば3ℓのトヨタ勢とは7〜8周差。

1/43 Spark製 台座にFuji Winnerと記されている

 その後このM6BはShelby RacingからHolman-Moody (H&M)に売却された。H&M が7ℓ超のFordエンジンを積める様改造したのが今回の車。そのため名称を429'erとしたとのことであったが、最終的には8.1ℓの494 big block Fordで戦った。

1/43 Marsh Models製、ボディー後部がM6Bとは大きく異なる
フロントタイヤ後ろにドライバーのMario Andrettiの文字が

 レースでの名称はMcLaren M6B Ford、戦績は以下による。
第6戦、69.08.31   Road America( Elkhart Lake)この車のみウイングなし 
 予選3位 決勝DNS(non-starter) 8.1ℓ  Uジョイント破損
第9戦、 69.10.12 Lugna Seca 予選8位 決勝4位 8.1ℓ
第10戦、69.10.26 Times GP(Riverside) 予選6位 決勝3位 7ℓ  
第11戦、 69.11.09 Texas 予選2位 決勝DNF 8.1ℓ   エンジン破損

 結果22点でドライバーのMario Andrettiはシリーズ11位、Peter Revson(Lola T163 Chevrolet:ほぼLalaワークス)、Dan Gurney(軽量化されたMcLeagle Chevrolet)と同一、短い期間で作製された車、この戦績はまあまあ誇れる結果ではある。

2台の比較、よく良く見ると、フロントも結構改造されている
高いウイングを付けた429'er@Texas、結果はDNFであったが1周目はトップを走っていた(参考写真)

参考文献 Pete Lyons CAN-AM Motorbooks International 1995

(2023.06.04一部改変)

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