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晩節を汚す、あるいは根っからの  「光吉俊二」

先日こんな記事を見かけた

内容としては、新しい演算「四則和算」というものを使うことで、見えないものを計算することができるという。

論理学の再発明であろうか。

果ては、量子コンピュータの話まで飛び出したこの記事を、非常に興味深く読むことができた。私はこういったトンデモ、似非科学、疑似科学を批判的に読む事が好きだ。ただ、ケロヨン氏の他の記事を読み、調べるうちに、看過できない事実に気づいてしまった。
彼が、東京大学 大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻の特任准教授 光吉俊二氏である可能性が非常に高い事だ。

光吉俊二の「看過できなさ」に関しては、細かい部分を叩いていくとかなり埃が出てくるので、今回は光吉演算と呼ばれる前述の「四則和算」関連から2つのウェブページを紹介したい。




光吉演算で検索すると出てくるウェブページだ。オフィシャルだって。
日本語で優しく解説してくれているが、四則演算(義務教育で習う、+-×÷の計算)の代わりに四則和算(UZWA)を導入することで、分断支配と和合創発が融合して未来の扉が開くらしい。
もし、解説を読んで四則和算を導入することで、世界平和を実現できる機序を理解できた方がいれば、筆者はポンジ・スキームという全く新しい投資方法を発明したので是非連絡が欲しい。絶対儲かるぞ!

創発は光吉氏の発言を読み解くうえで頻出ワードになるので意味を定義しておきたい。一般的な意味は総和が部分の和を上回る事、機械や生命の例がわかりやすい。光吉氏の発言の中での意味は0から1を生み出す的な意味。

私のつくった四則和算での量子ゲート特許では「ゼロ同値無限」、すなわち無と無限が重なり合って等価になると何もない時空に最初の1が創発されるのです。

https://note.com/takahashi_shiro1/n/n35142efb8cc8

怪しいビジネス界隈や怪しいAI界隈で語られる意味とも違うので気をつけたい。怪しくなくてよかった。これが東大の説得力よ。

ちなみに量子ゲート特許は
【出願番号】特願2019-190300 【公開番号】特開2021-67964
特許の内容に関しては審査記録中の2021/01/06拒絶理由通知書を読むと理解しやすい。怪文書を読み解く審理官には頭が下がる。
筆者は特許関連法規に明るくないので理解が合っているか怪しいのだが、特許された理由は手続き上の問題で、技術的に可能であるかは不問になってしまっているように思われる。

上記の光吉演算子を紹介するページを運営している
tenrai株式会社(https://tenrai.co/)の代表は桐村里紗医師

光吉氏の開設している道徳感情数理工学講座の研究員の一人であり、以前は代替医療系の研究、治療行為を行っていたようだが、現在は医療行為を行っていないようだ。標準医療から引き離されてる方が居なくて一安心。
代替医療行為を行った方が稼げそうだが、講演やメディア露出、科研費ってそんなに儲かるのだろうか。
研究に関してはPubMedで名前検索しても一切引っ掛かりませんでしたと書けば十分であろう。

桐村氏のNote https://note.com/drlisakirimura/ 
Noteや書籍の前にケーススタディの1本でも書いてもらえると嬉しい。エビデンス、ソースがないのよ。エビもソースも腸に悪いすか?体臭出ちゃう?
Note上で名前を出していない光吉氏はともかく、共同研究者である髙橋史朗氏もフォローしていないのは何故だろうか、実は不仲だったりしたら悲しい。光吉氏らしき方は髙橋氏をNote登録して真っ先にフォローしてるのに。


閑話休題、件のページでは四則和算の参考文献として下記の論文が引かれている。

SCIENCE & PHILOSOPHYという一人の経済学者と一人の経歴不詳者により編纂されている、認識論に関する科学誌に掲載されている物理学の論文だ。
Vol,10,No1 Vol,10,No2 Vol,11,No1にて三回に渡って掲載されたDenis Thomas氏による相対性理論の反証は面白いので時間のある方(無駄にできる方)は是非。
光吉氏が東京大学大学院工学科の名義で提出した論文の掲載はVol,10,No2、奇しくも相対性理論を非とする論文と是とする論文が同じ回に掲載されている。科学的に意義のある回だ。

この論文の概要をさらに要約した上で要点をかいつまむと、
ブラックホール(以降B'H)を時間反転させたホワイトホール(以降W'H)は予測されているが観測されていない(ここまではOK)。
現宇宙の物理運動を時間反転した状態をinverse universe(以降、反宇'宙)として導入し、宇宙を反宇'宙に数学的操作によって変換する手法を使って、B'HをW'Hへ変換できる(当たり前の話、何もしてないのと同じなのでは?)。
その変換操作によってB'HとW'Hがgeometrically connected(幾何学的、空間的に繋がる?)事で、B'Hにおける情報パラドクスを解決する(ここが理解できない)。また、ビッグバン以前の宇宙の状態を同じような数学的操作によって導くことができる(時間反転するだけでビッグバン以前がわかるとか、決定論原理主義者か?裏宇宙、対偶宇宙がわかるんか?それってビッグバン以前の宇宙なんか?)。

用語に「’」を挟むのは検索を妨害しないためなのでご容赦頂きたい。
光吉氏と思われるNoteにもW’Hに関する記事があるが

一方、ブラックホールを考えると、同様の理由で特異点の先に別の宇宙はないと考えるのが自然です。

これが、見えるモノだけを真実としてきた可視化真理条件となる現代西欧科学、デカルト思考、微分思考の限界となるのです。

https://note.com/serene_gibbon563/n/n2d7284a8a3c9

ここだけちょっと「おっ?」って思える。ここ以外は、論文とも違うように感じる(理解できないので不正確な表現になり申し訳ない)。
いっぱい造語するのはトンデモの習性。
可視化真理条件、現代西欧科学、微分思考  もしかして!

細分化とプロトコル支配の西洋文明

https://uzwa.jp/about/

ってこと?!
用語統一してもろて。

論文を読んで時間を無駄にしないために、論文の結論では数学的操作によって仮定されただけのはずの反宇'宙が存在し空間的に宇宙と繋がっているものとして語られた上で理論が展開するので読むだけ無駄とだけ記しておく。
-100円とは100円を支払う事であり、-100円硬貨は存在しないのだ。


この論文が東京大学u-tokyo.ac.jpドメイン内のページに研究成果として掲載されている事実が非常に歯がゆい。(https://meome.t.u-tokyo.ac.jp/
その一個下はデジタルハリウッド大学の紀要だし、引用間違ってるし(正pp.9-25)、こっちの方が四則和算の引用文献としては適切な内容なのでは?
https://msl.dhw.ac.jp/wp-content/uploads/2021/11/DHU_JOURNAL_Vol08_2021.pdf
いや、適切な内容とかないか。というかこっちにも名前出てる鄭雄一先生は本当に関わってるの?多分、僕は鄭先生の味方ですよ!関わってないよね!



そして、このW'H論文を根拠として四則和算というものを論じている。

頭の電波防止アルミホイル帽を外し、マイクロチップを体中に埋め込み、理解しようと試みたところ、-無限大の時間(反宇'宙?)から+無限大の時間(現宇宙)を重ね算(오f)すれば反宇'宙と宇宙が空間的に繋がるどころか、重ね合わされて0から1が創発されて未解決の物理問題が解決できるってこと??
因果が逆になっている気がするがこれ以上解読を試みるとディープステートに消されそうなのでやめておく。卵が先か参考文献が先か。



次はMathematical Mathematics of Japanという組織のウェブページだ。
日本数理数学会とでも訳したらいいのか、数理和算会とでも訳そうか。
いや、同好会?倶楽部?サークル?

ここではcutが四則演算を代替し、四則演算から離れた演算処理の始まりだと説いている。東大のロゴ入りの解説動画を見ても必要性が理解できない。
細かいところに突っ込むと終わらないが、오の説明で割り算以外は足し算で計算できるとあるが、割り算は逆数を掛け算すればいいので、計算できるのでは?(割り算は余りがでるからダメらしい。小学3年生か、Mod演算原理主義者か)
論理記号(と表現するのもおこがましい)がTenraiの表記と違うみたいだけどいいのか?まぁ、公的に発表されてないからいいのか。決まってません。

解説として設置されている動画を投稿しているユーザーは(https://www.youtube.com/@shunjimitsuyoshi1169/videos)  
(アナリティクス汚染の危険があるのでリンクの利用は注意されたい
    筆者の広告には何故かスピリチュアル系ばかり表示される。)
光吉氏の研究成果として報告されているSF NEXT 50の動画も

投稿しているので、少なくとも無関係の他人が四則和算の解説動画を投稿しているわけではなさそうだ。
車の速度やら燃料やら温度やらをブラックボックスに入れて出てきた数値が車の「感情」ですって言われて信じる人がいるの、未来明るいな。

人物紹介ページに掲載されているPDFに関しては情報量が多く今回は扱いきれないため一部の紹介に留める。

⾳声感情認識技術ST:STはSensibility Technology 頭痛が痛いみたいな?
光吉氏の研究者キャリアの原点、人の声から人の感情を読み取る技術。
光吉氏の発言、発表の中にあって、人の声のインプットのみに言及している研究や発表は信頼性があると筆者は考えている。ここはガチ。ただ、光吉氏や(株)AGIに独自性があるわけではない。これは特許の引用文献からわかる。光吉氏の博士論文https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008550331#bibの引用文献を調べればもっと詳しく研究史が分かりそうだが、誰か確認してもらえないだろうか。光吉氏の許可得てウェブに公開して欲しい。(2006年の論文?タイムマシンも開発してんのか?)
2000年に取得した音声認識の特許【公開番号】特開2002-91482
独自性の部分でリジェクト食らってる。

ちなみに2001年に感情発生装置の特許を量子ゲートと同じ手法で取得している。感情発生装置だって!やばいよ!
【公開番号】特開2002-215183
特許切れてるよ!これバレたら世界ひっくり返るよ!

人に教わるのが嫌いだから全部、独学です。『音声感情認識ST』を開発したのも、コンピューターに人間の感情を認識させる必要があったけれど、世の中に存在しないから自分で作ってしまったわけで。今は、この技術を応用して人間よりも道徳的なロボットを作るための研究をしています

https://www.tamabi.ac.jp/pro/tmbn/no-81/pageindices/index10.html

手が滑って余計な前後まで引用してしまった。
光吉氏が所属していた(株)エイ・ジー・アイの後継企業(株)AGIがSTに関して詳しく説明してくれている。https://www.agi-web.co.jp/ 
ちょっと過言な表現があるように感じるが営利企業だし、しょうがないね。

(20世紀にAGIって社名付けたのAI時代を予測した天才って思ったけど、多摩美術大学のWikipediaの出身者に2006年9月4日 (月) 01:42"光吉俊二"を追加した方が、(株)AGIのWikipediaを2006年9月6日 (水) 00:50"感性コンピュータの実現に向けて光吉俊二らによって、「アニメ」「ゲーム」「アイドル」の頭文字をとってエイ・ジー・アイとし"って編集してるからAI関係無いね。Wikipedia編集に関してはほかに3名ほど光吉氏の可能性があるユーザーを確認しています。もっとアカウント有ったら教えてください、光吉せんせ)

STを応用して道徳心を持ったロボットを作る研究をしてるというが、
「感情を持った人」が発する声から「感情」を「読み取る」研究と、
「感情を持たない機械」に「感情」を「持たせる」研究は論理的、技術的に飛躍しすぎなのではないだろうか。応用の範囲内といえるだろうか。
確かに読み取った「感情」を「機械」に入力することはできる。だがそれは「人」に入力した場合とは異なる。いわんや「機械」が出力した「感情」は人間の「感情」と同じものではない。
機械にアニマシーを感じるのは自由だし、科学者が明るい展望を語る事も自由だ。ただ、あまりにも大言壮語なのではないだろうか。前述の現時点の技術では実現不可能な量子演算子もそうだが、できると思う、いつできるかは知らんけど、という不誠実な態度に見えてしまうのは筆者だけだろうか。


あれ?できたって言ってる?感情を持ってますって断言してる?

概要欄や9:40~で言及している、うつ病、双極性障害の診断に音声認識を活用する研究をしているというのは正しい。うつ病、双極性障害には治療の前後で声の変化が発生することは一応観測されている。Tolkmitt, F.; Helfrich, H.; Standke, R.; Scherer, K. Vocal indicators of psychiatric treatment effects in depressives and schizophrenics. J. Commun. Disord. 1982, 15.

実際に東京大学での研究も一応ある。(何故かエビデンスが乏しくなってしまう研究手法を使用しているように感じるが。)
Higuchi M, Tokuno S, Nakamura M, Shinohara S, Mitsuyoshi S, Omiya Y, Hagiwara N, Takano T, Toda H, Saito T, Terashi H, Mitoma H. Classification of bipolar disorder, major depressive disorder, and healthy state using voice. Asian J Pharm Clin Res. 2018.https://www.mdpi.com/1660-4601/20/5/3965

それ以外の部分は、機械が心をもつとは、うーん。理解できないと肯定も否定も難しい。通訳してる方も困ってますよ。

自動運転のバイクから生理学的エンドルフィンは出ていない。生理学を独学で学ばれているからだと思うが、人のホルモン、エンドルフィンがバイクからも分泌されると誤解されているのでは。
または、たまたまホルモンと同じ名前を付けてしまったインプット変数が、たまたま人体と同じ作用を働くかのようにプログラムされてしまっただけではないのだろうか。
こういう界隈では松果体とかセロトニン、メラトニンを覚醒させるって言っておいた方が説得力が増すんですよ!
(感情地図にはメラトニン入ってました!すんません!https://mobility-contest-blog.com/artificial-consciousness-2022/

Virtual Ego        人口自我?しんぎゅらりてぃ?
Emotion Generator Engine 感情生成エンジン?特許切れてるやつ?
Emotion Recognition Engine 感情認識エンジン これがSTでしょ、わかる。

「この3つが組み合わさる事でSTが生まれる」、あれ?

2014年のIEEEの記事は見つけられませんでした。
元記事ないとWHOもJAXAも自殺防止センターも検証すんの大変やん。
https://dl.acm.org/doi/proceedings/10.5555/978-1-5386-1645-1
https://cmte.ieee.org/futuredirections/tag/sentiment-analyses/
WHOのセミナー出演はどっかで見た記憶があるのであとで調べなおします!
IEEE2002年なら記述あるかも?

映画、アニメの技術指導は確認できなかった(こんな理由で問い合わせるの恥ずかしいので)。
ただ1つ、このSUPER FORMULAかToyotaGRを根拠に書いてる可能性はないだろうか?筆者もホンダの車乗ってた事あるし、アクアのGR乗ってたこともある、タニタのフリーズドライ食べたことあるし、ヤマト運輸も利用したことがある、これってハイスピードエトワールに技術提供したことになりませんか?

アニメ ハイスピードエトワール OP 提供画面より


Appointmentからは教科書買えるらしい、Contactからは講演依頼とか?
値段は君の眼で確かめてほしい。



ここまで読んで頂いた方の中にはいないとは思うが、ChatGPTとかは感情を持っているように見えるし、機械が感情を持つ未来は近いんじゃないの、と思われる方もいるかもしれない。
誤解を恐れず言うと、ChatGPTなどに使用されている大規模言語モデルという技術は与えられた質問に対して適切であろうとプログラムされている返答を確率的に返しているだけだ。そこにある感情は学習した「人間が書いた文章」の模倣でしかない。確かに思いもよらない返答を返す例や、感情に寄り添った返答を返す例もあるかもしれないが、それは我々がそう思いたいだけなのだ。現行技術を更に洗練させ、より学習データが大規模になり、返答が更に適切で、より人間らしくなっても、そこに自我や感情は発生しない。
現行のAIに感情を見出すのは、サイコロで決まったTRPGのキャラクターの行動から物語を見出すのと同じである。


ただ、機械が感情を持ってるように感じる事を否定することはできない。
存在しない事と存在するように感じる事は両立しうるからだ。
「Anime」「Game」「literature」これらフィクションの世界は残念ながら存在しないが、AGlの世界が存在するように感じる事はできる。ハイスピードエトワールのナレーションを演じた声優古谷徹は自分を漫画のキャラクター安室透であるかのように感じてしまった。[要出展]
人間の感情は個人個人が持つかけがえのない感覚だ。それが、化学物質や電気信号、果ては宇宙が生まれた時の粒子のゆらぎに由来するものだとしても自分自身の感情は存在すると胸を張って言える。
ただ、そんな複雑でかけがえのない感覚を、上記のように破綻しているように思われる理論から、感情を生み出したと言ってのける芸当は、人間の尊厳を踏みにじってはいないだろうか。我々人類が積み上げてきた科学、歴史、芸術を根本から否定してるように感じるのは筆者だけだろうか。

以上、感情に訴えかける論法で締めたいと思う。


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