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仕事と家庭を上手に整理整頓する秘訣



第1章-なぜ整理整頓が必要なの か?


現代社会は変化のスピードがとてつもなく早い社会です。


 


20世紀半ばなら10年かかった変化がおそらく今では半年で起きるのではないでしょうか?


 


そのような時代に生きる現代人はとても忙しく、誰もが毎日やらなければならないことに忙殺されています。


 


その結果忙しさに紛れて、本来やらなければならないことをやれないまま過ごしてしまっていることが度々あります。




 


中でもやれないのが「整理整頓」です。


 


他人には簡単にできそうに見えることでも、本人にとっては精神的なゆとりもなく、とてもやりきれない仕事のように感じるものです。


 


著者もかつては整理整頓が全くできない人間でした。


 


子供の頃に学校で受け取った通知表にはいつも先生からのコメントとして「整理整頓をしましょう」と、かわいらしく見えるように工夫されて書かれていたものでした。


 


それでも直らずに子供のころの著者は学校の机の中はぐちゃぐちゃ、家の部屋も同様に常にぐちゃぐちゃな状態でした。


 


ある日担任の先生はみんなの目の前で著者の机の中のものを全て床に落とし、それを拾うように言いました。


 


多分堪忍袋の緒が切れたのでしょうね。



 


 


そのときの屈辱感は今も忘れることができません。




 


母にもよく注意されたものです。


 


ただ母はそこまで残酷なことはしませんでした。


 


母はあまりにも部屋の状態がひどい時には、著者の代わりに部屋の掃除をしてくれていました。


 


担任の先生も母も結局は著者に整理整頓のできる子供になって欲しかったのでしょうが、どちらも全く効果はありませんでした。


 


担任の先生はショック療法で著者を治療しようとしましたが、かえって腹立たしいばかりで効き目はありませんでした。


 


母は著者にやらせなかったということで、やはり母のやり方も効果はありませんでした。




 


子供のころ読んだ童話に、風の神と太陽の神がどちらが旅人のコートを脱がすことができるかを競い合う話がありました。


 


その童話の中ではまず風の神が先攻で旅人に風をびゅうびゅう吹きつけ、コートを脱がそうとしました。


 


しかし風が吹きつけると旅人はかえってコートをしっかり抑えるので、脱がすことはできませんでした。


 


ところが次に太陽の神が暖かいポカポカした日差しを降り注ぐと、身体が暑くなってきた旅人は自分でコートを脱いでしまいました。


 


この話に例えると子供時代の著者の机の中のものを全て床に落と し、それを拾うように命じた先生は風の神で、ぐちゃぐちゃになっている部屋を黙って掃除してくれた母親はさしずめ太陽の神でしょ



 


うね。


 


しかし童話と違って母親の太陽のような暖かい心も、子供時代の著者のコートを脱がす(整理整頓をさせる)ことはできなかったわけです。




 


そもそも整理整頓というのははたから見ればぐちゃぐちゃで汚らしくても、当の本人にとってはそれほど気にならないものです。


 


あなたの職場などにも多分1人や2人は整理整頓が全くできない人がいると思いますが、まわりの人がいくら顔をしかめていても本人は全然気にしていないのではないでしょうか?


 


ましてや著者の場合はまだ子供でしたからなおさらです。


 


整理整頓ができるようになったのは大人になって片付けの方法に気づいたからであり、片付けの重要性を理解し、著者の子供たちにもその方法を教える必要性があったからです。


 


子供は親の背を見て育ちますので、親ができないことを子供に言っても聞くわけがありません。


 


だからまず自分が整理整頓のできる人になろうと考えたのです。




 


本書の目的は第一に家の中や学校の机の中の片付け方を学んで、物を見つけやすい状態にすることです。


 


第二には生活を整理整頓し管理しやすくすることで、気持ちに余裕を持てるようにすることです。


 


著者の経験では重要書類の整頓方法や家の中を整理してきれいに保つ方法を学んで、それらが容易にできるようにはなった後も、それだけではなぜか毎日精神的には追い詰められていました。



 


つまり自分の周囲の物理的な整理整頓はできても、心の中の整理整頓の仕方は学んでいなかったのです。




 


当時子供たちは様々な活動に参加しており、四六時中著者は学校関連の行事に呼び出され、同時に家事も仕事もしなければなりませんでした。


 


その時の状態はまるでかごの中に飼われて、毎日くるくる回る車輪の上を走っているねずみのような状態でした。


 


常になにかに追われているようで、心の中は全く落ち着くことがありませんでした。


 


しかしそれからまもなくして、仕事場や家の中ばかりでなく心の整理整頓方法も学ぶことができました。




 


本書では著者の経験を通して見つけた、生活に関わるあらゆる場面での整理整頓方法をお教えします。


 


家の中の整理整頓方法、仕事の整理整頓方法、生活の整理整頓方法まで全てです。


 


またその他にも子供たちに整理整頓方法を教える際の秘訣と秘密も、合わせてお教えします。


 


本書を読むことで書かれている様々な教訓から生活を整え、生活にゆとりを持つ方法を学ぶことができます。


 


その他にもあなたに役立つ秘話も載せてあります。


 


さらに加えて急な事態が発生しても、整理された状態をキープできる方法もお教えします。



 


整理整頓は心身共に健康な生活を保つために必要なことです。しかし我々はロボットではなく人間です。


そして予測不能の事態は誰にでも発生します。


 


ですから常にきちんと整理整頓しておきたいとは思うけれども、心にゆとりがなくなるほど厳格にはなりたくないものです。


 


整理整頓はなんのためにするのかを考えてみてください。


 


整理整頓は仕事や勉強などの段取りを良くするためにするもので、整理整頓はそのための手段のひとつです。


 


目的は仕事や勉強をすることです。


 


ですからまるで整理整頓が目的化したように強迫観念にとらわれたら、それは本末転倒です。




 


神経症の一つに「潔癖症(不潔恐怖症)」と呼ばれる症状があります。


 


この症状になると部屋に紙屑が一切れ落ちているだけでも気になって、仕事や勉強が手につかなくなると言います。


 


また外出しても他人が使った食器に入ったレストランの食べ物は食べられなくなります。


 


整理整頓が強迫観念のようになるとこの潔癖症に近い症状になりますので、整理整頓はあくまでもなにかをするための手段であることは忘れないようにしましょう。


 


そうすれば自分の身の回りをどこまで整理整頓すれば良いのかが、おのずから分かってきます。



 


いろいろ申し上げましたが、ただ整理整頓が大事なことであることには変わりありません。




 


整理整頓ができるようになれば自然に自分が整理整頓できる人物であることが自覚できるようになり、毎日の生活の中で上手く生活が回っていっていると実感することもできるでしょう。


 


周囲の環境が快適になり、家庭内に調和も生まれるようになります。そのためには生活の中に整理整頓術を少し取り入れてみましょう。


 


本書でご紹介する簡単な整理整頓術を身に付けることによって、あなたは変わることができます。


 


あなたは健康な精神状態を保ち、仕事の効率を上げ、生活や自分の身の回りの秩序を保つことができるようになります。


 


現状ではどれほど整理整頓ができない状態であっても、本書に書かれている整理整頓の秘訣を知ることで、整理整頓の基礎を身に付けることができるようになります。




 


勉強を始める最初の段階では、すぐに精神的に追い詰められない自分を作ることを意識しましょう。


 


まずは心の整理整頓ができるように、心の中には常に余裕がある状態を作りだすのです。


 


もちろんこれはその人の性格にもよりますが、決して簡単なことではありません。


 


その状態に到達するには数ヶ月、あるいは数年、もしかしたら一生かかるかもしれません。



 


しかし自分の家が破産しても、子供たちが全エネルギーを自分から吸い尽くしても、飼い犬が家で四六時中事故を起こしても、一つのプロジェクトを飛ばしてしまったことで仕事が混乱状態になってしまっていても、自分に起こる全てのことは何とかなるものです。


 


ですから直ぐに追い詰められないことが重要です。


 


どんなに深刻な問題が起きても、命まで失いかねないような問題はめったに起きるものでは無いのです。


 


腹を決めてある程度は図太く生きて行きましょう。




 


自分に起こったことを何とか取り戻すための秘訣は、最初から少しずつステップを踏んで物事を行うということです。


 


整理整頓も同じことです。


 


今まで好き放題に散らかしていたものを一度に整理整頓しようとすると、気が遠くなりそうになるのではないでしょうか?


 


だからこそ整理整頓する際には、著者の父親が良く言っていた古い格言を覚えておく必要があるのです。


 


「象はどうやって食べるのか?」答えは「一口ずつ」です。


整理整頓をする時もこの格言通り「一つずつ」すれば良いのです。今日できなければ明日も明後日もあります。


だから決して焦る必要は無いのです。


 


但し、一つだけは頭に入れておいてください。



 


それは「今日できることを明日に延ばさない」ということです。


 


「明日も明後日もある」というのは、今日はなにもしなくても良いという意味ではありませんので、その点は誤解の無いようにしてください。




 


それではこうしたことを念頭に本書をお楽しみください。 あくまでも整理整頓術は少しずつ習得することが重要です。


「塵も積もれば山となる」の精神でゆっくりじっくり取り組みましょう。


 


誰でもできる簡単な方法で、生活も、家庭も、仕事も上手く片付けることができるようになるはずです。





第2章-不要品を片付ける方法


 


 


いらなくなった物を片付ける方法には、良い方法と悪い方法があります。


 


悪い方法とはあまりにも物が散乱している状況にうんざりして全てのものを捨ててしまう方法です。


 


整理整頓術を教える本の中には捨てることを奨励している本もありますが、それは必ずしも正しい整理整頓術ではありません。


 


全てのものを捨ててしまう方法は、確かに手っ取り早く家の中をスッキリさせることができます。


 


しかしこの方法では学生時代の思い出や、親や祖父母からから譲り受けた大切な物までごみとして捨ててしまう可能性があります。


 


これらは捨ててしまうと二度と取り戻すことができないものです。


 


しかし大切なものかどうかも確認しないで不要品を捨てたいという情熱は、ある意味買いたいところです。




 


誤解の無いように申し上げておきますが、整理整頓をする時になにも捨ててはいけないと言っているわけではありません。


 


ひとつも捨てずに整理整頓をすることなどできませんから。


 


ただ不要品だと思うものでも、捨てる前には本当に捨てるべきものなのかどうかを今一度確認する必要があります。


 


また他の人に譲れるものなどが無いかどうかも仕分けると良いでしょう。



 


他の人に譲ることができれば不要品を有効に活用でき、現在大きな問題 になっている省資源にも貢献できます。


 


 


不要品を片付けた際の具体例として、著者が大きな家から小さなアパートに引っ越したときのお話をしましょう。


 


この時は子供の使わなくなったおもちゃが山のように出ました。


 


これは子供のいるご家庭ではどこでも経験していることだと思います。


 


本当に子供のおもちゃというのはいつの間にかたまるものですね。


 


著者の場合は結局ごみの収集車に全て持っていってもらいました が、後でこうしたおもちゃは様々なチャリティーに寄贈ずれば良かったと後悔しました。


 


ただ当時はあまりの量に圧倒されてしまい、とにかく目の前から物をなくすことで手一杯でした。


 


しかしごみの収集車に全て持って行ってもらう方法の良いところ は、近所の人達が無料で我々が出したごみの山の中から必要な物を持って行ってくれたというところでしょう。


 


著者の近所の人達は富裕層なので、通常は中古品を購入するところを見られたくないという思いからフリーマーケットなどには来たがりませんが、そうした人達が著者の捨てたごみの山に登って物を取っていく姿を見ることは喜ばしいことでもありました。


 


もっとも最近ではリサイクルというのは資源の有効利用の面から良いこととされていますので、富裕層でも人の捨てた物を拾っていくのは特に恥ずかしいとは思っていないのかも知れませんね。


 


まあそれにお金持ちほどケチだとも言いますし・・・・・。



 


余談はともかくとして、重要なことはこうしたおもちゃは寄贈すべきであったということと、不要品を整理する際にしっかりとした仕分けをすればよかったということです。




 


不要品を片付ける良い方法は、現在著者が利用している方法です。


 


著者は定期的に家を一通り見回して、クローゼットの中など物がたまり易い場所のいらないものを整理するようにしています。


 


その場合のいらない物を選別する基準は、衣類などについては「1年ルール」を採用しています。


 


コートや他の衣類は1年間使用しなければ著者には不要とみなし、チャリティー用として一つの袋の中にまとめてしまいます。


 


中にはあまりにも着古してしまっているものもありますが、そうしたものはチャリティーには出せません。


 


またシミが付いたり、ジッパーが壊れたりしているものも同じです。


 


ですから不要品の整理で著者が行っていることは、二つの袋を用意することです。


 


一つは寄贈するためのものを入れる袋、そしてもう一つはゴミとして捨てるものを入れる袋です。


 


このように二つの袋を用意して仕分けをすれば、比較的簡単に不要品を処理できます。




 


家の中にある不要品にも色々な種類があります。 例えば全くの不要品と長年収集してきたものです。


収集品というのはある時期熱心に収集したものでもなにかの拍子に



 


熱が冷めて、その後は見向きもしなくなることはよくあることです。


 


ただ今は興味を失っていても、一度は熱心に収集した物はなぜか捨てがたいものです。


 


だから現実にはもうただの不要品なのに毎年の大掃除でも生き残って、家の中に存在し続けています。


 


著者もかつては収集を行っていたこともあり、そのころはよく不要品がたくさんあるお宅に出向いていって、必要な物をもらってきたものでした。


 


今になって考えて見れば、よそのお家のゴミをせっせと我が家に運んでいました。


 


そうした経験から押入れの中などに、古い雑誌や新聞が詰まっている家に住む人達をよく目にしてきました。


 


家の中の移動が困難になる程物があり過ぎる家もたくさんありました。


 


こうなると不要品が生活者を圧迫する状況になってしまいます。




 


人が不要品をため込んでしまう理由は二つあります。


 


理由の一つは、自分が持っている物は価値があると思い込んでおり、他の人から見れば無価値のものでも持ち続けてしまうということです。


 


こうしたタイプの人は後々必要になったときに困らないようにと、物を一切捨てることができません。


 


多くの人達が古雑誌や古新聞など、人々が通常捨てるようなものまで万が一必要になる時が来ることを恐れて捨てられないという、脅迫的な精神状態になっています。



 


 


著者の近所にもそうした人がいて、著者が捨てたゴミの中からいつも物を拾って帰っていました。


 


いうまでもなく彼の家はゴミの山でした。


 


さらに悪いことにはその大半が著者の持ち物であったということです(もっともそれは著者が責任を感ずることではありませんが)。




 


物を捨てられなくて他人から見れば無価値な物まで持ち続ける人の中には、ある特定の強烈な経験がトラウマになって物が捨てられなくなった人もいます。


 


例えば戦時中、そしてそれに続く戦後の物不足の時代に思春期や青春期を送ったお年寄りの中には、絶対に物を捨てることができない人が大勢おられます。


 


このようなお年寄りはスーパーで食品を入れているトレーや、飲み物が入っているペットボトルなども捨てることができずに家の中にため込んでいます。


 


あなたの周りにもそういうお年寄りはおられませんか?


 


ただ一番食べ盛りの時代に食事も満足にできずに、現在の飽食の時代に育った若い世代にはとても信じられない、餓死者が都会の片隅で道路に転がっていたような時代を生き抜いてきた人たちが、物を捨てられない気持ちはよく分かります。


 


この様なお年寄りは多分生涯物を簡単に捨てる、今の時代にはついていけないでしょうね。




 


二つ目の理由は不要品があまりにも多くて、どこから手を付けたら良いか分からない状態にあるということです。



 


洋服が一杯詰まったクローゼットを見るとやる気が萎えてしまい、全く手を付けることができません。


 


ついつい整理整頓を1日延ばしにしてしまいます。 そうしていく内に不要品が更にたまっていくのです。


そしていつの日か不要品も大切な物も区別なく全て破棄してしまうという、強硬手段に出るしか選択肢が無くなってしまうのです。


 


このタイプに属する人は実際には非常に大勢おられます。


 


大勢と言うよりも、整理整頓が苦手だという人のほぼ全員がこのタイプの人と言っても良いでしょうね。




 


家の中の不要品を処分する最も簡単な方法は、何をどのような理由で残 したいのかをあらかじめ決めておくことです。


 


つまり残すものの基準を決めておくのですね。


 


そしていったん整理整頓を始めたらその基準は杓子定規に守ることです。


 


そうしないといざ整理整頓を始めると「あれも残しておこう、これも残しておこう」になって、せっかく整理整頓をしたのに終わってみれば、結局は家の中は元の状態とほとんど変わらないという状態になってしまいます。




 


では具体的にはどのような基準で残す物を決めれば良いのでしょうか?


 


当然思い出の品やコレクションは残しておきます。使用する衣類も残します。



 


 


しかし大きくなって、もはや使用しない子供のおもちゃや数年間利用していない衣類、体形の変化で着られなくなってしまった衣類、装飾品、見なくなったビデオ、ミュージックCDや本はチャリティーとして寄贈するなどして処分しましょう。


 


インターネットで調べればチャリティーはフリーマーケット形式のものも含めて、結構あちこちで開催されています。


 


ですからもし気持ちがあるなら、近くで開かれるチャリティーに寄贈すれば良いと思います。


 


もちろんその時は衣類などはきちんと洗濯しておくのは、社会人としての常識です。


 


実際にチャリティーの寄贈品などをチエックすると、中には明らかにゴミを捨てる感覚で寄贈したと思われるようなボロボロの衣服 や、汚れたままの衣服を送ってくる人もいます。




 


子供の古いおもちゃなどは、一度オークションに出品してみるのも良いかも知れません。


 


おもちゃの中にはマニアの間で「レア物」と呼ばれるような限定品などがあり、そのようなおもちゃはびっくりするような高値で売れることがあります。


 


おもちゃの他にも「これは」と思うものがあれば、デジカメで写真を撮ってオークションに出してみれば良いと思います。


 


自分で出品するのに慣れていない人には、ネットオークションの代行をしてくれる業者もいます。


 


このような代行業者に依頼すれば写真撮影なども全部業者が代行してくれます。



 


手数料は売買が成立したものに付いてのみ発生する、いわゆる「成功報酬型」が一般的です。




 


また私達が使っている物の中には、法律でリサイクルの対象になっている ものもあります。


 


電化製品はこうしたリサイクル品のカテゴリーに属します。


 


デジタルタイプのテレビを購入したために使用しなくなった、アナログテレビなどを持っていませんか?


 


基本的にチャリティーでは電化製品の受け取りはしません。


 


また古いブラウン管式のアナログテレビなどは、オークションに出品してもたぶん売れないと思います。


 


ですから近所の人や友人に欲しいという人がいれば、無料で提供するのも良いでしょう。


 


親元を離れて新しく生活をする若い人の中にはお金が無い人も多いので、知り合いに声をかけておけば、電化製品などは結構利用してくれます。


 


著者の場合は、電化製品は全て近所の人にもらってもらいました。


 


最近のテレビ通販業者などの中には自社の通販で新しくテレビを購入する場合、古いテレビは例え壊れたものでも○万円で引き取るというような宣伝をしている業者もいます。


 


現在古いブラウン管式のテレビを使っていていずれ近い内に買い換える予定の人は、このような下取りを利用して新しいテレビに買い換えるのも良いかも知れません。




 


基本的には電化製品は一定のリサイクル料金を払って、専門のリサ



 


イクル業者が引き取ってくれることになっています。


 


都市部ではリサイクル業者が車で巡回をしながら不要な家電製品を引き取ることもしていますので、最終的にはそのような専門業者に引き取ってもらえば家の中はスッキリします。


 


著者は廃品業者などの専門業者には一切頼りませんでしたが、これは間違いだったかも知れません。


 


不要品を収集しているリサイクル業者に頼めば、もっと手間が省けたと思いますから。




 


不要品の処分には十分時間をかけましょう。


 


気持ちが滅入ってしまう時には1時間だけ不要品の仕分けに時間を費やし、また翌日続きを行うようにしましょう。


 


たとえ1日に30分だけでも、何を残し、何を破棄するのか決めることに費やせば、十分整理整頓生活が始められます。


 


誰も1日でこれまでの不要品を完全に処分することを期待していません。


 


先にも申し上げましたが整理整頓をしなければいけないという気持ちが強すぎて、それが強迫観念のようになるのは好ましくありません。


 


そもそも整理整頓というのは毎日習慣的になにげなくできるようになるのが理想ですから、それが気持ちの上で大きな負担になるのは好ましくありません。




 


あなたのお家ではどのような不要品が多いですか?


 


著者の家では、本と雑誌が不要品のほとんどを占めています。



 


 


そのため月に一度著者は全ての本に目を通して、二度と読まないと思われる本は古本屋に持っていきます。


 


最近は都市部には大きな古本屋がたくさんお店を出していますので、古本はそこへ持っていくのが一番です。


 


例えわずかでもお小遣いになりますから。


 


ただ古本屋では雑誌類は引き取ってくれませんので、自分で処分方法を考える必要があります。


 


著者の家では4種類の雑誌を定期購読していますが、読まなくなったものは住所と名前の部分をはがして古紙回収に出します。


 


1年に1度映画や音楽関係のものに目を通し、不要な物はチャリティーに寄贈します。


 


著者の家族は非常に多くの映画を見ますし、音楽も聴ききますので1 年も経つとかなりの数の品になります。


 


中には将来のためにとっておくものもありますが、他の物はチャリティーに寄贈しています。




 


小さな子供を抱える人は特におもちゃや、ぬいぐるみ、子供の洋服に警戒しなければなりません。


 


こうしたものは子供の成長と共にどんどん不要になっていくものですから、いつの間にか不要品が積み重なっていきます。


 


そしてクローゼットや子供部屋がどんどん不要品の山になっていくのです。


 


実際子供の持ち物というのは使う期間は非常に短いですね。



 


子供の成長は早いので洋服などは1年で着られなくなりますし、おもちゃも子供はすぐに飽きて見向きもしなくなります。


 


使わなくなったおもちゃや、ぬいぐるみ、洋服も使えそうなものはきれいなうちにリサイクルショップなどに持っていくと良いでしょう。


 


もちろんフリーマーケットやネットオークションなどを利用して、誰かに売っても良いでしょう。


 


そうすることで必要な人が低額で購入することができますし、省資源にもなって多少なりともエコロジーに貢献できます。


 


この行動は子供に思いやりの気持ちを教えたり、物をため込まないということを教えたりする良い機会にもなります。


 


最近は地球環境に関する問題が世界的な関心事になっていますの で、子供の内からエコロジーに関心を持たせるのも良いことです。




 


もちろん子供にとっても思い出の品物はあり、捨てたくないものもあります。


 


こうした品物は取っておかなければなりません。


 


例えば、著者の娘は現在19歳になりますが、1歳の時に遊んでいたバービー人形をいまだに大切に持っています。


 


そうは言っても、クローゼットの奥のほうに入れてあるだけなのですが、彼女が決して手放したくないものなのです。


 


そういうなにか思い入れのある品物は誰でもあるものです。こうした思い出の品は取っておきましょう。



 


子供の成長記録の写真やビデオなどはデジタル化してDVDなどにしておくと、保管するのに場所を取りません。


 


最近は街の写真屋さんなどで古いアナログのフイルムやビデオテープを、デジタル化するサービスをしているところもあります。


 


少しお金はかかりますが、子供の成長記録などは子供が大人になっても長く保管しておくものですから、多少のお金は払ってでもデジタル化して保管することをお勧めします。


 


ご存知の人も多いと思いますが、アナログの写真フイルムやビデオテープは時間が経過すると劣化します。


 


その点デジタル化したものは通常の状態で保管すれば劣化しませんので、古いフイルムやビデオテープなどで長く残しておきたいものは、早めにデジタル化しておくのが良いでしょうね。


 


コンピュータに強い人は自分でスキャナなどの機器や編集ソフトを購入して、撮影したものを次々にDVDなどにしておけば良いと思います。


 


現代はコンピュータの外部媒体に記録できるものは最大限これに記録して、紙媒体など嵩張るものでは保管しないのが常識です。


 


CDやDVDなどの外部媒体は価格も安く記録したものは半永久的に変質しませんので、写真やビデオだけでなく書類などもスキャナで読み取って保管するのが一番良い方法です。


 


ただCDやDVDなどに記録する場合1枚の媒体に大量に記録されますので、後に必要な記録を探しやすいように体系立てて記録する必要があります。


 


この記録の階層化などについては後の章で詳しく説明します。




 


不要品とは、家の中をごちゃごちゃにする不必要なもので、何年も



 


かけてたまってしまったものです。


 


それらを捨てる気持ちが起きたら、先ず真っ先に使ってくれる人がいるかどうかを確認しましょう。


 


物はまず使ってもらえることが一番ですから、友人、知人、ご近所さんなどに声をかけてみます。


 


洋服などは結構使ってくれる人もいます。


 


特に子供の乳母車や三輪車、自転車などは必要な期間はほんの少しの間なので、買ってもすぐに不要になることが分かっています。


 


ですから生まれたばかりの乳児がいるお家などが、その様な子供用品はよく引き取ってくれます。




 


こうした不要品は仕分けをしたら、家の中の目に付かない所定の場所に一時的に保管しましょう。


 


物置を用意しても良いでしょう。


 


著者の家は現在小さい家ですが、今でも捨てられない大切なものは全て保管できています。


 


ディスプレイ用のケースを安価で購入して、コレクションしている人形を入れています。


 


本棚を置くスペースが十分ないので、クローゼットの一番上の段を片付けて本棚として利用しています。


 


クローゼットは背が高いので上部が無駄な空間になっていることがよくあります。


 


著者のように本棚として使ったり立体式のハンガーなどを使って、クローゼットの空間は上手に利用しましょう。



 


 


別に自慢するわけではありませんが、我が家の中を歩いて見るとクローゼットの中も含めて、実に整理整頓されていることが分かります。




 


一度不要品を片付けてしまうとその後の家の片付けは楽になり、整理整頓上手になります。


 


どこに何がしまってあるのかがはっきりし、間違って大切なものを捨ててしまうこともなくなります。


 


あなたもまずは身近なものから順に整理整頓をしてみましょう。


 


但し、先にも申し上げたようにあまり何もかも一度に片付けようとは考え ずに、気持ちに余裕を持って順番に整理整頓していきましょう。



 


第3章-クローゼットの中の片付け


 


 


クローゼットと一般的に呼ばれているのは、正式には「ウオーク・イン・クローゼット」と言う背の高い収納庫のことです。


 


人が立ったまま中に入っていけるので、ウオーク・イン・クローゼットです。


 


ウオーク・イン・クローゼットの他にはコート類を収納する「コート・クローゼット」、靴を収納する「シューズ・クローゼット」、日曜大工道具やペンキ、洗剤、トイレットペーパーなどを入れておく


「ユティリティー・クローゼット」など、様々な用途別のクローゼットがあります。


 


従来の日本家屋には欧米の住宅のような備え付けのクローゼットは使われず、収納庫としては「押入れ」とその上にある「天袋」が一般的でした。


 


しかし最近の戸建住宅やマンションなどでは、このクローゼットはごく当り前のように備えつけられています。


 


また従来の押入れをリフォームして立って出入りできるウオーク・イン・クローゼットにしたり、押入れの中に収納式の背の低いクローゼットを入れることもよく行われています。




 


もともと押入れもクローゼットも物を収納するという目的には変わりは無く、日本家屋の押入れなどの収納庫と洋風のクローゼットの一番の違いはどこにあるかと言えば、それは内部に照明があるか無いかだけです。


 


ですから、以下でお話しするクローゼットに関わる整理整頓の話は、そのまま「クローゼット」を「押入れ」に置き換えれば良い話も多々ありますので、お部屋にクローゼットの無い人も参考にしてくださ



 


い。




 


先に第二章でもクローゼットの中の片付けについて少し触れました。


 


クローゼットの整理整頓をする時に二つの袋を用意するというメソッドを利用すると、チャリティーなどに寄贈するものと処分するものとの区別が簡単にできます。


 


同様のルールはユティリティー・クローゼットやコート・クローゼットの中を片付ける際にも適用できます。


 


整理整頓されているクローゼットにする最良の方法は、まずクローゼットの全スペースを利用しているかどうかを確認することです。


 


クローゼットというのは案外スペースを有効に使っていません。


 


特に物の出し入れがしにくいクローゼットの上の方や下の方、ドア裏などが、あまり使われていないのが一般的です。


 


また日本の家屋は欧米の家屋に比べて狭いので、そこに欧米式の大きなクローゼットを備えつけようとするとかなり無理があります。


 


このように家が小さい場合はクローゼットのスペースが十分ではないので、他に納戸のような物入れスペースが無い限り、保管するものの量を縮小しなければなりません。




 


クローゼットを有効に使う場合、クローゼット整理道具などを利用すると、さ らにスペースのより良い有効活用ができます。


 


クローゼット整理道具には「各種システム収納ラック」、「各種ハンガーラック」、「キャスター付き収納ボックス」など、様々なものが市販されていますので、これ等を組み合わせてうまく使うことでクローゼットを隅から隅まで有効に使えます。



 


 


組み合わせは整理道具のカタログを見ながら自分でいろいろ組み合わせを考えるのも楽しいのですが、面倒だという人や時間の無い人は、そのような整理道具を販売しているお店に依頼すればプランを考えてくれます。




 


最近クローゼットの備えられた新築マンションに引っ越された人などは、新しいお住いのカラのクローゼットを見ると、現在のクローゼットは旧式のクローゼットよりも、多くのスペースがあることがお分かりになると思います。


 


新しいクローゼットでは、例えば上段の棚はシャツやセーターなど様々なアイテムを収納できるようになっています。


 


また服をかけるポールもあります。


 


クローゼット整理道具を利用して、更にその空間に棚を設置することができたり、かごを置いてより多くのものをより整然と配置できたりします。


 


それでも定期的にクローゼットの中を整理するようにしないとクローゼットの中は徐々に不要品がたまり、引き出しやかごも雑然としてきます。




 


クローゼットを片付ける時は最低でも2時間以上はかけましょう。


 


クローゼットを上手く簡単に片付けたい時は、一度クローゼットの中身を全て外に出し、新聞紙を敷き詰めた部屋のカーペットの上やベッドの上に置くという方法を取ります。


 


クローゼットの中を全て空にし、先ず必要なものと不必要なものとを区分しましょう。


 


2年間以上使用していない衣類は、保管しておいても今後恐らく二度



 


と着るチャンスは無いでしょう。


 


もっとも正装だけは例外で、過去には長く使っていなくても今後利用する可能性はあります。


 


ただし今後とも保管しておくのはサイズが合っているもので、結婚式などに呼ばれる際に利用できるものに限定しましょう。


 


サイズの合わないものは残しておいても使うことはまずありません。


 


サイズの合わない正装で結婚式やパーティーにいく人などはいないからです。


 


ですから買う時は高かった正装でも使えないものは、思い切って処分してしまいましょう。


 


利用していない靴も捨てましょう。


 


穴があいていたり片方がなくなってしまったりしているような靴は当然捨ててしまいます。


 


家の中のクローゼットは全て同じ方法で片付けるようにします。ただし思い出の品だけは必ず残しておくようにします。


 


二つの袋のメソッドで再びクローゼットに戻すもの、チャリティーに寄贈する もの、破棄処分にするものなどの仕分けが終わったら、一度クローゼットの中をきれいに掃除します。


 


このような機会でもないとクローゼットの中は掃除出来ませんので、念入りに掃除しましょう。


 


掃除が終わったら今後も使うものをクローゼットに戻しますが、この時以下のように収納物の位置に注意して戻します。



 


 


 


 


①クローゼットの上段


 


脚立や踏み台が無いと収納物の出し入れが難しい場所です。


 


従って、収納物は取っ手のある収納箱や布ケースなどに入れて保管します。


 


取り出す時は一度引き出しごと抜き出してから、下でゆっくりと目的物を探すためです。


 


収納物は一定期間保管する季節物や布団、思い出の品などが適しています。


 


同じ上段でもさらに出し入れが難しい上段の奥は、1年に1回しか使わないようなお正月用品など、めったに出し入れしないものの置き場です。




 


②中段


 


クローゼットのゴールデンゾーンで、洋服を吊るすポールもこの位置についています。


 


頻繁に出し入れする洋服や季節のコートなどは全部この位置に集めます。


 


洋服などを吊るす時は、下はできるだけ開けておくようにします。ここに収納箱などを置けるようにするためです。


例えばハンガーに吊るした洋服を丈の長さの順に並べれば、下にまとまったスペースが出来ます、


 


デッドスペースになりがちな扉の裏もメッシュパネルなどを使っ



 


て、できるだけ有効に利用します。




 


③下段


 


引き出しのついた小物衣料用の収納ケースや、子供のおもちゃなどはここに収納します。


 


よく出し入れをするものは下段の手前、あまり出し入れしないものや重いものは下段の奥に収納します。


 


収納ケースなどは出し入れしやすいように、出来るだけキャスターつきにしましょう。


 


このようにクローゼットのスペースは目一杯利用し、それでいて収納物の出し入れに不自由が無いように工夫します。


 


このようなことは行当たりばったりではうまくいきませんので、必ず事前に収納計画を立ててそれをメモ書きで良いので、書面にしておいてください。


 


そうすれば複数の人(奥さんや子供さんなど)がいっしょに作業をしても、効率よくきちんと整理できます。




 


著者の家では1年に2度、衣替えの際にこうした整理整頓を行っています。


 


季節ごとに衣替えする必要がある場合には、季節ごとに衣類を保管する箱を変えておくと良いでしょう。


 


クローゼットに衣類を収納する時は、あまりびっしりと詰めて吊り下げてはいけません。


 


衣類をびっしりと詰めて収納すると湿気がこもります。


 


衣類の中には湿気を吸ってカビが生えやすいものもありますので、



 


できるだけ間隔をあけて収納します。




 


クローゼットに吊り下げて収納できる衣類の適正枚数の計算式は、


 


「ポールの長さ(cm)÷2cm=吊り下げることができる衣類の枚数」になります。


2cmは吊り下げた時の洋服などの厚みの平均値です。クローゼットの中を見直す時の参考にしてください。


 


そのシーズンに使わない衣類はクローゼットではなく、別の保管箱にしまっ ておきます。


 


もっとも残念ながら著者の家は、春夏秋冬分の4つのコンテナーを置くスペースがありません。


 


ですから季節のものとそうでないものとだけを分けています。


 


ベッドの下にものを収納する方法はあまり良くないと思いますが、物によってはそうしたスペースを有効活用できるものもあるかもしれません。




 


最近の一戸建て住宅では階段下に小さなクローゼット(収納庫)がある造りも多くなっています。


 


階段は玄関のすぐ近くにある場合が多いのでここにちょっとしたクローゼットがあると、子供のスポーツ用品などのグッズや、普段は履かない礼装用の靴などを保管するのに便利です。


 


リフォームで階段下に収納庫を作る人もおられます。



 


ベッドの下に物をおくよりも、できればこのようなちょっとしたデッドスペースを利用することを考えてみましょう。




 


クローゼットの片付けで重要なことは2度と利用しないものと、2度と利用しないと思われるものを全て処分するということです。


 


ユティリティー・クローゼットやコート・クローゼット、シューズ・クローゼットなどについても同じことです。


 


一定の期間ごとに一通り中に目を通して不必要なものを処分します。


 


大型のウオーク・イン・クローゼットと同じくこれ等のクローゼットにもちょっと油断するとすぐに不要品で一杯になります。


 


むしろ日ごろあまり目立たないだけ不要品がたまりやすいのかも知れません。




 


繰り返しになりますが、クローゼットの中を片付ける最も簡単な方法は、先ずクローゼットの中を空にすることです。


 


そして不要な物を捨てて必要な物だけを、再びクローゼットの中に戻すのです。


 


その時は残すものについての一定の条件を決めておき、それに合致しないものは未練を捨てて処分するようにします。


 


こうすることで本当に必要なものが必要な時に見つかりやすくなります。




 


クローゼットの整理整頓に加えて、自分の居間におかれている机の引き出しの中も片付けましょう。



 


著者は引き出しの片付けも年に2回行っています。


 


著者の家はとても小さいのでベッドルームにテレビを置くことは邪魔になり好きではないのですが、横になりながらテレビを見ることが止められないので、部屋の隅を有効に使えるコーナーラックを利用して小型のテレビを置いています。


 


もともと使っていなかった部屋のコーナーを有効に使っていますので、部屋が狭くてもそれほどテレビが邪魔にはなりません。


 


洋服を収納するにはドレッサーはもちろん利用しています。


 


部屋にはアンティークのドレッサーもあり、それも収納に役立っています。




 


このように空間をフルに利用する方法を考えれば、小さな家の小さな部屋でも十分な空間作りができます。


 


また良く片付いた部屋にもなります。


 


それでもやはり定期的に整頓を行うことは重要なのです。


 


年に2度クローゼットを掃除するにはそれぞれ数時間かかります。


 


中には短時間でできるものもありますが、例えばコートのクローゼットはコートだけなので簡単に整理整頓できます。


 


コートの棚の上段にはフォトアルバムを整頓して置いています。


 


コートにも一通り目を通し、年に1度チャリティーに寄贈しています。


 


食料品を収納してある床下収納庫やキッチンの収納庫も、整理整頓したいクローゼットの一つです。



 


 


著者は月に一度整頓して不要なものは処分するようにしています。


 


貯蔵されている醤油やソースなどの調味料などは、忘れていた使い残しがよくキッチンスペースに放置されています。




 


家の中を整頓する目的は単にお客さんを招く目的だけではなく、何年も使用しないままになっているものを処分するという目的があります。


 


家の隠れた部分を整理整頓することは、本当の意味で家を整理整頓することを意味します。


 


そのことで空間が十分確保され、新しく物を買ったときにも収納できる余裕が生まれます。


 


また整然と物が並べられたクローゼットや引き出しというのは、開ける時にも気分が良いものです。


 


こうした空間にいると気分がリラックスし、心にゆとりが生まれてきます。





第4章-ルーティーンの重要性


 


 


整理整頓には不要品の処分やクローゼットの利用、引き出しの中の片付け など、家を整理整頓する際のルーティーンを作っておかなければなりませ


ん。


 


ルーティーンを作っておくというのは、要するに整理整頓に関するルールを決めておきなさいということです。


 


自宅の掃除をするにしてもある程度のスケジュールや日程を立てておかないと、なかなかやるべきことができないものです。




 


例えば独身の男性や女性の場合、一般的には女性は比較的お部屋をきれいに使っていますが、男性の部屋というのはたいていの場合汚いものです。


 


ところがその男性の中にも部屋を非常にきれいに使っている人がいます。


 


そのような男性はほとんどの場合自分で掃除や整理整頓のルーティーンを作って、それをできるだけ実行するようにしています。


 


例えば土曜日の午前中は部屋の掃除と洗濯をするなどのルーティーンです。


 


この様にルーティーンを作って定期的に清掃したり整理整頓したりする習慣が身についたら、家の中が常に整理整頓されてきれいになるばかりではなく、気持ちも落ち着きます。




 


これはなにも若い人だけではありません。


 


著者の母親はもう高齢ですが、今でも結婚当初から行っているルー



 


ティーンを継続しています。


 


彼女はお家の掃除をするのに、「ほこりを払う日」、「居間や寝室を掃除する日」、「キッチンを掃除する日」などと、日にちを分けて行っています。


 


ただこれは彼女が同世代の他の女性と、特に違ったことをしているわけではありません。


 


彼女の世代ではこのようにお家の中を分割してお掃除をすることは、別に珍しいことではなかったのです。


 


かつて女性がもっと家事に専念していた時代には、たいていの女性がこのような家事のルーティーンを持っていました。


 


女性があまり職業を持っていなかった時代には女性の主な仕事は家事でしたから、それぞれが自分の事情に合わせたルーティーンを持っていたわけですね。




 


しかし今日では家事と同じくらい仕事をしなければならない女性も大勢おられますし、男性が家事を手伝う姿もよく見られるようになりました。


 


その結果特にルーティーンを決めていない家庭も増えています。


 


しかし自分で掃除するにせよ、パートナーと分担しているにせよ、ルーティー ンを作っていない場合は、今からでもルーティーンを作るようにしましょう。


 


 


ルーティーンを作る場合は当然のことですが、自分の事情に合わせて作り ます。


 


自分の事情に合っていないルーティーンは作っても守られません。例えば週休2日で働いている人が「土曜日の午前中お掃除、日曜日の



 


午前中は洗濯」とルーティーンを作ったとします。


 


これは土曜日と日曜日の2日の休日のそれぞれ半日ずつをお掃除と洗濯に当てるのですから、一見すると無理無く実行可能なルーティーンに見えます。


 


しかしあなたはこのルーティーンが絶対に守られないということが、すぐにお分かりになるはずです。


 


そう、このルーティーンだと結局土日の2日間は、ご近所以外の外出など時間がかかる行動は全てできなくなるのですね。


 


せっかくの週休2日が細切れになってしまいますから。


 


そんな生活をこれからずっと続けることができないことは、容易に想像がつきます。




 


この事例ならば「土曜日(または日曜日)は1日お掃除と洗濯の日」と決めた方が、まだ守られるかも知れません。


 


実際に独身の1人暮らしの人には、そのように休日の内の1日を家事のために費やしている人は少なくありません。


 


この例のようにルーティーンはなにか宗教的な修行をするわけではありませんので、無理をするのは禁物なのです。


 


多少の努力と我慢で、無理無く実行可能なものにすることが大事なのです。


 


 


例えば物事を単純化するために、1日にすることを一つに限定するのも良いでしょう。


 


あるいは2日間でなにか一つのことをするというのでも良いと思います。



 


 


とにかく自分の事情に合わせて今後長続きする方法でルーティーンを作ります。




 


著者の場合は土曜日を清掃日と決めています。


 


著者の家は小さいので、2~3時間掃除をするだけで家中が十分きれいになります。


 


著者の場合は、掃除はまずキッチンから始めます。


 


キッチンの床を掃き、冷蔵庫の中を空にして、消費期限間近のものを確認し、流しをきれいにし、キッチンの全ての棚を拭き掃除します。


 


それからモップで床を掃除します。


 


キッチン全体では30分程度の清掃で終了します。


 


その後居間に移動して隅々まで入念に掃除機をかけます。これでさらに30分経過です。


続いて掃除機に延長コードを接続し、玄関と寝室に掃除機をかけます。


 


寝室のほこりを払いきれいに掃除をします。寝室は拭き掃除をして除菌します。


これでだいたい30分かかります。


 


専用の清掃用具を使用して定期的にこれを行います。それで一週間はきれいな状態を保つことができます。



 


 


「そんなに早く掃除ができるの?」と疑問に思われるかも知れませんが、筆者は毎週土曜日に必ず掃除をすることをルーティーンにしていますので、それほど家の中が汚れていません。


 


ですからこの程度の時間で十分なのです。




 


著者の場合子どもの部屋は掃除しません。


 


これは子供が十分1人でできる年齢になったからです。


 


2人とも自分達のシーツの洗濯をし、部屋の掃除をして快適な部屋作りをしています。


 


著者の子供は2人とも雑然とした部屋よりもきちんとした部屋を好みます。


 


子供にはこれまで掃除用具の使い方と、掃除の仕方を教えてきました。


 


子供の部屋があまりにも汚い時は片付けてしまおうと思うこともありますが、それは全く子供のためにはならないので辛抱強く我慢しています。


 


自分の部屋一つきれいにできないのなら社会人になっても整理整頓ができない人になってしまうので、これは子供の躾けの一環として守っています。




 


著者は自分のルーティーンを作りそれを行っています。これが重要なことなのです。


ルーティーンと言っても著者の場合にはどこから始め、どの程度で終了するかを決めているだけです。



 


 


実に単純です。


 


ちなみに著者のルーティーンは以下のようなものです。キッチンの掃除


居間、玄関、寝室のほこり払いと掃除機かけ寝室の掃除と除菌


この一連の流れを毎週土曜日に行うことが著者のルーティーンです。




 


この程度のことなら誰でも無理無くできるはずです。著者はその誰でもできることを行っているだけです。


しかしたったこれだけのことが終わった時には、非常に満足感が得られます。


 


一定の期間家はきれいですし、次の土曜日には再び同じことを繰り返すだけで良いのです。


 


思い立った時に掃除をするというやり方だと、時間ばかりかかって他のことができなくなってしまいます。


 


ルーティーンを作ることで達成感が得られ、気持ちが落ち着き、翌週まで掃除をしなくても良いというゆとりが生まれます。




 


ただしルーティーンが実行できないような事態が発生する場合もあります。


 


その場合は当然その突発的な事態に対する対応を優先します。



 


 


お掃除は翌週の土曜日に延ばして、その他の日にお掃除をするということは基本的にはしません。


 


このようにルーティーンには柔軟性を持たせることが、長続きさせるためにはとても大事なのです。




 


ルーティーンとは単に家をきれいにするためだけではなく、自分の生活を整理することにもつながります。


 


著者は清掃に加えて料理のルーティーンも作りました。


 


まず1週間分の料理の計画を立ててから、近所のスーパーに食料品を買いに行きます。


 


こうすれば無駄な食材を買い込んで、結局消費期限切れで廃棄することも無くなります。


 


また、そうすることで栄養バランスの良い料理のレシピもたくさんでき、例えば夕食の準備などは子供の分も含めて30分かからずに作ることができるようになりました。


 


もちろんたまには夕食の準備などは休暇を取り、近所の食べ物屋さんで出前を頼んだり外食をしたりもします。


 


しかし1週間の献立を考えて何を作るかというアイディアを持つことによって、時間の浪費やお金の浪費が避けられます。


 


外食ばかりしているとお金がかかるし、お金がないからという理由で子供たちが何を頼むのかハラハラすることもありません。




 


その他ルーティーンを作っておくと自分の日常生活が楽になるばかりではなく、子育ての役にも立ちます。



 


子供はルーティーンがあると良く成長します。


 


例えば赤ちゃんにとって、一定の時間おきに授乳することがとても大切なことはご存知ですね。


 


赤ちゃんはこのルーティーンによって安心感をおぼえるのです。これは赤ちゃんだけでなく幼児にとっても同じことです。


著者は子供の寝る時間を一定にするように育てました。


 


だからと言って子供を分単位で管理していたわけでもないし、毎日子供の遊びを監視していたわけでもありません。


 


スポーツも他の活動ものびのびやらせましたし、必要があれば車で子供を送迎してまで活動の範囲を広げてきました。


 


結果は家族全員のルーティーンがそれぞれにでき、食事の時間がそれぞればらばらになってしまうこともありました。


 


それでも子供たちは学校でのルーティーンをこなし、家に帰れば就寝時間を含む家のルーティーンをこなしていました。




 


著者の弟の家では子供の寝る時間を特に設定しませんでした。


 


ところがその結果子供はなかなか寝たがらないので、ベッドに入らせるのに家中大騒ぎをしていました。


 


結局子供たちは寝る時間のルーティーンがないままに、好きなだけ起きているようになってしまいました。


 


子供たちに悪い習慣をつけてしまったのですね。


 


著者が誇りに思っていることの一つが、子供たちの就寝時間で困ったことがないということです。



 




著者の場合は子供を寝付かせるまでに1時間とかかりませんでした。


 


実はこれは幼い子供を育てている母親にはとても重要なことなのです。


 


なぜならば子供たちが自分のルーティーンを守って時間が来れば寝るようになると、著者にはその後自分の自由な時間ができます。


 


著者のような働きながら子育てをする母親にとって、この夕食後の自由な時間というのは結構貴重な時間なのです。


 


この自由な時間を得るために著者がしたことは、子供たちを単に一定時間に寝かせるというルーティーンを作り、翌朝の学校に支障のないように十分な睡眠を取らせることをしただけです。




 


著者の場合は子供たちの就寝時間は、少し早めにセッティングしました。


 


早めにベッドに連れて行き子供に本を読んであげます。これは夫と2人でするようにしました。


この読み聞かせも毎晩行いました。


 


子供が小さいうちは集中力が持続する時間が短いため本は早めに読み、時には本を見て絵の説明をするだけで終わりにすることもありました。


 


大きくなると様々な種類の本を読み聞かせるようにしました。新しく出版された童話から古典に類する童話まで様々です。 短い本は一晩で一冊読んでしまいます。



 


長い本は数日かけて読みました。


 


毎晩子供たちは読み聞かせを楽しみにしていました。


 


それから子供たちに布団をかけてお休みを言って寝付かせます。


 


著者は毎晩読む本だけ変えてほぼ同じ時間に同じことを行いましたが、その間は問題なく過ごすことが出来ました。


 


また、子供たちが寝ないことで言い争いをしたこともありません。




 


ルーティーンの力を侮ってはいけません。


 


ルーティーンは子供には大変有効ですし、子育てが非常に単純で分かりやすくなります。


 


ルーティーンは夜子供が良く寝るようになるだけではなく、読書も楽しめ、十分な睡眠量も取らせることができ、なおかつ適切な本を読んだ結果として、2人とも学業成績はとても良いものになるという効果もありました。


 


子育てにはぜひルーティーンを作ってください。


 


それには子供が生まれたばかりの時の、授乳の時間をルーティーン化するところからスタートしてください。




 


ルーティーンと生活の関係を知るには犬を飼育してみるとよく分かります。


 


こういうことを言うと「人間と犬をいっしょにするのか」とお叱りを受けるかも知れませんが、これはルーティーンの重要性の例えに、身近で多くの人に分かりやすい例として犬の飼育を挙げただけですから、どうか怒らずに続きを読んでください。



 


犬を飼っている人であれば、排泄のしつけや飼い主の指示を聞く犬にするためには、ルーティーンが重要であることは十分ご存知だと思います。


 


ただしルーティーンを意識して実行している人はあまりいません。


 


多くの人は無意識の内に自分の中で飼育のルーティーンを作り、それをまた無意識の内に毎日実行しています。


 


ルーティーンを作るというのはそれで良いのです。




 


整理整頓術で言うところのルーティーンというのは、法律や学校の校則のように条文化する必要など無いのです。


 


法律や校則を条文化しなければいけないのは、法律や校則などというものは対象者が不特定多数だからです。


 


不特定多数の人たちに周知徹底させるためには、どうしても条文にして明示しなければ、内容が正確に伝わりません。


 


だから法律や校則などはきちんと条文化しますが、整理整頓術のルーティーンは自分だけか、せいぜい家族が知っていればよいのですから、犬の飼育のルーティーンと同じように、無意識の内にルールを守れるようになればそれがベストです。


 


つまりルールが自分の生活の一部になったわけですから、それ以上は望む必要がありません。




 


犬は排泄や散歩などルーティーンを作って育てれば、躾けの良い犬として成長します。


 


ルーティーンで育てなければ、他人のお家の庭先に平気で入っていくような躾けの悪い犬になってしまいます。



 


もっとも同じペットでも猫の場合はマイペースなので、食事や水の取替え、小屋の掃除以外はルーティーンで行動させることはできません。


 


この性格の違いは犬はかつて狼だった時代、集団で生活し狩りをしていたのでルーティーンに慣れているのに対し、猫は繁殖期以外は単独で行動していたからだと言われています。




 


子供や犬だけがルーティーンで成長するのではありません。


 


大人もルーティーンがあると快適な気持ちになり、心に余裕も生まれてきます。


 


生活が整い健康な生活が送れるようになるからです。


 


毎晩同じ時間に就寝して同じ時間に起床すると、健康に良いということは誰もが分かっていることです。


 


そのためには床に就く前に毎晩の習慣として特定のテレビ番組を見たり、本を読むことも良いことです。


 


それが「おやすみなさい」の一種のキーワードになります。催眠術と同じ効果ですね。


子供を寝かし付けるのに本を読んであげるのも、同じ「おやすみなさい」の効果を狙ったものです。


 


ベッドの中でお勉強をさせようというものではありません。ただし副次的な効果としては学習効果もあります。


 


たいていの人は本来生活の中に何かしらの骨組みを作ることを望んでいます。



 


 


しかしルーティーンは絶対的のものではありません。


 


時にはルーティーンが破られてしまう事態も発生します。


 


ただこうしたことは良くあることなので、特に気にすることではありません。


 


国の法律だってそれを100%守って生活している人など、内閣総理大臣やお巡りさんも含めて誰もいないのですから・・・・・。


 


ルーティーンを行えない事態が発生した場合は、その事態が治まってからルーティーンを再開すれば良いのです。


 


それだけのことです。




 


例えば子供の就寝時間のルーティーンについても、休日や旅行などがあると就寝時間の習慣は崩れます。


 


ルーティーンは生活を整えゆとりを与えるものではありますが、下手に扱うと自分で自分を脅迫する存在にも成り得ます。


 


どうしてもルーティーンをこなさなければと意識し過ぎると、自分のスケジュールを壊すことが怖くなり、追い詰められるような気持ちになります。


 


これは完全にルーティーンに支配された状態ですので、こうなればルーティーンがあること自体が弊害になってしまいます。




 


著者は先に著者の土曜のスケジュールについて話しましたが、実際は著者もよく土曜日に外出して、どうしてもスケジュールがこなせないことがありました。


 


そこで著者がしたことは先にも申し上げたように、無理にスケジュ



 


ールをこなそうとしないことでした。


 


土曜日に急用ができて外出したため、1週間丸まる掃除をしなかったこともありました。


 


外出していて家に帰ることができなかったからです。


 


それでもできるようになったら再開するという考えでいましたから、強迫観念を持つことは全くありませんでした。




 


整理整頓の秘訣はルーティーンをつくることではありますが、それを息苦しく感じるほど厳密に守ろうとしないことです。


 


「先ほどからルーティーンを守れと言ってみたり、守らなくても良いようなことを言ってみたり、いったいおまえはなにが言いたいのだ」と思われるかも知れませんが、言いたいのは「ルーティーンは守らなければいけないが、それに生活が支配されてはいけない」ということです。


 


できる限りはルーティーンを継続しますが、何かが起きたときにはあっさり諦めましょう。


 


流れに身を任せて出来る時におこなえば良いのです。


 


ルーティーンは整理整頓のためのツールであって、気分を害する毒になってはいけないのです。




 


これまでお話してきたルーティーンの話は、整理整頓をするための手段としてルーティーンが欠かすことができないツールだからで す。


 


一般的に整理整頓術というのはこれまでお話してきた家庭内ではなく、ビジネスの場を中心に語られています。



 


それはビジネスの場の方が整理整頓の重要性がわかりやすく、しかもその効果の測定もしやすいからです。




 


しかし家庭で整理整頓ができない人が、職場できちんと整理整頓が出来るわけがありません。


 


子供の時にルーティーンを守る習慣ができていない人が大人になったら急に目覚めて、ルーティーンが守れる人間に変身できるわけでもありません。


 


全ては家庭がその一歩なのです。


 


それゆえに家庭で小さなことからルーティーンを決めて、それを守る習慣をつけることが大事なのです。


 


職場での整理整頓術については次の第五章以下で詳しくお話ししますので、この章では詳しくお話しすることは割愛させていただきます。





第5章-書類や写真の整理


 


 


書類や写真の管理には特別なケアが必要になります。


 


書類や写真の中には、もし無くしてしまうと取り返しの付かなくなるものも あるので、その保管と管理には十分な注意を払う必要があります。


 


そのためこの章では書類と写真の管理に焦点を当ててお話をします。


 


著者もどうしても残しておきたい書類や写真を、うっかりミスで紛失してしまったことがあります。


 


そうした著者の経験を交えてこれからお話したいと思います。




 


大事な書類や写真などは職場にも家庭にもあります。


 


職場の場合は一般的に保管設備が整っているのですが、個人の家庭では保管設備の整ったところはまれです。


 


ですから大事な書類や写真がよく紛失します。


 


著者も整理整頓ができていなかったために、大切な書類を何度も紛失した苦い経験があります。




 


まずどのような書類があるかを考えてみますと、家庭で保管されている大事な書類には「公的な書類」と「私的な書類」があります。


 


公的な書類というのは、例えば自宅の登記済証(いわゆる権利書)、健康 保険証、印鑑カード、運転免許証、パスポート、各種公的資格の証明書、各種許可証、免許証などです。



 


この中で運転免許証は基本的には毎日身に付けていますので、盗難にあったり落としたりしない限り、めったに無くなることはありません。


 


また、紛失すればすぐに気が付いて対処します。


 


しかしその他の書類は日常的に身に付けていないので、自分で保管しておきながら、どこにおいたのか分からなくなることがよくあります。


 


たいていは何かの空き箱などに入れて保管していたのが、大掃除などで部屋を片付けた時に、どこかにしまい込んで行方が分からなくなるケースです。




 


悪いことにはこれ等の書類の多くは普段はあまり必要ありませんので、いざ必要になるまで行方不明になっていることに気付きません。


 


たいていの書類は無くなってしまっても再発行は可能なものです が、紛失してしまうと非常にストレスになりますし、再発行にも相応の日数とお金がかかります。


 


例えば海外旅行の出発間際になってパスポートが無いのに気付いたら、非常に慌てることになります。


 


ましてやその海外行きがただの観光旅行ではなく会社のビジネスだったなら、場合によっては人事にも響きかねません。


 


もちろん再発行できない書類は永遠に戻ってきません。




 


このような無くしてはいけない大事な書類を整理・保管する時はあちこちにバラバラにおいてはいけません。


 


それが行方不明になる元です。



 


重要な書類は必ずひとまとめにして同じボックスなどに入れ、なにが入っているか分かるように表書きをしておきます。


 


著者の知り合いの人は黄色の防災袋の中に、重要な公的書類や生命保険、傷害保険の証書などを入れています。


 


整理整頓にもなるし、いざという時はそのまま防災袋を持って逃げれば、重要書類も無くさないということです。




 


家庭に保管される書類には公的な書類の他に、私的な書類もいろいろあります。


 


例えばあなたも必ず持っている学校の卒業証書も、保管しておくべき大事な書類のひとつです。


 


私的な書類でとりわけ多いのが子供の学校や幼稚園からのお知らせ、町内会や自治会からの各戸配布文書、加入している趣味のサークルやクラ ブなどからのお知らせ文書等々で、個人の家庭にも結構書類はたくさん 回ってきます。


 


それ等の中には無くなっても良いものもありますが、多くの書類には重要な情報が記載されています。


 


その様な書類をあなたはどのような方法で保管していますか?




 


一番多いのは冷蔵庫にマグネットでとめておく方法ですね。


 


特に家庭の主婦の場合はほとんどの人がこの方法で、子供の学校や幼稚園からのお知らせなどを保管しています。


 


家庭の主婦なら冷蔵庫は毎日何回も開閉しますから、ここにマグネットでとめておけば絶対に忘れないと思うのは当然です。


 


しかしこの方法は注意しないと上に別の書類を重ねてとめたりし



 


て、気が付いたらとっくに期日を過ぎていたなどということがよくあります。




 


その他の保管方法ではダイニングテーブルの上に透明な耐熱性のビニールシートを敷き、その下に忘れてはいけない書類を挟み込んでおくという保管法です。


 


これは食事をする時、お茶を飲む時、必ず目に入るので良い保管法ではあります。


 


ただ欠点は冷蔵庫にマグネットと同じで、他の書類と重なったりして見落とすリスクがあることです。


 


大事な書類は意識的にチェックするようにしないと、必ず見落としや紛失の問題が出てきます。




 


家庭でも簡単にできて割に効果があるのが、会社でよく使われている日付入りのホワイトボードの利用です。


 


会社にあるような大きなものではなく、冷蔵庫にマグネットでぶら下げることができる小型の日付入りのホワイトボードがあります。


 


小さくても1ヵ月分のスケジュールが一覧できるようになっています。


 


このホワイトボードに忘れてはいけないことを、ちょっとメモ書きしておきます。


 


例えば「小学校参観日」というような要領です。これならめったに見落とすことはありません。


詳しいことは保管している書類を見れば良いのです。



 


 


次に写真の整理整頓と保管についてお話します。


 


写真の中にはかけがえのない大事な写真もあります。


 


特にコンピュータのハードディスクやCDなどの外部媒体にダウンロードしていない昔のアナログ写真の中には、とっくにフイルムも無くなって、そこにある1枚の写真を無くせば二度と手に入らないものもあります。




 


写真には心の中同様にその1枚1枚に私たちの記憶が残っています。誰もが昔の写真を見ては懐かしむものです。


こうした写真をなくさずに保管しておく秘訣は実に簡単なことで、それは自分がどこにあるか分かっている場所に保管をしておくということです。


 


写真はできれば写真用のケースや、専用のフォトアルバムの中に入れて保管しましょう。


 


もしまとまりなく置かれている写真をまとめたいのであれば、1ヵ所に集めて箱の中に入れ、今後整理整頓する時のために、一時どこかに保管をしておきましょう。


 


きれいな専用の箱も販売されているはずですし、単に空き箱を利用しても良いのです。


 


箱には必ず中身が分かるようにラベルを貼っておきましょう。




 


そして写真は湿気の少ない日の当たらない場所に保管しましょう。


 


プリントされた写真は紫外線や、空気中に含まれるオゾンや不純物などに常時触れていると劣化します。



 


 


劣化の中でも一番目立つのはカラー写真が色落ちする「退色」です。


 


カラー写真というのは「赤」、「青」、「黄」のいわゆる「色の三原色」の組み合わせで、白以外の全ての色を表現しています。


 


この三原色のバランスは写真が紫外線に当たったり空気中のオゾンや不純物に晒されると、徐々に崩れていきます。


 


それがカラー写真の退色です。


 


この退色は昔の白黒写真でも起こります。


 


あなたも戦死したおじさんのセピア色に変色した軍服姿の写真などを見たことがあると思いますが、あれは白黒写真が退色したものです。


 


もちろんそのような写真の退色は、すでにセピア色になっていてもまだ続いています。




 


退色はアルバムなどに大事に整理・保管すれば遅らせることはできますが、完全に止めることはできません。


 


ですから本当に大事な写真はできるだけ早くデジタル化して、CDなどに写真データをバックアップしておきましょう。


 


アナログ写真のデジタル化はそれほど精緻な画像品質を望まないのなら、個人の使っているスキャナーでもできます。


 


スキャナーが無ければ昔からある街の写真屋さんの中には、個人のアナログ写真のデジタル化をしているところもありますので、多少お金はかかりますがお願いすると良いでしょう。


 


ちなみにこのような写真屋さんにはアナログ写真だけでなく、ビデオテープやカセットテープ、さらには大昔の8mmフイルムまでデジ



 


タル化してもらえるところがあります。




 


アナログ写真の整理・保管で特に気を付けなければいけないのが「ネガ」の保管です。


 


ネガはプリントされた写真よりも早いスピードで劣化します。


 


それはあなたが持っている古いカラーフィルムを一度プリントしてみれば、どの程度劣化するものかがわかります。


 


ですからプリントしていない古いネガで大事なものはできるだけ早くプリントするなり、フイルムスキャンをするなりして保管する必要があります。


 


ただしデジタル化すればいかなることがあっても劣化しないというものではありませんので、その点は心得ておいてください。




 


例えばCDやDVDなどは直射日光に晒したり、夏の暑い盛りに長時間停車中の車の中に放置するようなことをしていると、データがきれいサッパリ消滅してしまうことがあります。


 


もちろん衝撃には極めて弱いのでうっかり落としたりしたら、データを復元するには高いお金を払って専門の復元業者に頼まなければなりません。


 


ですからデジタル化してバックアップをとったからもう安心というものではありませんが、ただなにもせずに写真が紛失したり劣化するリスクに晒されるよりははるかにましです。




 


最近のデジカメによる写真の場合に注意するのは、まず長期保管しておく写真は、すぐにメモリカードからパソコンやCDなどにデータを移し替えておくことです。



 


その場合念のために複数のメディアに保存し、後日探しやすいようにフォルダーを作って名前を付け、体系立てて整理・保管するようにします。


 


最近では携帯電話に付いているデジカメも結構高性能になっていますので、デジカメ写真は整理せずに放っておくと枚数が増え過ぎて、その内わけが分からなくなります。


 


ですから保管する場合は後から探しやすいように、保管方法を自分で工夫しましょう。


 


フラッシュドライブを利用して、写真のラベルを作成しておくのも良いと思います。




 


またデジカメ写真をプリントする時にプリンターをよく使いますが、普通のプリンターで出力した写真は、写真屋さんでプリントしたものよりも退色による劣化が早いことは知っておく必要があります。


 


本当に大事な写真は、近くの写真屋さんでプリントしてもらう方が良いと思います。


 


特に誰かにプレゼントするような写真は、きちんとしたプリントをしたものの方がベターです。


 


最近はインターネットを使ってデジカメ写真を預り(有料)、それを希望に応じてまるで写真集のような、きれいなプリントと製本までしてくれる業者もいます。


 


預り賃はあまり高くありませんので、このような業者と契約してデジカメ写真を預けておけば、自分の手元はすっきりと整理整頓できます。




 


写真は基本的に専用のフォトアルバムに保管します。



 




いくらデジカメ写真でもやはり1枚はプリントして、フォトアルバムに整理・保管しておきたいものです。


 


それでもまだ乱雑に保管されている写真もあります。写真の数が多ければそれは仕方のないことです。


ただ何度も言うようですが、大事な写真はデジタル化してバックアップを取った上で、フォトアルバムにして整理しておきましょう。


 


大切な思い出を失わないためには、写真を整理整頓する時はうっかり捨ててしまわないように十分に注意します。


 


例えば子供や家族のビデオを撮影した場合にはラベルをしっかり貼り、うっかり消してしまうことがないようにしましょう。




 


著者はこれについては苦い経験があります。


 


著者の娘と娘の友人がビデオカメラで家族の映画を撮影しました。


 


非常に出来の良いビデオで他のビデオと一緒に保管しておいたのですが、ラベルを貼ることを忘れてしまったのです。


 


恐らく誰かが間違って消してしまったのでしょう。今はそのビデオがどこにも見当たらないのです。 これは二度と再生できないものです。


貴重な瞬間が収められた大切な宝物でした。




 


このような失敗が無いように、写真やビデオ、大事な書類などは自分の身近にある安全な場所に、すぐに取り出せる状態で保管してお



 


かなければなりません。


 


写真をアルバムや所定の場所に保管していないと、例えば写真を見た後で棚の上などにちょいとおき、その後適当に机の引き出しなどに入れて、やがて行方不明になります。


 


その時には分かりませんが、いずれ再びその写真を見たいと思うときが来ます。


 


しかしその時にはもう写真はありません。




 


写真と書類の両方を上手に整理することができる1つのアイテムは、ポータブルのファイリングキャビネットです。


 


事務用品をおいてあるお店であればどこでも販売しています。


 


ファイルセパレーターやフォルダーなども売っていますので、分別用に合わせて購入しておくと便利です。


 


このように自分で全てのものがどこにあるのか分かっているような状態にしておき、必要な時にいつでも取り出せるようにしておきましょう。




 


著者は休暇の予定表などもこのファイリングキャビネットに保管しています。


 


ファイリングキャビネットは二つ購入してあり、もう一つのファイリングキャビネットの中には祖父母から受け継いだ写真を入れています。


 


これも一つの箱に保管されて整理整頓されているので、必要な時にすぐに取り出すことができます。


 


ファイリングキャビネットは価格も安いので、大いに活用すれば良



 


いと思います。




 


最近は整理整頓術が注目されていますので大きな文房具屋さんなどに行くと、様々な整理整頓用のアイテムを売っています。


 


どんどん新しい素材を使った新しい商品が発売されていますので、時々は文房具屋さんに見に行けば良いのではないでしょうか?


 


特にオフィス用のアイテムに注意してください。


 


整理整頓用のアイテムならオフィス用が数も多く、機能面でも優れています。


 


書類や写真の保管方法には複数の方法がありますが、必ず守らなければいけないのは、※ウォータープルーフのファイルを利用し、必要な時に直ぐに取り出せる状態にしておくことです。


 


(※注記)ウォータープルーフとは防水加工のこと。




 


特に写真は湿気を嫌います。


 


例えウォータープルーフ加工をしたフォトアルバムを使っていても、やはり空気中の湿気は中に浸透しています。


 


ですからフォトアルバムは時々開いて、内部の湿気を取ってやる必要があります。


 


整理整頓にはこのような事後のメンテナンスも必要なのです。


 


書類や写真の分類には時間がかかりますが、しかしやって見ると楽しい時間が過ごせるはずです。





第6章-整理整頓に役立つ小道具


 


 


洋服や靴、食器、子供のおもちゃ、等々、家の中に置かれている生活用品というのは、自然な状態に任せておけば増えることはあっても減ることは絶対にありません。


 


いらないものはさっさとリサイクルに出すなり、ゴミとして捨ててしまうなりすれば良いのですが、それぞれに思い入れもあってなかなか減らすことができないものです。


 


そのような様々な生活用品を後々必要になった時に取り出しやすく、そして見た目もきれいに収納するためには小道具を使うと便利です。




 


現在家の整理整頓に役立つ小道具は様々な種類のものがたくさん市販されています。


 


中には「えっ、こんなものもあるの?」とびっくりするようなものもあります。


 


こうした小道具をうまく利用して、家の中のスペースを広く有効に使いましょう。


 


以下に役立つ小道具をリストアップしました。




 


・クローゼット整理道具


 


・押入れ収納道具


 


・靴整理道具


 


・清掃用品



 


 


・家具移動用キャリー


 


・圧縮パック


 


・フック


 


・ハンガーラック


 


・保管用家具


 


・コーナー家具


 


・キャビネット


 


・ツールキット


 


・テレビ台


 


・パソコンラック


 


・ファイリングキャビネット


 


・家計簿ソフト


 


・カラーボックス


 


・分別ダストカート


 


・キッチン家具




 


従来日本の住宅には立ったままで出入りできる大型のクローゼット


(ウオーク・イン・クローゼット)は備え付けられていなかったのですが、現在の新しい住宅では備え付けのクローゼットがあるのはほとんど常識のようになっています。



 


 


クローゼットは特に女性に人気が高く、古いお家をリフォームする時に奥様が真っ先に希望するのが、システムキッチンとこのクローゼットです。


 


しかしすでにクローゼットをお使いの人はよくご存知だと思いますが、そのまま使うと思っていたよりも収納量が少なく、また内部にデッドゾーンも多くて以外に使い勝手の悪いものです。


 


このクローゼットの内部を使いやすくし、なおかつスペースをフルに使って収納量も増やせるように、様々な「クローゼット整理道具」が市販されています。


 


クローゼット整理道具は組立式になっていますので、素人でも自分で設置することができます。


 


家具を扱うお店であればほとんどのお店で、各種のクローゼット整理道具を扱っています。




 


クローゼット整理道具の代表的なものが、クローゼット収納家具と呼ばれる商品です。


 


幅45cm、幅60cm、幅90cmのようにサイズが違う様々な用途(洋服掛け、引き出し付き、布団用など)の家具が用意されていて、これを自宅のクローゼットのサイズに合わせて組み合わせて使います。


 


ひとつひとつの家具のサイズはタンスなどと比べて小さいので、1人でも組み立てることができます。


 


このクローゼット収納家具でクローゼットを天井まで有効に使い、さらに前面の空間も有効に使うためにスライドラックやキャリー付きのチェストを前後2列に並べることもできます。


 


このクローゼット収納家具はクローゼットの中だけでなく、部屋の壁面に並べて収納スペースを作ることにも利用できます。



 


 


借家なので収納家具を買うのがもったいないと思う人は積み重ね式ハンガーを利用すれば、クローゼットの利用できる空間が広くなります。




 


「押入れ収納」は備え付けのクローゼットが無い日本式の住宅で、押入れをクローゼットのように利用するために考え出された収納家具です。


 


部屋が狭くてタンスなどの家具が置きにくい民間アパートなどで、部屋を広く使うためによく使われています。


 


要するに日本式住宅には必ずある押入れをクローゼット代わりにしようというわけですから、押入れ収納は基本的にクローゼット用の家具と同じような仕様のものになります。


 


ただ押入れとクローゼットは奥行や高さなどのサイズが違うので、収納家具のサイズが多少違ってきます。


 


もちろんサイズさえ問題なければ、クローゼット用の家具を押入れに使うこともできます。




 


「靴整理道具」で代表的なものは下駄箱(シューズボックス)です。


 


家具屋さんに行くと「下駄箱」と表示された商品と「シューズボックス」表示された商品がありますが、形を見る限りではどちらも同じ商品だと思います。


 


下駄箱orシューズボックスを利用すると靴を整然と整理できるだけでなく、靴が傷む恐れもなくなります。


 


下駄箱orシューズボックスにはドアや引き戸が付いた通常タイプのものの他に、奥行が小さくなるように靴を斜めに収容するようにしたものや、玄関用ベンチ(ブーツなどを履く時などに座る)の下や、



 


玄関の踏み台の下に靴が収容できるようになったものもあります。


 


スリッパ専用のものはスリッパ収納ラックやスリッパスタンドと呼ばれます。




 


我が家の整理整頓にお掃除は付きものですね。


 


このお掃除に使う「清掃用品」の代表的なものはいうまでもなく掃除機です。


 


今の掃除機には大きく分けて「紙パック式」と紙パック不要の「サイクロン式」があります。


 


機能的にはどちらも一長一短がありますが、「虫は気持ちが悪いので大嫌い」という人は紙パック式の方がお勧めです。


 


虫を吸い込んでしまった時に、虫に触らずに紙パックごと捨てることができますから。


 


電源コードの有無で「コード付き」と「コードレス」という分類もできます。


 


持ち運びにはコードレスの方が便利ですが、コードレスはバッテリーの残量が少なくなると吸引力が弱くなるので、充電には注意する必要があります。


 


その代わりコードレスは車の中なども掃除ができるのはメリットです。




 


掃除機の他にも床や畳のゴミを取る「くるくるモップ」、「フローリングモップ(手動、電動)」、静電気でゴミを吸い取る「電動ダスター」、楽にお家の前の雪かきができる「電動除雪機」など様々な清掃用品及び、合わせて使用する清掃用の洗剤があります。



 


 


いくら高性能の掃除機でも家具の裏側のゴミはなかなかきれいに吸い取れません。


 


そのような時に重い家具や冷蔵庫でも女性1人で楽々移動出来るのが、「家具移動用キャリー」です。


 


このキャリーを使えば思い家具なども簡単に動かせますので、家具や冷蔵庫などの裏側もきれいのお掃除できます。


 


清掃用品とともにぜひ用意しておきたい道具です。




 


「圧縮パック」は服などを入れた袋の口を閉めて、掃除機で袋の中の空気を抜くことで圧縮することができます。


 


ウォータープルーフでコンパクトになるので、季節外の服をより少ないスペースで収納することができます。


 


布団用もありますので嵩張るふとんをクローゼットや押入れにしまう時などには便利です。


 


ハンガー付きの圧縮パックもあり、クローゼットの中やドレッサーなどに使うと、収容スペースに余裕ができます。


 


嵩張る冬物のダウンジャケットやジャンパーなど、シーズン以外は使うことの無い衣類を保管するのに便利です。


 


1枚のハンガー付き圧縮パックでダウンジャケットなら3枚、ジャンパーなら4枚程度まとめて圧縮することができます。


 


ただしこのハンガー付きの圧縮パックを使う時は、重量オーバーに注意してポールが曲がらないようにしてください。


 


衣服の容積が小さくなっても重量は変わりませんから。



 


 


「フック」はクローゼットの中などに設置し、クリーニングブラシやモップなど、様々な小物アイテムを引っ掛けておくのに使います。


 


最もシンプルで安価な道具ですが、帽子でもなんでも引っ掛けておくことができますので、非常に使い道の広い整理道具です。


 


生活用品が置いてある店であればどこでも販売しています。




 


洋服やコートを掛けておく「ハンガーラック」は、よくオフィスの入り口などに来客用に置かれていますね。


このハンガーラックはオフィス用だけでなく家庭用もあります。 ハンガーが2列になったものや上下2段になったものなど様々な形の


ものがあり、クローゼットの中で使っても外で使っても構いません。


 


ホコリ除けにジッパーで開閉する布カバーが付いたものもあり、シンプルで価格も安い割りには結構多くの洋服などを収納できますので、部屋が狭いワンルームマンションなどの場合はこれがあれば便利です。


 


頻繁に使う通勤用の洋服やシャツなどを吊るしておくのに適しています。




 


「保管用家具」は形も大きさも様々にあります。


 


保管用家具では多くの家庭で必要になってくるのが書棚です。


 


特に子供が学齢期になるとたいていの家庭では本が増えてきます。


 


この書棚とその他の収納を兼ねた保管用家具に「壁面ラック」と呼ばれるものがあります。



 


これは奥行が30cm程度の薄型のラックで(扉付き、扉無し)、壁面を利用し、高さは天井まであります。


 


転倒しないように家具用の耐震装置を使って固定します。


 


書棚の他にお人形などをおいて飾り棚にしたり、下段を子供のおもちゃ置き場などにすることもできます。


 


ただし奥行があまり無いので大きなものは置けません。




 


箪笥(チェスト)は保管用家具として必ず必要です。


 


クローゼットの中に納めて使ったり居間に置いたりして、衣類や様々なものの保管に使います。


 


女性の着物を保管する為に作られた和箪笥もあります。


 


絹織物の着物は保管に気を付けなければいけないので、着物をたくさん持っておられる方は専用の和箪笥も一つは必要です。


 


古い家具も有効活用してください。


 


以前にも述べたように、著者はクローゼットの中に古いドレッサーを置くことで空間をより広く利用しています。




 


保管用家具の仲間ですが、従来デッドゾーンになっていた部屋のコーナーを有効活用しようという趣旨で作られた、「コーナー家具」と呼ばれる家具があります。


 


サイズの関係で大きな物は収納できませんが、奥様の手芸用品など様々な小物の収納に使うことができます。


 


収納スペースが家の中に多いほど物の整理整頓が楽になります。



 


部屋のコーナーもうまく活用しましょう。




 


「キャビネット」は収集しているもののディスプレイも兼ねて収納する際に役立ちます。


 


全ての家具を十分活用することで、家の中の収納スペースが十分に確保されます。


 


人々が家の中が片付いていないと気付く最大の理由は、どこにも収納できないものが出てきてしまうからです。


 


市販されている各種のキャビネットなどを上手く使って収納スペースを増やすと、整理整頓の能力を向上させることができます。




 


「ツールキット」を利用することは、様々なツールを一つの場所にまとめておく手軽な方法です。


 


ツールがそれ程たくさん無くてもハンマーやペンチ、スクリュードライバーくらいは最低限持っておられると思います。


 


このようなツールはよく急に必要になるのですが、そういう時に限ってどこに置いたのか分からなくなるものです。


 


ツールキットを利用するとこうした道具をまとめやすくなり、必要な時にすぐにすぐに取り出すことができるようになります。




 


整理整頓のためには「テレビ台」もぜひ使いたいですね。


 


最近のテレビは薄型が主流になり奥行が短くなりましたので、壁面ラックの一部分をテレビ台にしたり、部屋のコーナーを利用するテレビ台もあります。



 


パソコンは専用の「パソコンラック」に収納しましょう。


 


パソコンはもはや家電商品の一つになり、今日ではほとんどの家庭に1台はあるのが普通になりました。


 


パソコンはパソコン本体の他にプリンターやスキャナー、外付けハードディスクなどの周辺機器がありますので、結構設置場所を取っています。


 


ですから部屋が狭い時はこれを縦型のパソコンラックに収納すれば見た目がすっきりする上に、その分部屋を有効に使うことができます。




 


「ファイリングキャビネット」は本書の第五章でお話した通り、写真や書類の収納のための道具です。


 


事務用品店であればどこででも購入することができます。


 


このファイリングキャビネットにきちんとファイルしておけば、必要な時に見つけやすくなります。


 


書類や写真の保管の他に、請求書やレシートをまとめる際にも役に立ちます。




 


「家計簿ソフト」はパソコンにインストールして家計の管理に使うソフトです。


 


様々なメーカーから様々な家計簿ソフトが発売されていますが、個人向のパソコンを買うと、メーカーから出荷される時に家計簿ソフトがプレインストールされている機種もあります。


 


整理整頓ということになると、家計についてもしっかり整理しておかなければいけません。



 


 


「カラーボックス」は非常に便利な家具です。


 


簡単に組み立てることができ、軽いのでどこへでも楽に運べます。


 


子供部屋のおもちゃや季節外のものを収納するのに便利に使えます。


 


キャスターを取り付ければ、キッチンなどで使うワゴンのような使い方もできます。


 


このカラーボックスをおもちゃ箱に利用すると子供部屋がよりきれいに整理整頓でき、床に物がない状態を保つことができます。




 


不要品の代表はもう子供が使わなくなったおもちゃです。


 


子供はどんどん成長していき、おもちゃもどんどん不要になります。


 


不要になったおもちゃをチャリティーなどで処分すると、おもちゃの収納に使っていたおもちゃ箱も不要になりますが、カラーボックスは不要になれば簡単に解体できます。


 


後は物置などにしまっておいて必要な時に使うなり、ゴミとして廃棄するなり自由にできます。


 


ですから邪魔になることもありません。


 


カラーボックスを様々に組み合わせると、壁面ラックやクローゼット内部の収納ボックスとして使うこともできます。




 


「分別ダストカート」は本来は業務用として作られたもので、洗濯物の運搬やゴミの分別・運搬・廃棄、その他様々な雑品運搬などに、オフィスや工場で幅広く使われています。



 


ただコンパクトで使いやすいので、一般家庭でも洗濯をする服を一時収納したり、ゴミを分別したりするのに利用できます。


 


小物入れのポケットを付けることもできます。


 


収納ボックスの部分が布製になった折りたたみ式のものもあり、不要な時はちょっとしたスペースにしまっておくこともできます。




 


こうしたものは比較的安価ですので、例えば洗濯物の一時保管に使う場合は複数のカートを用意して、洗濯物を種類ごとに分けて収納しておくことができます。


 


例えば作業着と一般の洋服を分けたり、洗濯する時に注意が必要なため他の洗濯物と分けておきたい、女性用の下着などを分別するのに使えます。


 


洗濯物を単にかごの中に入れておくよりも、事前にしっかり分類しておいた方が洗濯は楽になります。


 


キャスター付きですので簡単に移動できますので、家庭の事情に合わせてその他様々な利用方法が考えられます。




 


「キッチン家具」には食器棚、キッチンカウンター、レンジ台、レンジボード、キッチンワゴンなど様々な専用家具があります。


 


キッチンにはシステムキッチンと呼ばれる商品があります。


 


システムキッチンは収納スペースも多いのでキッチンがすっきりと片付きますが、ただシステムキッチンは高価です。


 


このキッチン家具を組み合わせて使うと、比較的安い費用でシステムキッチンと同じ様なキッチンを作ることができます。



 


特に賃貸住宅に住んでおられる方は、キッチンを勝手にシステムキッチンにリフォームすることが出来ませんね。


 


しかし賃貸住宅でもキッチン家具を並べるのはなにも問題ありません。


 


実際賃貸住宅にお住いの奥様の中にはそのようにして、キッチンをリフォームしたのと同じ効果をあげている方も大勢おられます。


 


キッチン家具は幅広い住宅で使えるように汎用サイズで作られていますので、引っ越しした場合も引っ越し先のキッチンで使えます。




 


これまでにご紹介した以外にもたくさん整理整頓用のツールがあります。


 


スペースを取らないためのこのようなツールを利用すれば物が片付くだけでなく、より多くのスペースを利用することができるようになります。


 


引き出し式のアイロンボードや、テーブルトップのアイロンボードなども便利かも知れません。


 


ホームセンターなどに行くと、こうした様々なアイデア商品の便利グッズがあります。


 


お近くにホームセンターがあれば時々寄ってみて、様々な新しいアイデア商品を見るのも勉強になって良いでしょうね。


 


またこうした商品は、最近はネット販売も盛んです。


 


ネット販売は種類も多く価格も比較的安いので、何か欲しいものがあったらお店に行く前に検索して見るのも良いと思います。





第7章-日々の時間の無駄をなくす10の方法


 


 


整理整頓の中には時間の整理も含まれます。


 


過ぎ去った時間は二度と取り戻せませんから、時間は無駄無く有効に使いたいものです。


 


1日を通して時間の無駄を省くことができれば、ストレスを減らすこともできます。


 


以下に時間の無駄を省く10の方法をご紹介しました。


 


1.        お弁当は前日の夜に作る


 


朝慌てて仕事や学校にもって行くお弁当を作るよりも前日の夜に作っておき、冷蔵庫の中に入れておきましょう。


 


朝はお弁当を包んで持っていくだけにしておくと時間の無駄が省けます。


 


慌しい朝に作るよりも時間に余裕がある前日の夜に作る方が、お弁当の内容も充実したものになると思います。




 


2.        次の日に着るものは前日の夜に出しておく


 


翌日に着る洋服を前の日の夜に用意しておくと時間の無駄が省けます。


 


朝ゆとりを持って身支度を整えることができます。



 


もっともこれはOLの皆さんなどはすでに実行されている方が多いと思いますが・・・・・。




 


3.        電子メールは簡潔にする


 


今の時代は電子メールが花盛りです。


 


この電子メールは出来るだけ簡潔にして、用件だけを伝えるものにしましょう。


 


そもそも電子メールは長文には向きませんし、長々とした電子メールを受取りたい人もいません。


 


電子メールは普通の手紙と違って昔からある電報のようなものです。


 


最低限度の礼儀(例えば敬語など)さえ守っていれば、本文は簡潔な内容にしても失礼ではありません。




 


4.        銀行のやりとりはネットで行う


 


ネットでお金の支払いをしたり、銀行口座にお金を自動振込みをするのを「ネットバンキング」と言いますが、このネットバンキングは大いに利用しましょう。


 


特にネットオークションでよく買い物をされる人は、インターネット専業銀行と呼ばれる銀行に口座を作っておくと、時間だけでなく振込手数料も節約できます。


 


小口の送金では振込手数料が馬鹿になりません。


 


出品者が指定する銀行口座にもインターネット専業銀行が多いようです。



 


ネットバンクを利用すれば銀行に行く時間も省けます。




 


5.        隙間(すきま)時間にすることをあらかじめ考えておく


 


隙間時間というのは「人と待ち合わせをする時」、「通勤電車など乗り物に乗っている時」、「休日で特に予定が無い時」などにぽっかりと細切れに空く時間のことです。


 


この時間に何をするかをあらかじめ考えておけば、時間を無駄にすることはありません。


 


例えばなにかの資格を取ることを目指している人は、「通勤電車の中で参考書を読む」などです。


 


実際にこの方法で勉強して超難関と言われる司法試験に合格した人もいるそうです。




 


また隙間時間を利用して、スケジュールでは翌日することになっている予定の一部を先にしておけば、翌日は余裕を持ってスケジュールをこなすことができます。


 


著者のように本を書いている場合はこのようにして少しでも翌日のスケジュールを先取りしておくと、精神的に非常に楽になります。


 


もっともあなたが分刻みにスケジュールが詰っているような非常に多忙な人で、「車で移動している時間が自分にとっては唯一の休憩時間なんだ」とおっしゃるのなら、どうか無理をせずにゆっくりと休憩してください。




 


6.        ガソリンは必要な時にのみ補充する


 


タンクを常に満タンにしようとして何度もガソリンスタンドに行くことは止めましょう。



 


 


実際にこの常に自分の車にガソリンを満タンにしていなければ落ち着かないという人は結構おられます。


 


理由は分からないのですが多分そういう性格なのでしょうね。


 


でもそんな必要性はほとんどありませんので、こんなことをするのは止めましょう。


 


これだけでも時間の無駄が省けますし、1週間でどのくらいのガソリンを消費したのかも分かるようになります。


 


どのみちガソリンを使い切ってしまうわけですから、空になりそうになってから満タンにする方が、ガソリンスタンドに行く手間が省けます。




 


7.        やることの優先順位を決めてから実行する


 


世の中には常に末達の仕事を抱えて忙しそうにしている人がいる反面、同じような仕事をしていても余裕を持ってスイスイと片付けている人がいます。


 


この二人の違いの原因を調べるとそれは「やることの優先順位を決めてから仕事にかかっているかどうか」だということが分かります。


 


優先順位を決めずにランダムに仕事を始めると、例えば仕事をしている途中で上司から「頼んだ仕事はどこまで進んでいる?」などと聞かれて慌ててしまいます。


 


そこで今までしていた仕事を止めて上司から命じられていた仕事を始めますが、そのようなことを繰り返している結局仕事はどれもこれも全部中途半端になり、時間が経つに連れてどんどん焦りがでてきます。


 


焦るとミスも増え、やり直しのためにそこでまた無駄な時間を費や



 


すことになります。


 


常に中途半端な仕事を途中から再開しますので仕事の能率もあがりません。


 


その結果はいつも鼻の頭に汗を浮かべて「忙しい忙しい」が口癖になりますが、その割には仕事振りが誰からも評価されません。




 


しかし最初に優先順位を決めて全体のスケジュールを立ててから仕事を始めていれば、仮に上司から上のような質問をされても優先順位の高い仕事を先に進めていることを説明し、命じられた仕事は必ず期日までにできることも説明して納得してもらえます。


 


まず優先順位を決めてから仕事を始めるというのは、職場だけでなく家事においてもとても大事なことです。


 


一度毎日の家事で試してみてください。


 


きっと今までより余裕を持って家事を片付けることができる自分を発見します。




 


8.        人の話しを遮るテクニックを身に付ける


 


忙しいのにおしゃべり好きの近所の奥さんにつかまって長々と話しかけられて、困ったことはありませんか?


 


このような時に上手に話を遮るテクニックを身に付けておけば、時間を無駄にしません。


 


テクニックと言ってもそれほど難しいことではありません。


 


近所の話し好きの奥さんなら例えばそれとなく腕時計を見るなど、時間を気にするそぶりを見せるなどすればよいのです。



 


携帯電話の着信(無音)があったふりをして、「ちょっとごめんなさい」と言って携帯電話をのぞき込むのも良いと思います。


 


また、「ごめんなさい、もう子供を幼稚園に迎えに行く時間だから」というような適当な口実をはっきり言っても良いでしょう。


 


それを相手が気を悪くしないように、うまく使い分ければ良いだけです。


 


要は話の腰を折ってしまえばたいてい長話は終わります。




 


9.        鍋料理を週に2日は作る


 


毎晩何を作ろうかと思案するよりも事前に夕食を作っておきましょう。


 


そして1週間に2度、あるいは毎週末に、冷蔵庫の中に残っているもので鍋料理を作ると食材の無駄がなくなります。


 


鍋料理というのは昔から「闇鍋(やみなべ)」と言って、暗闇の中で沸騰した鍋に各自が持ち寄った材料を入れ、それをまた暗闇の中でなにか分からないままに口に入れるという、一種の肝試しにも使われていました。


 


この闇鍋のように基本的には何を入れても良いのが鍋料理です。ですから冷蔵庫の中を一掃するのに鍋料理は最適です。


 


鍋料理と言ってもだし汁の作り方で醤油味や味噌味、チャンコ鍋にカレー鍋とレパートリーはたくさんありますので、それを使い分ければ結構飽きずに美味しく食べられます。


 


最近は冷蔵庫の残り物を処分するのに鍋ではなくスープにして、それをパック詰にして冷凍保存しておく人も多いですね。



 


 


スープはそのまま戻して飲んでも良いし他のお料理にも使えます。


 


数年前に1年間分の料理を作り、1日ごとに分けて冷凍庫に保存していたという女性の話がありました。


 


これは極端な例にしても事前に料理しておくことで時間のゆとりがかなり増えます。




 


10.         週に1度は外食する


 


週に1度は自分や家族をねぎらって外食しましょう。時間の無駄も省けるし心の休暇にもなります。


休日になる土日でも良いし、その他の日でも家族がそろう時ならいつでも構いません。


 


著者の家族は「ファーストフードフライデー」と称して、金曜日の夜に外食をしています。


 


週末を料理しないで過ごし、また皆が家庭料理以外の料理を楽しめることは良いことです。


 


毎週家族の誰かがどこへ行くかを決めるようにします。




 


これらの他にも時間節約の方策はいろいろあります。


 


例えば洗濯をするために1階に行くとして、2階に上がる際には必ず何かを手に持って上がるようにします。


 


自分の必要な物を持っていくことで、再び取りにいく時間の無駄が省けます。



 


何かの用事で外出する時は同じ方向でできる用事は同時に片付けてしまうのも、再度出かける時間と費用が節約できます。




 


時間の無駄を省くことは整理整頓生活をするためには不可欠です。これが整理整頓の第一歩と言っても良いでしょう。


時間の管理をしっかりし続けることが、他の整頓も上手く行くコツとなります。





第8章-職場の整理整頓


 


 


職場が雑然としていると職場でトラブルが発生しやすくなります。物の管理ができなくなり仕事の効率が下がります。


ひいてはそれは企業業績の低下にもつながってきます。


 


職場には仕事に必要な物がいろいろありますが、それらはきちんと整理整頓され、しっかり管理されていなければなりません。




 


あなたの職場がオフィスならば一番多いのは「書類」です。オフィスでしょっちゅう見られる光景。


それは必要な書類が見付からなくて、机の引き出しや書庫などを一生懸命探している光景です。


 


本人は鼻の頭に汗をかいて一生懸命ですので、一見するといかにも仕事をしているように見えます。


 


しかしもうあなたにもお分かりのように、この人は何も仕事をしていませんね。


 


書類探しは仕事ではありませんし、会社はそんなものに給料を払っているわけではありません。




 


平均的な日本のビジネスマンがこの書類を探している時間は、どのくらいになるのかご存知ですか?


 


なんと1年で平均150時間にもなるそうです。



 


150時間は所定の勤務時間を考えるとだいたい20日になります。


 


最近の企業は週休2日制が定着していますので、土日の休日と祝祭日を加えれば1ヵ月間で働いている日数は20日か21日程度です。


 


つまり平均的な日本のビジネスマンは1年12ヵ月の内、1ヵ月はまるまる仕事をしていないということになります。


 


よく「日本の企業は欧米企業と比較して製造部門の生産性は高いが、オフィス部門の生産性は低い」と言われるのはこの辺りにも原因の一つがあるのかも知れません。




 


書類探しに費やす無駄を無くしオフィスの生産性を上げるために、まず書類の整理整頓から始めましょう。


 


書類の整理整頓はアナログとデジタルの両面から取り組みます。


 


アナログの書類整理ではファイルフォルダーを利用して、必要書類をまずファイリングします。


 


ファイリングする時は後から探しやすいように一定のルールを設けて、書類をグループ化してファイルします。


 


この時に注意するのはあまり細かくグループ化しないことです。


 


細かくグループ化し過ぎるとファイルフォルダーの数が増えて、かえって探しにくくなります。




 


ファイルフォルダーにラベルを貼り内容が分かるようにしてから保管しますが、この時の保管場所の基準は以下の通りです。


 


①よく使うものはデスクの上におく。


 


②たまに使うものは手の届く範囲(机の引き出しかサイドデスクの



 


中。


 


③めったに使わないものは近くの書庫の中。


 


④他のスタッフも使う可能性のあるものは、課や部単位の書類が保管されている書庫の中。




 


机の上におく書類はラックや書類ボックスなどを用いて、「進行中のもの」と「終わったもの(保留中を含む)」の二つに分けておきます。




 


このように書類の整理をする時には、同時に「電子データ化」できるものはできるだけ電子データ化して保存します。


 


最近は多くの職場に紙の書類を読み取って電子化するスキャナーがあると思いますので、それを使えばそれほど時間をかけずに電子化できます。


 


小さなオフィスでスキャナーが無い場合は書類整理日を決めて、その間スキャナーをレンタルしても良いと思います。


 


レンタル料金は1ヵ月借りてもそれほど高いものではありません。


 


オフィスにある書類の中で電子データ化できないものは、有印の契約書などごく一部です。


 


ほとんどの書類は電子データ化しても問題はありません。


 


書類の多くが電子データ化できれば書類の保管スペースは大幅に減らせます。


 


もちろんその時は後日必要な書類が探しやすいように、コンピュータに階層別のフォルダを作って保存します。



 


 


例えば「得意先別フォルダ」→「案件別フォルダ」→「内容別フォルダ」のような階層別に分けて保存します。




 


また電子データは何かの事故であっという間に消滅することもありますので、必ず外部媒体(DVD、CDなど)にバックアップを取っておきます。


 


最近は通信業者やレンタルサーバー業者などで、データ化された重要書類の保管サービスをしているところもありますので、会社単位で契約して重要書類をバックアップしておくのも良いかも知れません。


 


いくら外部媒体にバックアップが取ってあってもオフィスの中に媒体が置かれていれば、例えばオフィスが火災などに会ったときは全て失われてしまいます。


 


この書類の整理整頓が職場を整理整頓する、最初のもっとも重要なステップになります。




 


職場のコンピュータについては常に最新のバージョンにアップデートしておきましょう。


 


そうすることで整理整頓がより簡単にできるようになります。またウイルスに対する抵抗力も高くなります。


選任のシステム管理者がいるような大きな会社なら、システム管理者が定期的にバージョンアップしていると思いますが、小人数の職場で選任のシステム管理者がいない場合は自分で調べて、アップデートなどの作業をしましょう。


 


電子データの管理などの目的で作成されているオフィスプログラムはたくさんあります。



 




例えば電子データのパソコン内での検索にはgoogleデスクトップという、便利なソフトがあります。


 


無料で使える上にファイル名だけでなく、インターネットの検索と同じように、文書に含まれるキーワードでも検索できます。




 


かつて著者と一緒の職場であっという間に昇進をしていった女性がいましたが、その人は常にコンピュータを最新のソフトに更新する努力をし、仕事を整理整頓していました。


 


彼女は最新のテクノロジーを有効活用し、職場の同僚にもそれを勧めることで地位を築いていきました。




 


コンピュータは機械ですので、メンテナンスをしなければ不具合が生じやすくなります。


 


コンピュータは常にきれいな状態に保ち、専用のツールを用いてキーボードなどもきれいにしておきましょう。


 


コーヒーや飲み物を側に置くことは避け、コンピュータの故障の原因を作らないようにしましょう。




 


職場にいる時は時間の管理もしっかりおこないましょう。仕事において時間は最も重要な要素になります。


ただ職場は他人と共に働く場ですから、往々にして自分の思う通りに時間を作ることができないことがあります。


 


ですから仕事をする時は仕事の優先順位を決め、先ず優先的に行わなければならない仕事から手を付けましょう。



 


 


職場にいる時には様々なアクシデントが発生することがあります。


 


むしろなにもアクシデントが起きないのが不思議で、アクシデントは常に起きます。


 


いったんアクシデントが起きれば、どんなに忙しい仕事の最中でもそれに対処しなければなりません。


 


こうしたアクシデントに対応するのに整理整頓ができている、できていないということはあまり関係ありませんが、しかし仕事の効率を良くし、どのような事態にも速やかに対処できるようにするためには、普段から仕事に優先順位を付けて進めるようにしましょう。


 


職場でアクシデントが発生しても落ち着いて対処できるように、普段から仕事の整理整頓しておくことが大事です。




 


そのために必要なことは1日の仕事のスケジュールを立てて、今日行うべきことの目標を立てておくことです。


 


毎日行わなければならない仕事のリストを作成し、目の前に貼っておいて終了したらチェックするようにしましょう。


 


とにかく毎日目標を持って仕事をしましょう。


 


こうした目標リストを常に持っていることは、職場における時間管理をする際にもっとも大事なことです。


 


そうすれば仕事に余裕が生まれます。


 


時間にゆとりを持っていれば、突発的なアクシデントにも対応できます。




 


職場では個人の携帯電話は使用を最小限にとどめましょう。



 


 


同僚との無駄話や携帯電話での友人や家族とのやりとりで、無駄な時間が過ぎていくことが多々あります。


 


こうした無駄な時間は時間管理に支障を及ぼすだけではなく、上司の目にも留まります。


 


1日の大半をそのようなことをして過ごしていれば、上司に不要なスタッフと考えられても仕方がありません。


 


会社の業績が悪くなれば真っ先にリストラ候補者になるかも知れません。




 


もしも会議を主催する立場にある場合には、会議は短時間で的を射たものにしなければなりません。


 


パワーポイントなどを利用して事前に会議の準備をし、資料は参加者全員分コピーをしてポイントを抑え易く、また後々の情報として残るようにしましょう。


 


会議は基本的に1時間以内が良いとされています。


 


これは人間が集中力を保てるのが1時間前後だからです。


 


学校の授業時間がおおむね1時間以内になっているのもそれが理由です。


 


長時間の会議は参加者がだらけてしまって、結局会議のための会議になりかねません。




 


どんな会議であっても昼食時間はきちんと取りましょう。


 


中には何かが目的で昼食を抜く人がおられるかも知れません。



 


しかし昼食を抜く人はエネルギー不足でより効率が落ちるものです。


 


昼の時間はしっかりと休憩をし、ゆっくりコーヒーでも飲んだ方がより仕事の生産性が上がります。




 


タバコを吸う方の場合には喫煙時間は短時間に留めましょう。


 


最近は社内では全面禁煙の職場も増えましたが、まだ多くの会社では喫煙コーナーを決めて、執務中に喫煙をする時間を持つことを許可しています。


 


しかし喫煙時間があまり長過ぎると業務に支障をきたします。喫煙時間は最低限度にして早く仕事に戻るようにしましょう。





第9章-コンピューターを利用した整理整頓術


 


 


整理整頓の一つの方法はコンピューターを活用することです。


 


以前は官公庁や大企業でしか使われていなかった高価な機械のコンピュータは、今やその名もパーソナルコンピュータ(パソコン)として、テレビなどの家電製品と同様に各家庭に1台はあるのが当り前の単なる電子機器になりました。


 


その上、今では携帯電話までがちょっとしたパソコンの機能を持っていて、インターネット機能を利用して様々な情報の検索をしたり、メールをしたり、さらにはスケジュール管理などもできるようになっています。


 


従って、本書ではこれから「コンピュータ」としてお話しすることは、その一部については携帯電話やその他の携帯端末でも同様のことができることを覚えておいてください。




 


このように家庭の中に深く入り込んだコンピュータを用いてスケジュールを印刷したり、毎日行わなければならないことをカレンダーに記したりすることができます。


 


eメールをアップデートして、毎日行うことや約束を確実に確認することもできます。


 


整理整頓用にコンピュータを利用することに慣れてくると、それなしではいられなくなるはずです。




 


取引銀行と「ネットバンキング」の契約をしておけば、銀行の諸手続きもコンピュータを利用して行うことができます。



 


 


銀行の中には普通の銀行のように店舗を持たず、インターネットでだけ取引するネット専業銀行と呼ばれる新しい形態の銀行があります。


 


ネット専業銀行は一般の銀行のように店舗がありませんので、ATM なども設置していません。


 


ただネット専業銀行でも希望すればキャッシュカードは作ってもらえます。


 


利用できるのはそのネットバンクが提携している銀行などのATMです。


 


ネットバンキングを始める時はこのようなネット専業銀行に新たに口座を作っても良いのですが、あなたがもし大手のメガバンクにすでに口座をお持ちなら、そのメガバンクとネットバンキングの契約をするのも良いでしょう。


 


メガバンクにはネットバンキングのサービスがあります。


 


すでにその銀行に口座を持っていても、ネットバンキングの契約は別に結ばなければなりません。




 


ネットバンクを利用すれば請求の多くを自動引落としでオンラインで支払うこともできますし、そうすることで時間の短縮にもなり、支払い忘れなども無くなります。


 


また子供への学資の送金などのように、毎月決まった日に決まった金額を送金するものはあらかじめ契約しておくと、相手の口座に自動的に送金手続きがされます。


 


いちいち銀行に行ってATMや窓口で送金手続きをする必要はありませんので、時間が大いに節約できます。



 


 


ネットバンクについてはその安全性についてまだ心配される方がおられますが、現在のネットバンクは非常に安全性が高く、ネットバンクは特別なセキュリティーシステムとエンコードシステムを利用して、ハッキングを防御しています。


 


むしろ盗難に会うおそれのある通帳や印鑑、スキミングの心配のあるキャッシュカードの方が、セキュリティの面では問題があるかも知れません。


 


著者もネットで支払いを行っており、何年も自動預金も行っていますが問題が発生したことはありません。




 


ネットを利用してお金を管理することの利点の一つは、銀行残高の記録をたどることができることです。


 


ネットバンクの口座にある金額が間違いない金額かどうかを常に確認できます。


 


ネットバンクは送金手数料なども普通より安く設定しているところも多く、例えばネットオークションの代金決済のような小口の支払が多い場合は経済的です。


 


もちろんインターネットですから24時間年中無休で利用できます。


 


一般の銀行のように時間外の手続きに割増手数料が発生することもありません。


 


ネットバンクはパソコンだけではなく携帯電話を使うモバイルバンキングとしても利用できますので、出先などにいる時はとても便利です。




 


コンピュータには様々なソフトがインストールされていますが、標準的なソフトであるワープロソフトや表計算ソフトだけでも、非常



 


に整理整頓には役立ちます。


 


例えばスケジュールをプリントアウトして冷蔵庫に貼ったり、1週間分の夕食メニューを貼ったり、毎日の予定を作ってチェックすることもできます。


 


こうしたコンピュータ技術を有効活用して整理整頓するようにしましょう。




 


インターネットを活用すればネット上で無料で簡単に夕食のレシピを手に入れることもできます。


 


プロが作成したレシピから一般個人のご自慢料理のレシピまで、ネット上にはこの種の情報はいやというほど豊富にあります。


 


このレシピをそのままプリンターで印刷し、ショッピングの際に必要なものをチェックすることができます。


 


リストを持たないで買い物をするとついつい不必要なものまで買い込んでお金を浪費したり、買い物忘れをしてまたお店に行くなどという無駄をします。




 


コンピュータは素晴しいツールで、活用すれば上手に整理整頓することができ、無駄を省いて余裕のある生活を送ることができます。


 


もしあなたが会社やお店の経営をしているのであれば必ずお金の管理、つまり経理の仕事をしなければなりません。


 


経理上の様々な事務はコンピュータに会計ソフトをインストールすることで、全てコンピュータ上で管理することが出来ます。


 


会計ソフトを利用して管理すれば売上と入金、毎月の給与の支払いや各種保険料など従業員預り金の管理、仕入先への支払いやその他諸経費の支払管理などが、伝票入力から決算まで全てコンピュータ



 


上でできます。


 


源泉所得税の計算や法人税の計算、納税申告所の作成もできます。


 


全ての会計データはコンピュータ上で整然と整理され、自動的にいつでも閲覧できる状態になっていますので帳簿への記帳や帳簿の整理、保管などの時間が節約できます。




 


なお税金関連の申告・納税手続きなどは、国税庁の「電子申告」を利用することもできます。


 


この場合は会計ソフトを持っていなくても利用できます。


 


電子申告は法人税だけでなく個人の所得税の申告にも利用できます。


 


詳しい説明はこの本の趣旨から外れるのでここでは省略しますが、もしあなたが使ってみようと思うなら、あなたの納税地を管轄する税務署に聞けば詳しい内容を教えてくれます。




 


また、家庭の主婦によく利用されているのが家計簿ソフトです。


 


家計簿ソフトを利用すれば家計の出納管理を正確にできるようになる他、家計のどこに問題があるのかを分析することもできます。


 


このようにコンピュータを利用することで、空いた時間をその他のことに有効に使うことができます。




 


現代は様々な役所も事務のコンピュータ化が進んでいますので、先に述べた国税庁の電子申告の他にも様々な行政サービスが、自宅に居ながらにして受けることが可能です。


 


例えば今はハローワークで仕事を探す場合、備え付けられているパ



 


ソコンに自分の希望条件などを入力して、その条件に合致する求人データを探すシステムになっています。


 


しかし大都市のハローワークは求職者の数が多いので備え付けのパソコンの設置台数が足りず、なかなか思うようにパソコンが使えません。


 


ところがこれと同じ求人の検索をインターネットを利用して、ハローワークのホームページ上から自宅のパソコンですることができます。


 


自宅のパソコンで自分の希望に合致する求人企業を探し、もし応募してみたいところが見付かったらその求人広告をプリントアウトします。


 


そしてそれをハローワークに持って行って担当者に渡せば、ハローワーク備え付けのパソコンで検索した時と同じように職業紹介を受けることができます。


 


なにも混み合ったハローワークで、パソコンが空くまで長時間待たなくてもよいのです。


 


ちょっと知っているだけで、楽して他の人と同じ行政サービスを受けることができます。


 


このようなサービスはその他にもいろいろあります。




 


エクセルのような表計算ソフトを利用すれば、自分で様々なものの管理プログラムを作ることができます。


 


例えば先に述べた会計ソフトの簡単なものなら多少の経理知識と表計算ソフトの知識があれば、市販のソフトを買わなくても自分で作ることもできます。


 


自分で使うプログラムは市販を目的としていませんから、自分の使



 


いやすいように作ることができます。


 


ですから市販の会計ソフトよりも、自分にとっては使いやすいものになるかもしれませんね。




 


表計算ソフトの使い方を身に付けることは決して難しいことではありません。


 


標準的な使用法ならマニュアルを見ながら練習すれば、すぐに覚えられます。


 


簡単な利用法としてはエクセルを使ってグラフを作成できればビジネスでも利用できるし、支払い期限の管理をすることもできます。


 


現代は多くの職場でエクセルを利用できる能力を必要としています。


 


必要としているというよりも現在のオフィスでは、ワードのようなワープロソフトとエクセルのような表計算ソフトが使えることは、採用の必須条件と言っても良いでしょうね。




 


コンピュータ技術を最大限利用して友人の誕生日を忘れないようにしたり、特別な日を忘れないで確実にカードを送ったりすることもできるようになります。


 


リストを作成しておけば自動的にカードを送ってくれるウェブサイトもありますし、カードを送ったことを自分に知らせることもしてくれます。


 


コンピュータを利用して最新のツールを使い時間の管理を行いましょう。


 


計画を立て、それを印刷することで、家の中も職場内のことも整理できるようになりますし、家計や経理のことも整理できるようにな



 


ります。




 


コンピュータは物の管理には今や欠かせないツールです。


 


私たちの日常生活では例えパソコンは持っていないお家でも、すでに多くの場面でコンピュータのお世話になっています。


 


例えば今の家電製品などは、テレビも冷蔵庫も私たちの目に見えないところでコンピュータが制御しています。


 


マイカーの中はコンピュータだらけです。


 


これからはますますコンピュータ時代になります。


 


この本を読んでおられる方は少なくともパソコンを持っていて、それを一通りは使いこなせるはずです。


 


コンピュータの利用方法はたくさんあり、それらをうまく利用すれば生活を単純化し簡易化することができます。





第10章-子供に整理整頓方法を 教える技


 


 


誰もが子供を持つと、子供にも整理整頓できる子になって欲しいと思うはずです。


 


子供には幼い時から整理整頓することの価値を教える必要があります。


 


そのためには子供を躾ける前に親であるあなた自身が、整理整頓できる人にならなければいけません。


 


子供は親のすることを真似て成長します。




 


これは神様から与えられた動物の本能で、人間の子供もライオンの子供も犬の子供も動物は皆同じです。


 


ですからあなたがズボラで整理整頓できない人なら、子供だけをいくら口で躾けようとしても、子供はあなたが実際にしていることの方を見習います。


 


ですからまずはあなたが率先して、子供にお手本を見せるようにしましょう。




 


ではいったい子供は何歳頃から整理整頓をする様に躾ければよいのでしょうか?


 


もちろん個人差はありますが子供は3歳位になると、簡単な整理整頓ならできるようになります。


 


つまり子供は幼稚園に通う少し前から、もうちょっとした整理整頓



 


ができるのです。


 


ですから子供がこの年齢になったら親が教えながら、自分の身の回りのもの、例えばおもちゃなどから整理整頓させるようにしましょう。


 


子供ができる簡単な仕事からやらせるようにすると自立心が育ち、学用品など大事なものをなくしたり、成績表に「片付けをきちんとできるようにしましょう。」などというコメントを書かれたりすることのない子供になります。




 


子供が少し成長して小学校に通い始めたら、自分の机の上や引き出しの中、本棚などを整頓させるようにしましょう。


 


目標としてはだいたい10歳になるまでに、親から言われなくても自然に整理整頓できるようになるのが理想です。


 


小学校の高学年になったら洗濯物を分別することを教え、さらには自分で自分の衣類を洗濯をすることも教えましょう。




 


子供に家事の一部を分担させるのも良いことです。


 


例えばまずは食べ終わった自分の食器を流し台まで持っていくことから始まり、次にはそれを自分で洗うことを教えます。


 


先に述べた自分の衣類を洗濯させるのも、家事の一部を分担させることになります。


 


子供のために親がこうしたことを全てしてしまうと、子供は自分で整理整頓することの重要性を体得することができません。




 


旅行に行く時には子供が小さいうちは、親が子供の物を用意する様子を見せるようにしましょう。



 


 


こうすることで子供は旅行の際には何が必要なのか、何が不必要なのか分かるようになります。


 


著者は自分の2人の子供にこうした教育をしました。


 


小さいうちはよく子供のために荷造りをしてあげ、大きくなるにつれて徐々に荷造りの方法を教え、7歳か8歳くらいには自分で荷造りをさせました。




 


すると著者が娘とある子供のサークルのキャンプに行った時に、とても面白いことが起こりました。


 


著者は正直言ってこの旅行にはあまり気がすすみませんでした。 なぜならキャンプということにあまり馴染みがなかったからです。


しかし著者は共同責任者という立場にあったので、結局は参加せざるを得ませんでした。


 


もう1人の責任者は極めて几帳面な人でした。


 


しかしそれは彼女が自分でやる物事に関してだけでした。


 


もちろん著者の2人の娘たちには自分達で荷造りをさせました。


 


もう1人の責任者の彼女も子供には同様に自分で荷造りさせたようでした。


 


ところがキャンプ場に着くと、彼女は自分の娘が下着やその他必要なものをいろいろ忘れてきたことに気が付きました。


 


彼女の娘は慌てて騒ぎ始めました。


 


著者もその様子を見て自分の荷物を開けて忘れ物がないか確認して



 


見ると、歯ブラシは持ってきたのに歯磨き粉を持ってくることを忘れたことが分かりました。


 


その他にも入れたはずのヘアドライヤーが見当たりませんでした。


 


そこで今度は著者の娘に確認してみると、娘達は全てきちんと持ってきていました。


 


ヘアドライヤーや歯磨き粉など著者が持って来ることを忘れた物も、きちんと持ってきていました。


 


娘達は著者よりも持ち物の整頓が上手になっていたのです。


 


著者に言い訳をさせてもらえれば、この旅行は慣れないキャンプであったために気持ちが乗らず、荷造りに集中できなかったのだと思います。




 


著者は子供達が成長するに連れ、より多くの整理整頓術を教えました。


 


例えば家事の仕方や毎日のゴミ出しの重要性、食器洗いなどです。


 


娘たちは自分で自分の洗濯をすることを覚え、なぜこうしたことが必要なのかを理解していきました。




 


子供にはお金を管理することも教える必要があります。例えば貯金や予算についてです。


著者が利用した方法の一つは1ヵ月分の小遣いを全部同時に渡し、その時封筒も何枚か渡すという方法です。


 


著者は子供達にそれぞれの封筒の上に、これは何に使うためのお金であるのかを書かせました。



 




子供達には貯金用として1回につき数百円を「貯金」と書かれた封筒の中に入れ、その他のお金は別の封筒にそれぞれ書かれた目的のためのお金として入れさせました。


 


そして封筒に書かれた目的をかなえるために十分なお金がたまったら、計画通り目的の物を購入させるようにしました。


 


こうすることで子供達は予算というものと、目的を達成するためにお金を貯金するということの意味を理解していきました。




 


これまでのまとめとして子供には先ず3歳ぐらいから身の回りのおもちゃなどを整理整頓することを教えましょう。


 


その後は様子を見ながら年齢が上がるに連れて整理整頓のレパートリーを増やし、だいたい10歳ぐらいまでには一通りの整理整頓ができるようにしましょう。


 


ただしこの間にも、子供には自分が整理整頓の良い手本を見せるようにしなければいけません。


 


そしてなぜそれを整理整頓する必要があるのかを教え、同時に整理整頓の手順も教えます。


 


子供が何かをやり忘れても叱ってはいけません。それを更なる勉強の機会として利用しましょう。


 


本書でご紹介した様々な整理整頓の秘訣は、単にご自身の生活を整理整頓するためだけではなく、子供や同僚など他の人達にも伝えて利用してください。


 


整理整頓できることによって、誰もが生活を快適に感じるようになり、安心感を覚え、一見手に負えないように見える物事も上手に管



 

理や処理ができるようになります。

 

あなたご自身もご家族の皆さまも、毎日あくせくと走り続ける車輪の上のネズミ状態に陥ってはいけません。

 

本書でご紹介した簡単かつ重要な秘訣を用いて、あなたの生活、仕事、家族に関わる全ての物事を上手に整理整頓できるようになることを願っております。


 

~終~

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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