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はじめまして メルボルン滞在日記(?) 第一回

 別に突然、滞在中の出来事を記そうと思ったわけじゃない。自分の現状を誰かに向けて発信したいとか、啓発的なことをしたいわけでもない。この文章を書いている理由の5割、いやもっと言えば6割強は自分のためだ。僕は(普段生活している時は’僕’なんて使わないのだけど)ここで文章を発信することを通して、外との境界に少しでも接する地点を増やそうと、そして新しい人たちとつながることを期待している。こんなことを書いていると、自分がなんだか宇宙船に一人乗っていて、後年誰かが読むことを予期して、誰にともなく手紙を書き残している気分になる。宇宙でたった一人、完全な静寂の中で椅子に座り、小さなデスクに向かって筆を走らせている。何光年も先の誰かに向けて書いていると同時に、その文章は自分自身に向けられている。おそらく圧倒的な孤独の中で自分を失いかけた時、目の前に自分の思考が質量を帯びることで、自分の実在を認識し、安心するのだろう。

ただ実際には僕は今、シェアメイトと一緒にいるし、多少の孤独は感じても、宇宙のような絶対的な孤独とは比較にならない。こんな感じで、早速話が脱線してしまった。この日記は、メルボルンに滞在している間の些細な日常を少し違った視点から映し出すことを目的としている。僕はそんな大それたことはできないし、基本的にはいつも同じような毎日を送ってしまっている。もちろん、ルーティンにならないようにはしたいと思っているけど。ありふれた日常の中から少しでも面白いことを見出し、少しでも違った日常を送りたいという思いが、この文章を書くきっかけになった。YouTubeやVlogを考えたこともあったけれど、僕には文章がしっくりくる気がする。動画を始める可能性も残しておくけど。

そんなこんなで、今書いているこの文章がメルボルン滞在日記の第一話となる。ここまで書いてきて、まだ一言も現状や自分のことについて述べていないことに気づいたわけだけど、記念すべき第一話は僕について、そして現状について簡単に説明をすることにしようと思う。ここまででお気づきのように、僕はあまりプランや段取りを気にしないタイプなので、話がコロコロ変わることもあるかもしれないけど、ご了承いただきたい。

さて、ようやく本題に入ろう。僕について少し。僕は2024年の春に、日本の大学で英米文学科を卒業し、ワーキングホリデーを使ってオーストラリアのメルボルンにやってきた。入国したのは5月の初めだ。なんだかんだで、もうすぐ5ヶ月が経つ。時の流れは早い。先ほど述べたように、僕の専攻は英米文学だった。英語には人一倍触れていたし、もともと得意だったから、まあなんとかなるだろうと高をくくっていた。そんな自信はあっさりと打ち砕かれるのだが、それについてはまた後ほど述べようと思う。

どうしてメルボルンを選んだのか。その理由を述べるには、この紙はあまりにも小さすぎる(紙面は無限にあるんだけど、述べる理由が足りないだけだ)。掘ってみれば意外に深い理由がありそうだから、気が向いたらそのことについても書こうと思う。さて、以上が僕の自己紹介だ。締めくくってみて、書く内容が恐ろしいほどにないことに気がついたけど、まあこれからも少しずつ触れていくことにして、ここら辺で切り上げよう。

1回目ということで、僕としても探り探り書いているから安定していないんだけど、これからも読んでくれたら嬉しい。次回からはこれまでの4ヶ月をダイジェストで複数回に分けて書いていくつもりだ。

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