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月見 まる
2021年12月9日 07:58
それでも落下する夢はあるのです。枝からリンゴが落ちるように、夢も宙を舞って闇の中に消えて無くなってしまうのです。つづく
2021年11月25日 07:21
みんな色々な夢を見ます。人だけではなく動物達も。しかし夢はすぐにぼやけてしまい、見た事すら忘れてしまいます。悪夢なんて覚えていなくていいんです。チョッキン、チョッキン、チョッキン……つづく
2021年11月18日 07:18
ある日の夢。私は歩いていた。横にいるのは背高のっぽの知らない人。でも、今はこの人について行くしないんだと諦めていた。そこが宇宙の底の様に真っ黒い場所だったから。光も音もない、迷ったら終わりだ…と。気がつけば周りは人だらけ。いや、人の様な形をした何かだった。私は早くこの先にある馴染みの交差点に行きたかった。ようやく見えてきた交差点には教室の机と椅子がいくつも置いてあった
2021年11月2日 21:18
ある日の夢。私は何かを探している。気持ちは焦り不安だけがそこにあった。本当にただただ不安だった。決まって「それ」は見つからないんだ。公園では、砂場を掘って「何か」を探した。お気に入りだったのに。帰り道では、用水路に降りてびしょ濡れになりながら「何か」を探した。急にいなくなって寂しくなった。学校ではステージ下の倉庫の中に入り込み「何か」を探した。このまま見つからなかったら
2021年10月21日 06:58
ある日の夢。私は低い場所を泳いでいた。色とりどりの魚達と一緒に光が差し込む水中をスイスイと。どうやら私は魚になってしまったらしい。体を包み込む水がとても心地よく、腕を大きくひとかきすると滑らかな水の塊を掴む感覚が伝わってくる。とても温かく、まるで母親の体内に戻ったかのような安心感があった。ガクン、と世界が揺れた。水中で地震?と周りを見渡していると、クリアだった視界がどんどん
2021年10月14日 06:24
ある日の夢。私は目の頭上に咲いた大きな花火に釘付けになっていた。次々に開いては散っていく儚い光は、私の足元まで降ってきて音もなく弾けて消えた。綺麗だな……。しかし、それは遅れてやってくる。地鳴りとなって伝わってきた音は私の鼓膜をバリバリと揺らした。耳底で何度も何度も。大太鼓を叩く様な音は消えず、それが不快で私は押さえた両耳を力の限り引っ張った。ブチっという音と共に顔の側
2021年10月12日 06:51
ある日の夢。家族でお出かけ。車の助手席に誰が座るかで兄弟と大喧嘩。楽しみにしていたお出かけは無くなって、私は1人留守番。今頃何をしてるかな、なんて思っていると美味しそうな匂いが鼻をかすめた。お土産に何か買ってきてくれたんだ!そう思い、部屋から飛び出るとそこは学校のトイレの中。美味しそうな匂いどころか、鼻をつまみたくなる様な悪臭に包まれた。思わず鼻をつまんだが、そこにある
2021年10月7日 07:55
ある日の夢。私は数ある色鉛筆の中から1番好きな「黄色」を握りしめた。真っ白い紙が黄色に染まり気分は上々、鼻歌なんかも歌ったり。「この色も素敵よ」誰かがそう言って私の黄色の上に緑のインクをのせた。「ほら、こっちはどう?」青に赤、茶色に紫、次々に広がる色はあっという間に混ざり合い黄色い紙は黒色へ。「ほら、この色持って」そう言われ握らされた手には黒いペンキがべっとりと。
2021年8月4日 06:14
神は王様達に人の夢に入れる「もう1人の自分」と、歪んだ風を断ち切る「大きはハサミ」を1つ与えました。このハサミは夢へと入る時の「鍵」の役割もある、と神は言いました。『人の夢では顔を隠して歩きなさい』『決して人の夢を持ち出してはいけません』『人の夢を自分の物にしてはいけません』そう言い残し神は再び消えてしまいました。こうして、王様達は悪夢から人の夢を守る「役目」を神から与
2021年8月2日 06:31
神の言葉を乗せた風は、王様達の間を吹き抜けながら言葉を続けました。『夢に入り、歪んだ風を断ち切りなさい。この世界が恐怖で満ちないように』『みんなの夢を悪夢から守るのです』その声は子供のような、大人のような、女性のような、男性のような、とても不思議な声をしていました。「でもどうやって?」「私たちは勝手に人の夢には入れませんよ?」神の言葉は顔を見合わせる王様達の前に大きな鏡
2021年7月30日 08:26
「楽しい夢ばかりだったらいいのに」最後の王様がそう言いました。「君はどんな夢を見たんだい? 楽しい夢じゃなかったの?」「僕は夢の中を歪んだ風が通るんだ」「歪んだ風って? それが通ったらどうなるの?」「一瞬で変わっちゃう。大好きな人が遠くへ行っちゃったり、取り返しのつかない失敗をしちゃたり……」「そりゃ悪夢だね……」そうなんだ、と最後の王様がため息をついた瞬間、王様達
2021年7月28日 07:18
「わたしはまた夢を見なかった」と、暗い顔の王様が話し始めました。「そこはただの暗闇。まるで海の底に沈んでいるような夢だった。上も下も分かりやしない」「それはまだ夢を見てないんだよ」隣に座る王様が笑って言いました。「でも確かに寝ていたぞ? わたしは暗闇から目が覚めたんだから」「そりゃ夢の途中を歩いてたんだ」反対側に座る王様が言いました。「なんてつまらない」そう言っ
2021年7月26日 06:50
「僕の夢はこんな感じ」と、笑顔の王様が話し始めました。「僕は宇宙の真ん中にいてね。きらりキラリと輝く星たちの楽しそうな話を聞いていたんだ」「どんな話をしていたの?」「昨日の調子はどうだった? 明日晴れるといいね、とか。本当に些細なことを。そして小さな声で笑うんだ」そう言って天井を仰いだ王様達の目の前に、輝く宇宙が広がりました。その宇宙からシャラシャラと小さな鈴音のような笑い声
2021年7月21日 07:10
「僕の夢は美味しかったよ」と、少し太った王様が話し始めました。「目の前に広がるのはオレンジ色の海。ドーナツの浮き輪で飛び込んで、底に落ちてるキャラメルを取りに行くんだ。食べても飲んでも無くならない。本当に夢の国のようだったよ」「それ以上食べたらまたお腹が出てくるぞ」そんな言葉も気にせずポヨンと頬を抱る王様が舌なめずりをすると、みんなも口の中に夢の様な甘い世界が広がりました。つづ