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夢うつつ絵本

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「BOX SPACE︰夢現」の絵本バージョンです。 イラストと短い文章で物語は進みます。
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記事一覧

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 13p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 13p



どんどん、どんどん。チョキン、チョッキン。今日も悪夢を見る人の所へ訪れます。

「今日、とっても楽しい夢を見たよ」

 そう言って目覚める人達を見るたびに、王様たちはとても嬉しくなりました。

チョッキン、チョッキン。

誰にもその姿を知られる事なく、王様達はみんなの夢を今日も悪夢から守っているのです。

おわり

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 12p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 12p



王様たちはそんな夢を守るため、悪夢を生み出す歪んだ風を断ち切るのです。

つづく

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 11p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 11p



それでも落下する夢はあるのです。

枝からリンゴが落ちるように、夢も宙を舞って闇の中に消えて無くなってしまうのです。

つづく

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 10p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 10p



生まれた悪夢達をさらに細かく切り刻んで空に返すと、それは星屑のように小さく小さく輝いてしばらくすると消えていきました。

夢を傷つけないよう、悪夢をさらに悪夢に変えないよう、王様たちは神からもらった大きな鋏でみんなの夢を守ります。

これが神の食事会に招かれた王様達の役割なのです。

つづく

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 9p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 9p



みんな色々な夢を見ます。
人だけではなく動物達も。

しかし夢はすぐにぼやけてしまい、見た事すら忘れてしまいます。

悪夢なんて覚えていなくていいんです。

チョッキン、チョッキン、チョッキン……

つづく

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 8p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 8p



ある日の夢。

私は歩いていた。
横にいるのは背高のっぽの知らない人。

でも、今はこの人について行くしないんだと諦めていた。
そこが宇宙の底の様に真っ黒い場所だったから。
光も音もない、迷ったら終わりだ…と。

気がつけば周りは人だらけ。
いや、人の様な形をした何かだった。
私は早くこの先にある馴染みの交差点に行きたかった。

ようやく見えてきた交差点には教室の机と椅子がいくつも置いてあった

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 7p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 7p



ある日の夢。

私は何かを探している。
気持ちは焦り不安だけがそこにあった。
本当にただただ不安だった。

決まって「それ」は見つからないんだ。

公園では、砂場を掘って「何か」を探した。お気に入りだったのに。

帰り道では、用水路に降りてびしょ濡れになりながら「何か」を探した。急にいなくなって寂しくなった。

学校ではステージ下の倉庫の中に入り込み「何か」を探した。このまま見つからなかったら

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 6p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 6p



ある日の夢。

私は低い場所を泳いでいた。
色とりどりの魚達と一緒に光が差し込む水中をスイスイと。
どうやら私は魚になってしまったらしい。

体を包み込む水がとても心地よく、腕を大きくひとかきすると滑らかな水の塊を掴む感覚が伝わってくる。
とても温かく、まるで母親の体内に戻ったかのような安心感があった。

ガクン、と世界が揺れた。
水中で地震?と周りを見渡していると、クリアだった視界がどんどん

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 5p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 5p



ある日の夢

私は教会に逃げ込んだ。
そこには大勢の人が息を殺して小さくなっていた。
私も腰を屈めたその瞬間、

「ここも爆発するぞっ!」

声はすぐに空気に取り込まれ、目に光が突き刺さった。

体が真空パックの中に閉じ込められたように縮んでいく。
もう呼吸ができないほど空気がなくなると、頭の奥でプチっと小さな音が鳴った。

甘い。

口の中に広がる甘さ。それは鉄の味に変わっていった。
最後の

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 4p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 4p



ある日の夢。

私は目の頭上に咲いた大きな花火に釘付けになっていた。
次々に開いては散っていく儚い光は、私の足元まで降ってきて音もなく弾けて消えた。

綺麗だな……。
しかし、それは遅れてやってくる。

地鳴りとなって伝わってきた音は私の鼓膜をバリバリと揺らした。
耳底で何度も何度も。
大太鼓を叩く様な音は消えず、それが不快で私は押さえた両耳を力の限り引っ張った。

ブチっという音と共に顔の側

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 3p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 3p



ある日の夢。

家族でお出かけ。
車の助手席に誰が座るかで兄弟と大喧嘩。

楽しみにしていたお出かけは無くなって、私は1人留守番。

今頃何をしてるかな、なんて思っていると美味しそうな匂いが鼻をかすめた。
お土産に何か買ってきてくれたんだ!
そう思い、部屋から飛び出るとそこは学校のトイレの中。

美味しそうな匂いどころか、鼻をつまみたくなる様な悪臭に包まれた。
思わず鼻をつまんだが、そこにある

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 2p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 2p



ある日の夢。

私は数ある色鉛筆の中から1番好きな「黄色」を握りしめた。
真っ白い紙が黄色に染まり気分は上々、鼻歌なんかも歌ったり。

「この色も素敵よ」

誰かがそう言って私の黄色の上に緑のインクをのせた。

「ほら、こっちはどう?」

青に赤、茶色に紫、次々に広がる色はあっという間に混ざり合い黄色い紙は黒色へ。

「ほら、この色持って」

そう言われ握らされた手には黒いペンキがべっとりと。

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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 1p

【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 1p



「夢」はリンゴの実のように大きな木の枝になっています。

歪んだ風は様々な夢に入りこみ、次々と夢(リンゴ)を落としていきます。

枝から離れた夢(リンゴ)はあっという間に「悪夢」へと。

神様はそんな「悪夢」を止めるため、王様たちに大きな鋏と仮面を付けたもう1人の自分を与えました。

その鋏は夢に入り込んだ歪んだ風を断ち切る為に使うんだよ、と教えてもらいました。
決して夢(リンゴ)を枝から切り

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【夢うつつ絵本】 たまごの見た夢15p

【夢うつつ絵本】 たまごの見た夢15p



神は王様達に人の夢に入れる「もう1人の自分」と、歪んだ風を断ち切る「大きはハサミ」を1つ与えました。

このハサミは夢へと入る時の「鍵」の役割もある、と神は言いました。

『人の夢では顔を隠して歩きなさい』

『決して人の夢を持ち出してはいけません』

『人の夢を自分の物にしてはいけません』

そう言い残し神は再び消えてしまいました。

こうして、王様達は悪夢から人の夢を守る「役目」を神から与

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