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振られた男⑨ 20日目:友だちが励ましてくる


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今日は、先日電話をした友人と会う予定だ。
仕事はパンパンに残っていたが、予定のない土日に回すことにして新橋に向かう。

「久しぶり!」
雑踏の中、友人が手を上げて近づいてくる。
「会うのはいつ以来?半年くらいか?」
友人は前回あった時より少し痩せた印象だ。
ダイエットをして彼女を捕まえることに成功したのだろうか。
自然と自分のお腹を擦る。
・・・ダイエットしなきゃな。現実を突きつけられる。

共に金欠ということもあって、近くの薬局で、お互いつまみと、3本ほどお酒を買って公園に向かう。

「お前いつから付き合ったんだ?」
「いやそっちから!?お前の破局を励ますつもりで来たんだけど!まあ、、一ヶ月前かな。」
写真を見せてもらうとかわいい子だった。
「お前なんで別れたんだ?」
「簡単に言うと相手が30までに結婚したいに対して、俺はまだ結婚したくないっていうのが決定的で。」
「相手は何歳だっけ?」
「俺たちの一個上だから、今29歳で今年30。でも早生まれだから西暦は同じかな。」
「でた!あるあるの30歳!俺も前の人それで別れたわ!」
「ターニングポイントだよな~」
「わかる!それはともかくめちゃかわいいしお前に合ってると思ってたんだよな。」
「でも、別れる時の相手の表情見るとさ、今までも破局危機はあったけど決意の感じが違ったんだよね。」
「なるほどな。とはいえ、、、まだ結婚に縛られたくないよな!年齢的に。仕事とか交友関係も第一優先が家庭になるわけだし。」
「それなんだよ!今のご時世言いづらいけどね、、、お前はやっぱり同志だな。」
そういうと僕はビールを飲み干す。
「俺30くらいまでは、あと2年は仕事とか女遊びとか頑張りたい!」
「今の外ではいうなよ?前半はまだしも後半は世間じゃ受け入れられん」
「間違いない」
二人に笑みがこぼれる。
「そもそも彼女とはどういったきっかけで付き合ったんだっけ?」
「取引先だった。」
「なるほどな。今は彼女どこにいるの?。」
「友達の家とか行ってるけど、今も俺の家で寝たりもしてる感じ。今転居先の部屋探し中だから、この状況が9月頭くらいまで続きそう、、」
「今も一緒なのか。大変だな。」
「うん。今は何となく耐えられるけど、別れてすぐは気まずすぎて大変だったわ。」
友人は、つまみのイカゲソの袋を開ける。そして僕にも渡してくれた。
「何が正解かわからないけど、4年付き合って楽しい思い出しかないから感謝しかないし、向こうには今後幸せになってほしいって本気で思ってるんだよね。」
「お前キザだな。でも嫌いじゃないぜ?」
「ありがとう。・・・なんか照れるな。じゃあ・・・あげる気なかったけど俺もやるよ。」
4個入り柿ピーを2袋渡す。
「2個も?ラッキー!サンキュー」
その後も、中学生の時に戻ったかのようにバカ騒ぎをした。
お互いの好みの女性や、嫌な女性、今の時代じゃ考えられないような会話を終電ギリギリまで楽しんだ。
本当にありがとうと心で何度もお礼をした。

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