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daughter

 娘が小学校の低学年、初めてくるくる回るお寿司屋さんに連れて行った。まあ小さかったから仕方ないだろうけれども、いきなりメロンをとりやがった。
 初めての家族旅行。広島の宮島だったのだが、帰りのPAで友達に買って帰るはずだったおみやげを忘れて帰って、かわりに平清盛の餅の串はしっかり持って帰ってきていた。
 遊園地等に行って、帰る時間になると、必ずワーンワーン泣き出して、「帰りたくない」とダダをこねた。これには毎回参った。大人になって、変な男相手にいわなければいいけれど。
 中学生にはもう反抗期だった。妻と真剣バトル、洗剤が宙を舞ったこともあった。俺も怒って背中をバシンと叩いたことがあったが、部屋の中でいつも荒れ狂っていた。ある時、娘の部屋を覗いてみると、何と壁に穴が開いていた。
 そのわりには学校では優等生で吹奏楽部の部長をやっていた。それも強豪だったので、いろんなところにいって、大会に出場していた。
 高校生になると、進路を決め切らず、ギリギリになって大学に行くといった。でも北九州大学に合格したので、俺は大喜びで、合格発表の日にパソコンを買ってやった。
 大学に入ると就職活動もうまくいかず、これもギリギリになって大学院にいくことになった。もっとも本人は最初から大学院に行きたがっていたのを、俺が就職といっていたので、いいだせなかったようではあったが。
 就職は京都に行った。地元では、いや地元に限らず、結構有名な会社である。ただ離職率が高いからと親戚筋は心配していたが、本人は就職が決まったので、思う存分趣味のパラグライダーを楽しんでいた。飛行・・少女だった。
 お陰様で今日までその会社でしっかり働かせていただいている。海外出張なんかも何度もいったりして、なかなかいうことも男性社員に負けず劣らず鼻息が荒い。年収なんかもう何年も前に俺を遥かに超えていたと思う。
 30代。40が見え隠れする。今の世の中、結婚だけが幸せの選択とは限らないが、親としては微妙なところである。40を過ぎてから結婚する女性も増えてはきているので、昔みたいな適齢期というのはなくなったということだろう。
 どんな選択肢を選ぶかはわからないが、自分が幸せと思えるならそれでいいかな、と思っている。
 追記 今、娘からLINEがきた。サボテンを枯らしたらしい。水のやりすぎと、日光に当てなさすぎが原因のようだ、と自己分析していた。どうやら、まだ彼氏はいないようだ。

 タイトルを英語表記にしたのは、漢字だと演歌っぽいからである。英語だとジョンレノンっぽいでしょう。

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