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自転車で琵琶湖旅~湖北~

 小鳥の鳴き声で目が覚めた。日が出始めたばかりの朝6時だ。


 テントで旅をしていると日の沈むのと同時に睡魔に襲われ、明けるのとともに起きることが良くある。

 気温は5度を指しており、なかなか冷え込んだ夜であったことがわかる。

 朝食はテントを片付けた後で食べるか、それともテントの中で食べるか、という2択が朝の寝ぼけた体でまず第一に考えることだ。中で食べるとだらだら過ごしてしまう、ということがよくある。しかし、こうもさむいとなかなか外に出るきもおきない。結局寝袋にくるまったまま食べることにした。
食パンと菓子パンだ。食パンの上に菓子パンをのせることでジャムが無くてもおいしくパンをいただける。

 寒さに耐え寝袋をたたみ、テント内の荷物をまとめる。一晩とはいえ荷物を出し入れしているとなぜだか散らかる。まとめた荷物はテントから出す。中を空にしてテントを撤収し、自転車に荷物を固定する。昨晩の隣のキャンパーに別れを告げ、公園を後にした。

 昨日とうってかわって風はない。そのぶん寒気が肌にしみる。

 今日はこのまま湖北に向かい、湖西へと下る。湖北には賤ヶ岳や姉川といった著名な合戦が行われた舞台がある。賤ヶ岳で行われた秀吉と勝家の戦いは天下の分け目が、信長の後任がきまった。当時、羽柴性を名乗っていた秀吉の柴の字は勝家の柴田性から次いでいた。それがあらわすように、秀吉が勝家よりも低い位にいたにもかかわらず、対等な争いを起こせてしまったことは下克上の戦国時代を鮮明に写しだしているだろう。賤ヶ岳の戦いで活躍した7武将、賤ヶ岳七本槍と呼ばれた。そのなかには幕末に西郷隆盛も舌を巻いた堅城、熊本城を建てた加藤清正もいる。

 湖北は湖のすぐそばから山になる。山を越えると荒波が吹き付ける日本海がある。琵琶湖周回で唯一の坂道がしばらく続く地点だ。当然登ると下りがあるわけだが下らせるなら登らせるな、と思わずにはいられない。が、下り道は風を受けながら景色を楽しめるから下りだけはあってもいい。
湖北の平地は田んぼと琵琶湖に注ぐ小川が目につく。良い雰囲気だ。鳥の鳴き声も聞こえるのだが一体なんて言う鳥なのか今の僕にはわからない。これから鳥好きの友人に教えてもらうから、次来るときにはわかるだろう。だから今はわからない。

 湖北の頂点に達して進行方向が南に変化した。


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