琵琶湖をゆく~湖北2~
湖北の水の透明度に驚かされた。
池や湖というのは閉鎖空間であるからなかなか透明度が高い状態が保たれることはない。現に琵琶湖の南側というのは大して水がきれいではない。琵琶湖はいくつも流入河川があるが流出河川は南側にある瀬田川(宇治川)のみである。であれば琵琶湖を大きな川にたとえると湖北は上流と言うことになる。気温も日本海から離れるぶん高く、そうなるとプランクトンも発生し水が濁る。
下流側は開発も進み、都市化がされている。湖北はまだまだ田舎風景残る昔ながらの街並みだ。都市化が悪いことじゃない。僕たちはもう田舎化する道は選べない。今ある生活の豊かさは捨てられない。それでもまだ残る田舎にいささかの安らぎを求めてしまう。
琵琶湖の中には定置網がいくつか仕掛けられている。定置網と言っても海でやる大型のものではない。湖底に竹を突き刺し、それに網を引っかけたような簡単なものだ。鮒やモロコといった湖魚をとっている。
鮒寿司と言えば琵琶湖の名産として有名だろう。これはニゴロブナという琵琶湖にしかいなフナを使った鮓だ。にぎり寿司ではない。米とフナを一緒に保存し、米の発酵でフナを保存したものだ。
道ばたにお地蔵のようなものがみえた。丸まったシルエットで膝上くらいの高さ。やけに道路のすぐ横、白線にかかるかかからないかくらいにあるのを不思議に感じると、その物体は道路を横切り森へ入っていった。
猿だ。
なぜほかの動物、犬や猫ではないのかわかったかというと森の中から数十匹のそいつらが僕をにらんでいたからだ。
野生動物は怖い。しかし、野生動物もまた人間を怖がっているだろう。
さて、湖北の涼しげな森の陰を進むと海津大崎という場所に出る。
湖岸沿いにソメイヨシノと岩が立ち並ぶ。まだ3月。桜は咲いていない。厳しい冬を越えた木々が今か今かと春を待っている。
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