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映画は映画館で見るもの。〜勝手にふるえてろ〜

映画は映画館で見るもの。〜勝手にふるえてろ〜
※ネタバレを含みますのでお気をつけてください。


陰キャとモテない陽キャは全員見なさい!


主人公の女子が妄想を拗らせる系の話は色々ありますけど
どれを見ても、んーー?んー?となるものばかり
は?お前はそんなに悩まないだろ!
ちょっとファンタジーを拗らせすぎてリアリティがないなぁ。
と、思うものばかりだったのですが
勝手にふるえてろは凄くリアル。
よく観察が出来ているというか、あ!これ知ってる!
凄く分かる。凄く共感できる。
劇中で出てくる視野見(しやみ)という、Aという対象を見ないでAを見るというテクニック。
横目でチラ?チラ?と見るのではなく、視野角の隅っこでAを捉えるから、相手にバレる心配は1mmもないという…これ私もよくやります。
スマホいじりながら周りを観察してみたりと…。

よく妄想拗らせ系の主人公は自分を変えよう!新しい自分へ!という動きをして幸せになりますが、実際そんな陰キャは陰キャではありません。
ほぼほぼ現状の世界を変えようとしたがりません。
現状がいいんです、現状が楽しいんです。
何か世界を変えようとすると、知りたくなかった世界まで付随してきます。
そんなことが起きるなら知らない方が幸せです。
視野見と同じで、真っ直ぐ見たくないんです。
それぐらいが幸せなんです。
この“勝手にふるえてろ”という映画には、その陰キャの生態がきっちり描けているから最高に震える。見ているこっちも震える。

そして、主演の松岡茉優が巧すぎる。
圧倒的に陰キャ。彼女が主演でなければ、ここまで面白くなっただろうか?と議論できるぐらい。完璧な主演でした。
でもかわいいんだ。松岡茉優がかわいいんだ。
松岡茉優を愛でたくなるぐらい…愛でたくなるぐらい…尊い。
そんな松岡茉優を狙う、陽キャくんが出てくるんですけど
本当に気持ち悪い、なんかこーゆー人生理的に無理…。といったモテない陽キャなんですが、最終的にはなぜか、どこか、あれ?ちょっと応援したくなる陽キャくんになるから、それも面白い部分。
いや、面白いとか言ってないで、モテない人は参考にすべきです。反面教師も含めて参考にすべきキャラ!

キャラなどの話をしてきましたけど、ストーリーと展開も秀逸。
前半と後半のバランスがぐっちゃぐちゃ。
後半のウェイトめっちゃくちゃ重たい。
前半に溜めたものが後半に全て吐き出される展開。
ちなみに前半は視野見などの共感話が多めなのですが
後半は後半で、また陰キャのことよくわかってるなぁ。私もこうなるわー!こうなるわー!松岡茉優の気持ち死ぬほどわかるわー!の連発。
しかし松岡茉優の喜怒哀楽の演技が半端ない!
喜怒哀楽の使い分けを演技で魅せ、観てる側を引きずり込んできます。
特に後半の演技は見もの!本当に本当に見もの!
演技が針なら、こちら側穴だらけになるんじゃないか?ってぐらい、ぶっ刺さります。
泣く松岡茉優
歌う松岡茉優
叫ぶ松岡茉優
全て見届けてあげてください。

多分ですけど“勝手にふるえてろ”を観て「え?松岡茉優みたいな人いるの?」って思った人は間違いなく陽キャの素質ありです。
もしかしたら、この映画は陽キャと陰キャのカテゴライズができる映画なのかも知れません。


この映画から得られる教訓は
陰キャの脳内は全て妄想だよ?


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映画『勝手にふるえてろ』公式サイト
http://furuetero-movie.com/

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