見出し画像

ソクラテスが”伸びている”ライブ配信市場を定量的に裏付けておきます

こんばんは。コロナご時世ということもあり、ライブ配信を含む動画配信サービスが伸びていることは周知の事実ですが、本日はずばりそのライブ配信市場を数字で裏付けて定量化しておきます!

伸びているけど実際どれくらい伸びているのか知りたい、実際裏付けデータ探しているけどなかなか見つからない、こんなニーズに応えられれば何よりです!

お伝えするポイントは以下3点です

・日本のライブ配信市場は5年で10倍

・日本のライブ配信市場は年率約+60%で成長を続けている

・日本のライブ配信市場は2019年推定で390億円程度

今回参考にするベース資料は日本でもSHOWROOMと双璧をなすライブ配信サービス17 Liveを運営するM17 Entertainmentさんの資料です。

実はこの会社過去に1度上場を試みており、その時に上場申請書というものを提出しています。この上場申請書というものが実に便利でその会社の事業領域や市場について詳細が書かれていたりします。

少し詳細を見ていきます!

日本のライブ配信市場

・17 LIVEの上場申請書によりますと、日本のライブ配信市場の市場規模と成長率は次のようになります。

ジャパンライブ配信

2014年時に35億円程度だった市場が2019年予想で390億円、2022年には1,200億円を突破する市場になると予想されてます。

数字の信憑性が少し不安でしたので、ソクラテスが追加で調べましたところ、以下の資料で2018年の国内のライブ配信事業者の売上が報告されています。

画像2

これによりますと、SHOWROOMの売上が45億円となっています。M17 Entertainmentの上場申請書に基づきますと、2018年のSHOWROOMの東アジア(中国除き)市場におけるシェアは9%程度となっております。同社が推定する東アジアの市場規模は820億円程度ですので、9%シェアだと売上70億円強と少し数字にズレが出てます。また、同社はSHOWROOMの2018年の国内シェアを4割程度と言及していますが、2018年ベースの国内市場から推定される売上も80億円と実際よりも強めに出ています。

これらを照らし合わせますと、足元の国内市場の前提が強すぎるあるいはSHOWROOMがシェアを失っている可能性が考えられます。正直どちらが違うか分かりませんが、もし仮にSHOWROOMがシェアを失っていないと仮定しますと、日本のライブ配信市場が17年対比でほぼ横ばいということになりますので(計算割愛)、SHOWROOMがシェアを失ったとソクラテスは考えております。いずれにせよ、イメージとしては2018年時点で日本のライブ配信市場は150億円~200億円くらいと考えて間違いなさそうです(2019年にはさらに市場が倍になる前提ですので、イメージ300億円~400億円くらいでしょうか)。

また成長率につきましては、2014年から2019年までの平均成長率を取りますと、年率+60%程度となり、他の東アジア諸国と変わらない水準となっています。

【東アジア主要国のライブ配信市場の5年平均成長率:2014-2019】

画像3

実際他のアジア諸国と2019年推定の市場規模を比較しますと、以下のようになっており、中国を除いた東アジア諸国は似たような市場規模となっております

日本:389億円(SHOWROOM、ツイキャスライブ、ミラティブ等)

台湾:395億円(17 Live)

韓国:375億円(Afrecca TV, Bigo Live等)

主要ライブ配信事業者

最後に少しこれらの国々の主力ライブ配信事業者の主要KPI・売上・評価額を一覧にまとめさせていただきました。

画像4

※各社のバリュエーションに関しては、直近の資金調達・主要株主の持ち分変化・上場申請書・UZABASE等の第3者調査機関のデータに基づいてあくまでも筆者が推定したものなので、参考程度にしていただければ幸いです。

最後までお読みいただいた方、本日もありがとうございました!少しでもふわっとしたライブ配信市場とその成長性について定量的な情報をご提供できたなら何よりです。今後もこうした定量的な情報を交えながらエンタメ業界の面白いニュースや市場について深堀していきます!皆さんのご意見・感想・質問お待ちしております!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?