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妄想の食通

こんにちは。ぼーんぐんです。

みなさんは食べ歩きをなさいますか。

話題のスイーツ、人気のラーメン屋、オープンしたての中華料理。みな其々の好みの食べ物があります。

その好みのジャンルで行列ができるほどにグルメに支持されたお店があれば、一度は食べてみたいと思うのは人情です。

私は改めて申し上げるまでもなく"食いしん坊"でございます。

美味いものがあると聞くと西へ東へ繰り出して試さないと気が済まない種類の人間です。

しかし残念ながら問題もあります。

行きたい気持ちがあっても、先立つものが乏しければ諦めざるを得ません。そうして懐の許す範囲内で収めているため、行きたいお店のリストは積み上がるばかりです。

「ふぅー」

普段はため息だけの"妄想の食通"ですが、もちろん軍資金が貯まりさえすれば実店舗に出向きます。

人気店は食べるのも大変です。大概並びます。

しかも回転の良い店ならばまだしも、拘りの料理を提供するお店に至っては数人の待ち行列でも1時間以上待つことも珍しくありません。

私は長く待たされる時はその時間を利用して、周囲を観察することにしています。

どんな人が行列に並んでいるのか、どんな店構えなのか、店先のインテリアや看板はどうか。

何故かと言うとオーナーのこだわりを感じられるからです。

人気店のオーナーは隅々まで神経が行き届いています。例えば看板に書く店名の字体に至るまでオーナーは考え抜いた筈だからです。

これらをしっかり見て入店すると楽しみも倍増します。そして店内に通されても内観を楽しみます。

まずはメニュー。

おすすめは何か、レアなメニューはないか、人気のメニューは?など店内の掲示物などの情報もくまなく確認します。

「ほー、此処はコメに拘ってんだ」とか、「そうか、あげる油が違うのね」など、ひとりで合点して楽しみます。

そしていよいよ料理が運ばれてきます。

私には食べる前のルーティーンがあります。昨年から始めたInstagramの素材の撮影です。

料理の全景、シズル感のアップなど簡単に数枚撮ります。

それが終わると合掌「頂きます」

私は人気店の情報はSNSの口コミから得ることが多いんですけど、どの記事も話半分で読んでいます。

大抵が右に倣えで「美味い!」の記事ですもんね。面白くありません。

好みは人それぞれ違いますから、中には「自分には合わない」って人がいても良さそうです。でもそんな記事は少ないんですよね。

ですから実際の店舗では記事に惑わされず「自分の目で味わい、鼻で味わい、舌で味わい」ことを心がけます。

こんな私の入店前からの立ち居振る舞いを、拘りのお店のオーナーや料理人が見逃すはずはありません。

ですからカウンター席でいただく際はいつも私が「ご馳走様」の合掌して席を立つ際、料理人から声をかけられるんです。

「今日のお料理は如何でしたか」

拘りのお店ほどお客様の反応を知りたいんですね。

もちろん私は、マンガ美味しんぼの山岡士郎や海原雄山の様な蘊蓄を語れるはずはありません。いつも困っていまいます。

しかし相手は真っ直ぐ私に視線を向けて、どんな評価を下してくれるかと待っておられます。

隣席の親父まで、箸の手を止めて私の言葉を待っている時もあります。

みなさんならばなんと答えますか。

私は真面目なタチです。

いい加減な言葉は使いたくありません。折角聞いていただいたからには、キチンと答えたくなります。

私は頭の中で食事の記憶を辿ります。

・料理が並んだ時の見た目
・メイン食材の一口目の味わい
・全部食べ終わりの余韻

熱い料理は熱いうちに提供されていたか。メイン料理は素材の味がしていたか。そして最後に満足できたか。

それらを具体的に挙げ一言にして返さなくては。

そうして悩んだ挙句に私が吐いた言葉がこれです。

「美味しく頂きました。ご馳走様でした」

はい残念!

みんなのSNSの口コミと一緒です。笑

なかなか言えませんよね。食通じゃないしね。

どこにでもいる日本人。当たり障りのない言葉と笑顔。おまけに会計でお辞儀までしてね。

だめだこりゃ。

私は"妄想の食通"ですから感想を聞かないで。

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