最強の男と最強の女
こんにちは。ぼーんぐんです。
今年の一月に引退されたテニス界のカリスマ国枝慎吾さんの強さの秘訣をご存知でしょうか。
その秘訣は"3万回"と言われています。
3万回?
これは反復練習の回数の事。
テニスの対戦では相手から打ち込まれたボールをフォアハンドやバックハンドなど駆使して適切な反応を瞬時にしなくてはなりません。
その動作を都度頭で判断するのではなく、体に覚え込ませる事がトップクラスでは勝敗の分かれ目になります。
普段から繰り返し基本動作を身につける練習が必要なんですね。
さらに国枝さんはメンタル面の対策も怠りません。
誰しも持つ弱い気持ちが大切な試合で出ないように、自らのラケットに"俺は最強"の言葉を書き記し自己暗示をかけているんです。
"俺は最強"とは流石ですね。
しかしそんなカリスマも怪我には抗えません。
肘の大きな怪我をした際「試合中怪我の痛みに耐え切れるだろうか」と不安になったそうです。
健康な時は強気一本槍でやってこられた国枝さんも、怪我のあとは弱音を吐ける場所や存在が必要になってきます。その存在は奥さんでした。
そこで学ぶんです。
今まで当たり前だと思っていた事が、実は当たり前ではなかった。自分一人で勝ち進んでいたと思っていた事が、周りの支えがあったからだと気づく瞬間です。
「いつもありがとう」
支えてくれていた人に、そして妻に、心からの感謝の言葉を伝える。短いけど気持ちのこもった言葉。
「これからもお願いします」
この言葉を聞いて救われた人も多い筈。黒子に徹してサポートしてきた事は無駄ではなかった。チームとして自分も認められたんだと。
ひとが一人で出来る事などたかが知れています。世界の頂点に立つ偉業、大きな成果を求めるには信頼のおける家族やチームが必要なんですね。
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先日、私の職場では営業部のエースが今月もダントツの成績で社内表彰されました。
入社以来ガムシャラに働く彼はお客様のもとに日参し、お客様の抱えておられるお困りごと(課題)を共有していただける間柄になる事を常に心がけています。
自社視点ではなく、お客様視点で解決策を練るために時には儲けにならない時もあります。
それでもなおキーマンとの繋がりが長期的には自社のプラスになる。目先の儲けではなく、少し目線を上げた先に成果が生まれます。
社内表彰の場で彼は言いました。
「成功はみんなの成果です。私が纏めたお客様の声を形にしてくれて有難うございます。商品部署や業務部署、管理部署が組織を超えて同じゴールを目指してお客様に接した賜物です」っと。
彼は決して驕りません。
そして「これからもよろしくお願いします」の言葉で締めくくり、慰労会でも率先してお酌をして回っています。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
稲の穂は実るほどに穂先が低く下がる様子から、人も成功したり偉くなるほど謙虚な姿勢で人と接することが大切だという昔からの教えを思い出します。
営業部署だけが花形ではない。全ての部署が花形なんです。
解釈を広げると、私たちの身の回りには社会問題となっている様々な課題があります。
正規社員と非正規社員
上司と部下
男性と女性
年配社員と若手社員
国籍の違い
人と動植物などの関係でも言えることです。
どちらか一方が偉いのではありません。また、必要以上にへり下る必要もありません。
それは両者に何の違いもないからです。視点を変えれば立場は逆にもなり得るということ。
お互いが支え合って感謝してそのバランスで今が成り立っている。
決して自分一人がこの世に存在しているのではない。生きているんではないんですよね。
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国枝慎吾さんはテニスだけではなく、その生き方を通して人としてのあるべき姿をこれからも私たちに教えてくれそうです。
3万回の男、最強の男の教えに倣い、私も先ほど真顔で妻に感謝の言葉を伝えました。
「いつもありがとう。これからもよろしくな」
対する妻はこう答えました。
「何や急にどないしたんや。またなんぞ本にでも影響されたんとちゃうか」
私の事は妻は何でもお見通しです。
私にとって"最強の女"がここにいました。
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