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letter from books selva 03
初めての体験が多い、3月だった。まずは6日。鹿児島市議会防災福祉こども委員会で意見陳述した。なんの意見陳述かといえば、もちろん、九州電力川内原発の20年運転延長に反対する決議を求める陳情に関してだ。記者時代、陳情審査を取材することはあったが、まさか自分が陳情者になるとは思ってもいなかった。持ち時間は5分。5分と聞いて、短いと思うかもしれないが、意外に長い。言いたいことを記憶する頭は持ち合わせてい
もっとみるletter from books selva 02
(…)動物は、人間に変わりたくなどなかった。動物にとって人間は、モンスター、怪物のように恐ろしいものだった。それで、動物たちは申しあわせて、神を捕らえて溺れさせてしまった。こういうわけだ。(『プラヴィエクとそのほかの時代』オルガ・トカルチュク pp194-195)
なぜ、このようなことが許されるのか──。種子島とほぼ同じ面積のパレスチナ自治区ガザ地区。約223万人もの人が密集する中にイス
letter from books selva01
あぁ、売れないなぁ……。海外小説を並べた棚を見て、本には悪いと思いつつ、こんな言葉が漏れる。しかし、どうしても発注してしまう。強風のなか、手巻きタバコを巻いてしまうような感覚だ。運が悪いと、葉っぱが飛んでいってしまう。
こりゃ、おもろい、と最初に感じた海外の小説は、『ラ・カテドラルでの対話』。ノーベル賞作家、バルガス=リョサの「独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を多面的に描き出」(岩波ホ
てんじつきさわるえほん
5年ぶりになるのだろうか。12月上旬、偶然、店の前で以前取材で知り合った全盲の男性に会った。会社を辞めて本屋を始めたことを伝える。
「店を見てみたい」
棚にぶつからないように自分の肘を持ってもらって、5坪ほどしかない店を案内する。絵本の棚を紹介していると、「点字の絵本はありますか?」と聞かれた。記者時代に視覚障がい関連の記事を何本も書いてきた。にもかかわらず、点字の本を揃えていなかった。痛恨