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七夕、銀河鉄道の夜

こと座のベガ、わし座のアルタイ、はくちょう座のデネブ
夏の大三角形は、これらの一等星を結んだもの。

Kagaya氏の撮影する星空はとても魅力的な写真が多い。
その中でも、今日は七夕なので、七夕の天の川を彼が撮影していないか、と朝探していたら、やはり撮影されていた。


七夕での逸話に出てくる織姫はベガ、ひこ星はアルタイ。
元来、中国での行事であったが、奈良時代に、日本に伝わり、元々日本に棚機津女(たなばたつめ)伝説と合わさって、日本固有の七夕まつりが生まれたようだ。

ひさかたの 天の河瀬に舟浮けて
今夜か君が 我許(わがり)来ませむ
万葉集 8巻 山上憶良 神亀元年(724年)
あかいめだまのさそり ひろげた鷲のつばさ
あをいめだまのこいぬ ひかりのへびのとぐろ
オリオンは高くうたひ つゆとしもとをおとす
星めぐりの歌 宮沢賢


旧暦のお盆(7月15日前後)と関連深い行事だったが明治改暦以降、別々に扱われるようになった。

僕にとって、七夕をイメージする本は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」だ。


銀河鉄道の夜 あらすじ
街を歩いていたジョバンニは明るく一つネオンが灯る時計屋で青いアスパラガスの葉で飾られた黒い星座早見を見つける。
少年は、その星座早見に心奪われた。
そして、ジョバンニの目の前に現れた銀河ステーション。
孤独な少年ジョバンニが友人カムパネルラと銀河鉄道で北十字のはくちょう座からわし座を通り、南十字、サザンクロス駅への旅が始まる。


毎年、曇り空のような気がする。


夜、3人で川の字になって眠るとき、僕は2人の織姫さまたちの手と3枚のサザンクロス行きの列車の切符を握る。だから、僕らには曇り空は関係ない。

眼下には暖かい夜の海が静かに広がる。水平線の北東の宇宙(そら)に、ぽつんと、デネブが明るく浮かんで見える

僕らは乗り遅れないように、はくちょう座駅を目指して、思い切り東の宇宙(そら)を駆け上がる。

するとどこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云いう声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊ほたるいかの火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという工合ぐあい、またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざと穫とれないふりをして、かくして置いた金剛石こんごうせきを、誰たれかがいきなりひっくりかえして、ばら撒いたという風に、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは、思わず何べんも眼を擦こすってしまいました。

『新編 銀河鉄道の夜』宮沢賢治 新潮文庫

どうか、いつまでも家族が健康で平凡な日常を送れますように。

我が家の織姫ちゃんの短冊


※写真の短冊は妻の作ったもの。
去年の時のものに娘👶🍼の名前が追加されていた😭

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