書店「九(くう)」でひらく読書会の記録です。 山あいの集落の中にある新刊書・古本・喫…

書店「九(くう)」でひらく読書会の記録です。 山あいの集落の中にある新刊書・古本・喫茶の店。 京都府南丹市日吉町中世木15 11時〜17時 金・土・日・月 050-3562-0009 www.books-9.com

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『阿Q正伝』  読書会 #7 (2024.7.24)

今回の読書会は、魯迅/竹内好訳の『阿Q正伝』。 中国という国がずっと気になっていたわたしは、少し前から竹内好に関する本を読んでいた。そしていつか魯迅も読んでみた…

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『白い屋形船』  読書会 #6 (2024.5.22)

爽やかな晴天に恵まれた五月の昼下がり。鳥たちの戯れを聞きながら、お庭で読書会を開いた。いつもながら贅沢な時間だと思う。今回も5人で開催。せっかくなので、みなさん…

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『JR上野駅公園口』  読書会 #4 (2024.1.13)

今回は5人で読書会。 窓の外に雪がちらつく寒い日に、店の2階の畳の部屋でちゃぶ台を囲み、2時間と少し。ゆっくりと、思い思いに、話しあいました。 〈今回の本〉は、柳美…

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『すべての月、すべての年』 読書会 #3 (2023.10.22)

9月から3回連続で開いてきた読書会が最終回を迎えた。 次はまた方法を少し変えてやっていこうと話している。 今回もわたし(主催者、九店主)、あずさん(主催者)、夫(…

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『未来の回想』 読書会 #2 (2023.9.24)

三人で読む 〈今回の本〉は、1929年にロシアの作家シギズムンド・クルジジャノフスキイによって書かれた『未来の回想』という「SF小説」。 今回も主催3人での読書会となっ…

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『ある一生』 読書会 #1 (2023.8.20)

8月20日(日)、はじめての読書会をひらいた。 といっても参加者はゼロだったので、主催するあずさん(ご近所の友人)、わたし、夫の3人。 わたしとあずさんは2回目、夫は…

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『阿Q正伝』  読書会 #7 (2024.7.24)

『阿Q正伝』  読書会 #7 (2024.7.24)

今回の読書会は、魯迅/竹内好訳の『阿Q正伝』。

中国という国がずっと気になっていたわたしは、少し前から竹内好に関する本を読んでいた。そしていつか魯迅も読んでみたいと思うようになり、今回、読書会の本に選ばせてもらった。
魯迅は、中学の教科書で『故郷』を読んだきり。でもその『故郷』がとても印象深く、そこはかとなく漂ううらさびしい雰囲気、主人公の幼馴染を眼差す目をわりと鮮明に覚えている。
今回は、魯迅

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『白い屋形船』  読書会 #6 (2024.5.22)

『白い屋形船』  読書会 #6 (2024.5.22)

爽やかな晴天に恵まれた五月の昼下がり。鳥たちの戯れを聞きながら、お庭で読書会を開いた。いつもながら贅沢な時間だと思う。今回も5人で開催。せっかくなので、みなさんの紹介をしてみたい。

読書会を一緒に主催するあずさんは、わたしと同年代。南丹市に移り住んだ時期もほぼ同じで、わたしから読書会をしませんかとお誘いした。あずさんなしでは、始めることも続けることもできていない。

ひろしさんは、3回目の参加。

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『JR上野駅公園口』  読書会 #4 (2024.1.13)

『JR上野駅公園口』  読書会 #4 (2024.1.13)

今回は5人で読書会。
窓の外に雪がちらつく寒い日に、店の2階の畳の部屋でちゃぶ台を囲み、2時間と少し。ゆっくりと、思い思いに、話しあいました。

〈今回の本〉は、柳美里『JR上野駅公園口』(河出書房新社、2017)。

参加したのは、ひろしさん(初参加)、けんさくさん(二度目の参加)、あずさん(読書会主催)、まひとさん(九店主)、わたし(読書会主催、九店主)の5人です。

主人公の男をめぐって

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『すべての月、すべての年』 読書会 #3 (2023.10.22)

『すべての月、すべての年』 読書会 #3 (2023.10.22)

9月から3回連続で開いてきた読書会が最終回を迎えた。
次はまた方法を少し変えてやっていこうと話している。

今回もわたし(主催者、九店主)、あずさん(主催者)、夫(九店主)の3人。
〈今回の本〉はルシア・ベルリンの『すべての月、すべての年』。
大好きなルシア・ベルリンだ。

女であること

まず夫が、本書には「女のひとの考え」みたいなものが詰まっていて、そこに魅力を感じたと言った。
最近夫はことあ

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『未来の回想』 読書会 #2 (2023.9.24)

『未来の回想』 読書会 #2 (2023.9.24)

三人で読む

〈今回の本〉は、1929年にロシアの作家シギズムンド・クルジジャノフスキイによって書かれた『未来の回想』という「SF小説」。
今回も主催3人での読書会となった。

ちょっと難解だった。平易なことばで書かれているし、130数ページとさほど長くもない。一応ストーリーもあって物語は進む。だから、読めそうな気がした。

しかし、一度目に読んだときもそうだったけど、ストーリーを追っているつもり

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『ある一生』 読書会 #1 (2023.8.20)

『ある一生』 読書会 #1 (2023.8.20)

8月20日(日)、はじめての読書会をひらいた。
といっても参加者はゼロだったので、主催するあずさん(ご近所の友人)、わたし、夫の3人。

わたしとあずさんは2回目、夫は1回目の読了で、読んだ回数も時期も異なることから、自分の中の本の熟成度みたいなのがそれぞれ違っていて、それもまたおもしろいと感じた。

まずは〈今回の本〉の簡単な紹介から。

1899年生まれの主人公は母親を亡くして3歳のときにオー

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