#千早茜 #透明な夜の香り
ある出来事がきっかけで仕事に全く行けなくなった元書店の女性「一香」が
嗅覚が異常に敏感である調香師「小川朔」の元で働くこととなります。
小川朔は香りからその人の健康状態や嘘をついているかどうかまでわかってしまうのです。
その才能を活かし、さまざまな依頼者から要望通りの香りを作り出します。
作品の中には野菜、花、ハーブ、フルーツとたくさんの香りを発するものが登場します。
植物を採取するシーン、料理をするシーン、食事のシーン、香水を試すシーン。
とにかくたくさんの香りが登場します。
ただ文字を読んでいるだけで、その香りが目の前に広がってくるような感覚になる、千早さんの文章表現にうっとりしていまいます。
同じ出来事でも、香りが加わることで深みが出る気がします。
その時の情景がリアルにイメージできると同時に、登場人物たちの感情が溢れてくるような感じがするのです。
香りによって物語が現実味を帯びる感一方、
繊細な香りがかえって夢の中のような感覚にもなります。
私は物語の中に引き摺り込まれやすいのですが、
千早茜さんの作品はリアルと空想が絶妙な塩梅で
フラットな気持ちで作品を楽しむことができます。
前回読んだ「マリエ」に続き、とても香りに興味を持ちました。
思い出に香りを添えたい願望が強くなってきたのです。
私も自分の香りを身につけて、自分の輪郭をはっきりさせていきたいです。
「マリエ」もぜひ、お読みください!
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