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小説は友達

私よりうんと若くて才能もあって、すでに大きな成功を収めている。少なくとも大勢の人から成功者として認知されている。好きな仕事で高い評価を受けている。これからもきっと受け続ける。進む道の先には明るい未来しか待っていない。そうとしか思えなかった人たちが次々に自らの意志で一度きりの人生を閉じていく。

もし彼らが私の知人だったら、中村文則さんの「何もかも憂鬱な夜に」という小説をおすすめしたかった。あと伊坂幸太郎さんの「逆ソクラテス」も。他には村上春樹さんのデビュー作「風の歌を聴け」や太宰治の「黄金風景」「畜犬談」「津軽」も。どんどん紹介しますよ。信じていいんです。大丈夫。だってそれらの作品に救われた具体例がここにいるんですから。

小説と小説家はいつだって孤独な魂の味方です。真面目で純粋でひたむきで、だからこそ余計に悩んで傷ついて苦しんでしまう人に静かに寄り添ってくれる友達です。私が書いたものも、いつか誰かにとってのそういう存在になれたら嬉しい。なれなくてもいい。だってそういうのは意識すると嘘くさいから。禅の侘びと一緒。好きなことをして生きていこう。今日はきっといい日だ。明日も。明後日も。その先もずっと。


作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!