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I'll Face Myself ~12月11日(金)日本武道館の煽りコラム~

エル・デスペラードというプロレスラーをご存知ですか?

公式では「正体不明のマスクマン」となっています。

彼が初めて新日本プロレスに姿を見せたのは2014年の1.4東京ドーム。客席で思わず「○○か?」と叫んだ際(スイマセン)、周りのリアクションが「ああ」と「誰?」に分かれた記憶があります。

翌日、彼は「メキシコ出身。父親が日本人だから日本語を話せる」というコメントを出しました(もちろん○○は日本生まれの日本人)。そういう「設定」のレスラーに転生したのです。

いまの時代、正体不明のマスクマンというのは難しいです。ネットで簡単に調べられますから。なぜこのようなキャラに? という疑問がずっとありました。でも何となく見えてきた気がします。

たぶん「別の人間」になりたかったのでしょう。○○のままでは競争の激しい新日本プロレスで生き残っていけないと。そもそも自分のルックスやスター性の無さに劣等感を抱いていたのかもしれません。デビュー戦の相手を務めた「あの選手」みたいな天性の華が欠けていると。

デスペラードはRPG「ペルソナ」シリーズのファンです。「ペルソナ3に人生を救われた」みたいな発言もしていました。仮面の下に息づくもうひとりの自分、弱さやカッコ悪さも含めた「真の自分」を解き放ちたい。そんな願望もあったのではないでしょうか。

そんな妄想をしていると、ヒールなのに応援したくなります。昔はぶっきらぼうでクールを気取っていましたが、最近は声をよく出し、表情も豊かになりました。BUSHIに勝ってスーパージュニア決勝進出を決めたときの顔を見て「あ、○○だ!」と胸が熱くなりました。パッとしない新人だった○○が、こんなに活き活きと輝いている。心の底から楽しそうに笑っている。。。

笑いたくもなりますよね。だって決勝の相手は、かつてデビュー戦の相手を務めた「あの選手」なんですから。○○の中に眠るデスペラードというペルソナを刺激した張本人=高橋ヒロムです。何という運命。

ヒロムは89年生まれですが、○○は今年で37歳になります。レスラーとしては遅咲き。でも早い遅いは関係ありません。「真の自分」を解放した人は芯が太くて粘り強い。諦めない。私もnoteでコラムや小説を発表してリアクションをいただくことで、少しずつ「真の自分」を出せていると実感しているからよくわかるのです。

12月11日(金)日本武道館。高橋ヒロム vs エル・デスペラード。ペルソナ4のあの名曲を思い出します。そう、テーマはきっと”I'll Face Myself" 

敵は相手ではなく自分。「真の自分」を出し切った方が勝つ。






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