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【あなたへの手紙②】〜沈黙のなかにある、わたしの幸福〜

黙る。
そして静けさを集める。
こころの籠を、静けさで一杯にする。
そうやって、時間をきれいにする。

独りでいることができなくてはできない。
静けさのなかには、ひとの
語ることのできない意味がある。
言葉をもたないものらが語る言葉がある。

一日の終わりの詩集 長田弘


 こんにちは。いつもありがとう。東京では梅が咲き誇り、春の訪れが待ち遠しいです。寒い日が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。

私が経験したこと味わったことの中で、ちょっとあなたへ話したいなと思うことを手紙にして綴ります。

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昨年から「聴くと待つ ファシリテーション講座」に参加しています。

テーマはあるようでない。そして、何かを教えてもらうという場でもない。

何かを教えてもらいに(教えてもらえる)と思って来ている人にとっては、きっと「なんで自分は、今ここに来ているんだろう」と、問いかけることになるんじゃないかと思う。

参加していていつも思うの。
・答えは自分のなかにある。
・自分のなかにしかない。
・いくら外を探したって見つからない。

聴くこと・待つことの究極の答えは自分のなかへ潜っていくこと、自分で気づいていくこと。そこに、答えがあるように私は思う。

不幸とは何も学ばないことだと思う
ひとは黙ることを学ばねばならない
沈黙を、いや、沈黙という
もう一つの言葉を学ばねばならない



◆ほんとうに対等に接する喜び

自己紹介もなし。名前も分からない。職業も分からない。どこから来たのかもわからない。なぜ今日あなたがここにいるのかもわからない。相手のことを何も知らない。 

参加してみて分かった、これがいいんだ、と


●知らないって最高だ

あの人はこういう職業だから、こういう立場だから、こういう状態だからって、こういう家族構成だから、と勝手にイメージする。そのイメージに枠に当てはめて、その人を見てしまう。いつも。

まっさらな状態であなたを見れる。あなたを見たい。あなたに触れたい。

そして、私もまたそう見てもらえる。知ってもらえる。私もそれがとても嬉しい。

知らないっていい。知らないって最高だ。

●ほんとうの一期一会

その日集まった人たちと、その時間に作られる、空気も、流れる風も、聞こえてくる音も、交わされる言葉も、何もかもが一期一会。

この「今」は、もう二度と訪れない。
そしてその「今」はどんどん風のように去ってゆく。

ひとりひとりの命が、そこに座っている。



◆4時間の沈黙

話さなければならないと思っていた
話さなくてもいいと思っている。

会話に入らなければと思っていた
会話をただ聞いているだけでもいいと思っている。

人の前に立つと、相手の目を見ると、
自分の心がどこかにいってしまう。

あ、わたしが伝えたい言葉はそれじゃない、と思う
そんなふうに、これまで何度も思ったことか。


●3回目の沈黙 姿勢よく、ただ呼吸をする 

お手洗いに立ったことと、質問されたことを「はい」と答えた程度だった。
主催者さんから終わりにある「一人ずつご感想を」というのも今回はなかった。今回は皆さんの前で一言も話さずに終わった。

わたしはただ、4時間ずっと呼吸を意識し、
姿勢よく座っていただけだった。

それが、私にとっては、とても心豊かな時間だった。しあわせだった。


終了後のわたしの感想。


遠くに座る人。目の前にあるお椀に、温かいお茶が注がれる。白い湯気がふわっと見える。わたしはそれを静かに見つめていた。

白い湯気が見えては消え、見えては消える。それは、まるで自分の今の状態とも重なってみえた。

みんなの声が聞こえる。その言葉はすぐに、湯気のように、ふわっと消える。そして、どんどん忘れていく。

静かに聴いていると、目を瞑っていると、生きている人の声がする、と思った。

生きている人の声、生きている人の音、生きている人の波、生きている人の呼吸、生きている人の、生きている人の、、、、ふと、気づいたら、涙が流れていた。

悲しかったわけじゃない。
泣きたかったわけじゃない。

生きている人の声が、わたしにも届いてくる。
輪になってみんな座っている。
わたしは、今、生きている。

あなたは言葉を信じていますか。


●沈黙 不安じゃないですか?

と、ある方が仰った。

(会話で)
沈黙、不安じゃないですか。
沈黙、怖くないですか。
会話の沈黙が怖いです。


わたしもそうでしたよ。わかります。
すごくすごくすごくわかります。

止まることが怖くて私も話してました
でもその「ことば」ってほんとうに
話したいことばではなかった
無理して会話した後ほど、ものすごく疲れた。

沈黙もいいんだよねとおもった
沈黙も許せるようになった
沈黙してもいいんじゃない
それから少しづつできるようになったとき
はじめてわかった

余計なことしゃべってた
話さなくてもいい言葉をしゃべってた
喋りすぎてたって

相手がどう思っているか
なんて分からない
怖いと思っていたのは
わたしのほうだった

わたしもときどき不安になる時もありますよ、
けれど、湧いてきたとき、その言葉を出せばいいとおもう
ことばに出すか・出さないかも、自分で選択してくれていいよ。

なに、人生はそれだけさ。


●泉のように湧き出る

沈黙していると、
言葉が泉のように湧き出てくる。

わたしの心のざわめき 心の動き
わたしの中にある、たしかな声が聞こえる

湧き出てきた、その言葉を話せばいい。
でも、話さなくてもいい。

話すか・話さないかも
自分で選択すればいい。

ときには、黙っているということだけで
伝わる「ことば」というのもある。

目を閉じなければいけないのだった、見るためには。
聞くためには、耳を塞がなければならないのだった。



●ひとりひとりの

ひとりのひとりの 考えがある
ひとりひとりの 受け止め方がある
ひとりひとりの 価値観がある
ひとりひとりの 大切なものがある

ひとりひとり違う
みんな違うからいい
みんな違っていい

集う人たちのいろんな考え、受け止め方があるね。
あなたは、そう見ているんですね。
あなたは、そう感じているんですね。
あなたは、それを大切にしているんですね。


いま、ここに在ることが 
痛切に しきりに 思われる 
穏やかな日

一日の終わりの詩集 長田弘




今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。「一日の終わりの詩集」よければ手に取って読んでみてください。

また、お手紙書きますね。
今週も、あなたにとって笑顔溢れる日々となりますように。いつもありがとうございます😊


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