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その家を選んだのはほんの偶然だった。 私はけちな空き巣だ。かといって、元々盗みで生計…
■前回までのお話はこちら■本編「椿、着替え終わったか」 ノックもせずに扉が開けられ、そ…
■前回までのお話はこちら■本編 そのホールは古びていた。あちこちの壁に雨だれが見られたし…
■前回のお話はこちら■本編 牧場の中は寂れていた。日曜日の、しかもこんなにも天気のいい昼…
■前編はこちらから■後編 母が死んだとき、世界はまだ混沌に包まれてはいなかった。 葬儀…
エリス・如月は殺すな。生け捕りにしろ。 教官は命令の最後にそう付け加えた。それを聞い…
男は旅人だった。旅の目的がなんだったのか忘れるぐらい、彼は旅をした。もはや旅をすることそのものが目的のようなものだった。 男は山脈を越え、大平原を越え、深い密林を越えて、砂漠地方へやってきた。そこには「蜃気楼の街」と呼ばれる街があると聞いたからだ。 「蜃気楼の街」は、夜の内には街が存在するのだが、朝になると何もかもが幻のように消えていて、甘い旅の夢に誘われた旅人たちを砂漠のど真ん中に放り出して消えてしまうことから、半ばこうした過酷な地方にはつきものの怪談話のようになって
緑のフェンスをよじ登り、くるりと反対側に回ると飛び降りた。 こんなことならスカートじ…
まず驚いたのが、我が家のドアチャイムが鳴ったということだ。思わずぜい肉だらけの体を揺す…
■まえがき通常の更新は本日はお休みさせていただきます。 なにぶんばたばたとしてしまってい…
夕方になると、夕日を見に行きます。 何を当たり前な、となるかもしれませんが、わたしの…
■通常の更新はお休みです昨日から風邪をひいてしまい、発熱のため小説を考えることができま…
砂塵の向こうに霞む街が見える。 男は立ち止まっているとずぶずぶとブーツが沈んでいく流…
ナルミは街の失せ物管理事務所で働いている。 週四日勤務。時間は八時から十六時まで。土日休み。福利厚生は充実しているし、有給休暇もとりやすい。業務内容も失せ物のデータ管理の他は来所者や電話の応対くらいで、難しいことはなかった。 彼女は会社説明会で目にした、住宅メーカーの華やかな女性営業に憧れて、第一志望をその住宅メーカーにしていたのだが、面接であえなく不合格となった。その後も受ける会社受ける会社に不合格の烙印を押され続け、学校の就職担当者が「君にはここしかないと思う」と言