MAGICAL GIRL/マジカル・ガール
ずっと見ようと思っていてHDDの中で眠っていたこの映画。
思ってたのと全然違ってた!
まず貧乏父子家庭の闘病物語であって、ちょっと不思議なお話でもあって、最終的には「ほっこり」でおさまる作品かと考えていたけど、それはとんでもない間違いだった。
闘病は事実。
父の愛も事実。
だけどこの父が娘に高額なプレゼントを贈るために犯罪に手を染めそうになった瞬間から、物語はどんどんおかしな方向に向かっていく。
オープニングからこのシーンは何のため?って考えていたけれど、それが何となくわかってくるのは中盤あたりから。
貧乏父子と謎の女の物語になったと思ったら、貧乏父さんと謎の女と謎の女の元担任のお話へ。
一体誰が主役なのかよくわからないまま、タイトルのマジカルガールは病気の少女のことではないのかな?と思ったりする。
オムニパスのような場面転換。まるでペドロ・アルモドバルみたいな。だけど物語はしっかり繋がっていて、結果だけをただ見せていく。なので、なぜそうなったのか?なぜこういう関係なのか?は一切説明がない。
なのにこの物語に限っては、それでいいような気がしてしまう。つまりはご想像にお任せしますって意味なんだろうけど、その辺は雰囲気で押し通してしまう歯切れの良さ。
オープニングからスペイン映画に似つかわしくない日本の80年代のアイドル曲がガンガン鳴り響いて、そんな始まりに圧倒されてしまったのだけど、最後まで「?」がいっぱいの中またオープニングと同じ曲がいきなりガンガン流れるエンディングまですごくうまくまとめた作品だと思った。
もっと早く観とけばよかったな。