見出し画像

女性医師の働き方

医師の転職相談や、
アルバイトの相談を受けていると、
女性医師が働く環境が整っていないと
思うことがあります。
 
でも、なかには、
御自身のペースを掴み、
自分の居場所を掴んでいった
女性医師もいらっしゃいます。
 
皮膚科を選んだ女性医師の事例を
ご紹介させて頂きます。
 


■ A医師


 
東海地方出身
地元大学出身で、そこの医局に所属し、専門医まで取得。
お子様の教育環境を考えて、数年前に御家族ともども関東に転居。
(医局は退局)
 
<希望>
・子どもの受験が終了するまでは、
 子どもが帰ってくる時間には自宅にいたい。
・自宅近くの勤務を希望。
 
<実際>
・転居して1年目
 AMのみ、自宅近くのクリニックで週3日程度勤務。
 →皮膚科:保険診療・自由診療、訪問診療も経験。
 
・転居して2年目以降
 1年目の勤務 + 週2日AM 
 病院での外来+病棟コンサルの勤務を増やす。
 
→合計 週5日AM勤務
 
*それぞれのお子様が中学校に上がり、手がかからなくなった時点で、
 勤務していた非常勤の病院で、常勤医として勤務を始める。
(週4日 外来・病棟・当直無)

 

 ■ B医師


関東出身
医学部時代に結婚され、出産。
出身大学の医局は既に退局。
皮膚科:専門医取得無。
 
<希望>
・臨床経験が浅い内に、医局を離れてしまった為、
 皮膚科医として働ける処を希望。
・外来だけではなく、病棟コンサルも対応可能な処。
 
<実際>
・常勤医がいない病院で、週2日AMの勤務が決定。
・御自身の伝手で、週1日AMのクリニックでの皮膚科外来。
→ 週3回AMの勤務。
 
 *現在は、お子様が増え、医師としての勤務は休業中。
  今後のキャリアについては、お子様が巣立ってから考えようと
  家族と決めている。

■ C医師

 
関東出身。
出身大学の医局に現在も所属。専門医取得済。
非常勤として、医局の勤務と、医局とは別に外勤先あり。
 
<希望>
・医局との接点を持ち続ける。
・子どもが小さい為、子どもが帰ってくる時間には家にいたい。
・外来・病棟も診れる仕事を希望。
 
<実際>
・医局の仕事も非常勤で対応。
・病院で、週2コマAMの外来+病棟コンサル
 
 *週4.5コマ 皮膚科医師として非常勤として勤務。
  まだ先のことは未定だらけだが、選択肢を多くしておきたい。

 

■ 子育てがひと段落したら。


 A医師・C医師は旦那さんも医師。
 
A医師の旦那さんは
将来的に開業したいとお考えとのこと。
 
住居がある処での開業を希望されている為、
A医師は、旦那さんのサポートを考えつつ、
今の常勤先を辞める予定はなし。
 
開業したクリニックが起動にのってくれば、
病院の常勤を辞めるかも?と仰っています。
 
C医師の旦那さんは、このまま医局での勤務を
お考えとのこと。
 
C先生としては、お子様の手が離れたら、
御自身で開業した方が、
自由な時間が持てるかなとお考えがあり、
クリニックの外来勤務等もされております。
 
A医師・C医師と話していて、
印象に残っているのは、
”結婚・出産・子育てしていても医局には残りたいと思っていた。”
と仰っていたこと。
 
理由は、
・皮膚科専門医を取得する為
・市中病院・クリニックでは症例が物足りないこともある
・最新の情報のアップデートは医局がよいのではないか

そう仰っておりました。
 
また両名の医師は、
「自分たちが、これから結婚・出産する人たちの
 ロールモデルになればと思っている。」とも
仰っておりました。

特に印象に残っているのは、
C医師が所属している医局。

「今、医局に非常勤という形で籍をおき、勤務させて貰っている。
 給与あってない感じなんですけどね。」

「低いんですか??」

「云いたくない(笑)
 それ(医局に所属し働くことは)でも
 自分にとって良いことばかりなんです。
 
 貴重な症例を診ることが出来るし、何かのときに相談する先輩もいる。
 子どもが大きくなって、手が離れたら、常勤で戻れるかもしれないし、
 開業するかもしれない。
 その決断するときまでは、なんとしても、医局に所属していたいんですよね。」

「大変なのに?」

「大変ですが、私みたいな人(非常勤)でも医局に所属出来るし、
 ほんと傍からみたら、宙ぶらりんで迷惑かもしれないけど、
 こんな働き方をしている人もいるんだよって、後輩にみて欲しい。
 しぶとく医局に所属している人もいるって。」

C医師。
 
アルバイト面接にお連れしたとき、
凄い熱意のある先生でいらっしゃることは、
面接でのプレゼンで存じておりました。
 
しかしながら、面接終了後の帰り道、
この考え方に触れ、めっちゃ男前と思ってしまいました。
 
 

■ こんな提案をさせて頂きました。

女性医師の場合、
お子様や家庭の事情で
働き方に制限がある方が多いです。
 
しかしながら、
限られた制限の中で、
どんな目的を持って過ごし、
何を見据えて研鑽していくのか?で、
御自身のキャリアプランが大きく変わってきます。
 

A医師・B医師・C医師のキャリアを
一緒に考えたとき、
こんな提案をさせて頂きました。
 
 
皮膚科で開業される際には、
保険診療だけではなく、自由診療も対応可能な方が、
診療の幅が広がりますし、
患者層の幅も広がります。

 
開業は、集患ということが、
立地の次に大事なキーワードになります。

C医師が開業を念頭に置かれ、
実際に動き出そうとした場合には、
自由診療の勉強を出来る場所を、
まず御案内しようと思っております。

保険診療・自由診療
両方対応可能な状態になったとき、
開業の準備が整ったと判断し
動きだしてよろしいのではないでしょうか。

また、B医師には
病院での常勤医をお薦めしました。

皮膚科専門医を取得したいとお考えになったとき、
指導医がいらっしゃる可能性が高いこと、
専門医を目指さなくても、業務上で確認したいこと
相談したいことがあれば、その環境があること。
 
クリニックよりも診察時間が短いことも
病院勤務のメリットだと思い、
ご提案させて頂きました。
 

■ キャリアはあとからついてくる。


 たまたまですが
皮膚科の女性医師の事例になりました( *´艸`)。
 
女性医師の場合、
ライフイベントがあるので
御自身が歩んできたキャリアが
一旦ストップするかもしれません。
 
一旦ストップしても、時機がきたら、
再スタートすれば良いです。
 
再スタートするときに大事なのは、
御自身がどうしたいのか。
 
そこだけだと思います。
 
まず、自分がどんな働き方をしていきたいのか。
 
そこを私どもにお聞かせ下さい。
 
私ども、女性医師が実際どんな働き方をしているか、
事例は沢山持っております。
 
その事例をお話しながら、
先生御自身がどうしていきたいのか?を
探っていければと思っています。
 
実際に皮膚科だけではなく、
他の科目の医師をみていますが、
ストップされても、再スタートして
自分の居場所を見つけている
女性医師はいらっしゃいますから。
 
ご自身が動き出せば、
キャリアはあとからついてきます。


以上

https://www.depoc-medical.jp/post/230710

 
 
 
 
 


この記事が参加している募集

仕事について話そう

医療系人材紹介エージェント。日々、医師や看護師さんとお目にかかり、思うことや、自分がお邪魔して、こちらに人材を紹介したいな~と思う、医療機関さんが募集している人材情報を掲載していきます。あとは、自分の趣味のダイビングのことも書いて参ります。医療系で海好きの人と繋がりたいです。