見出し画像

オーストラリアのホームステイ先でのいじめから学んだこと②


こちらの記事の続き。


母から届いたその本のタイトルは、

野坂礼子さんの

『人生を変える言葉 「ありがとう」』




この本が私の留学生活に変化を起こし、私を大きく成長させてくれたといっても過言ではない。


この本には、
「ありがとうございますを唱えるだけで絶対に運がよくなる」
「人を変えようとする前に自分が変われ」
「自分が変われば人は変わる」
「物事の考え方を変えてみる」
「ネガティブなことは考えず何事もポジティブに考える」
「挨拶を積極的にする」
「起きていることは全て自分のためになる」
「辛いときでも笑顔」


このようなことが書いてあった。


最初は、何故私が変わらなきゃならないの?
今起きていることの何が自分のためになるの?
辛いときにどうして笑わなきゃならないの?と思った。


でも苦しくて辛くて仕方がなかったので、現状を変えたくて少しでも何か変わるならと願いを込め、本に書いてあることをその日から全て実行した。
とにかく、死にものぐるいでやってみた。


暇さえあれば「ありがとうございます」と心の中で唱え、1日に何千回も唱えた。



家事をやっているときも「これは将来のためになる」と思うようにし、「ホストファミリーが私に厳しいのは、私のこと思ってくれているからだ」と無理矢理にでも考え、とにかく今自分に起きていることをポジティブに、ポジティブに考えた。



あまり話したくなかったが、ホストファミリーに元気よく笑顔で挨拶をしてみたり、とにかく本に書かれていることを信じて頑張った。



すると、ホストファミリーだけではなく自分自身にも段々と変化があらわれてきた。


まず自分に現れた変化というのは、どんな時でもポジティブ思考をしていたせいで、何が起きてもポジティブ思考でいられるようになったということだ。

この本を読んでからの話なのだが、私が近所の道を歩いていたときに野良犬に突然足を噛まれ病院に運ばれてしまった。


破傷風が心配されたのだが、消毒だけで済んだ。

噛まれたこと自体はマイナスの出来事かもしれないが、キラキラ光るサンダルを履いていた私も悪いなと思い、外を出歩くときはキラキラ光るサンダルは危ないということを学べた。


本を読む前の私なら、きっとネガティブに捉えて消毒だけで済んだことをありがたいと思うことは出来なかっただろう。
野良犬に噛まれるなんて最悪。ツイてなさすぎ。などと言って文句をブツブツ言っていたことだろう。


こんな些細なことが少し前まで出来ていなかったのに、辛いことを自分にとってプラスの出来事へと変えられるようになった。





それと同時に、今までの自分がいかにネガティブであったかに気付かされた。


そして、本を読んでから自分を改めて見直すことが出来た。
考えてみれば、私にも悪いところがあったから関係が悪くなってしまったのだ。



それなのに被害者意識ばかりが強くなって私は悪くないと思っていたから、自分が変わろうとは考えていなかった。
それに気付けた。



ホストファミリーはというと、私に対する態度が変わってきて、家事を手伝ってくれるようになったり、会話も増えたりして優しくなったのだ。

私は英語の分からないことを質問してみようかな…なんて気にもなり、思い切ってホストシスターに質問してみたりもした。
彼女は分かりやすく教えてくれた。


こんなにも現状が変わることってあるのだろうかというくらいとっても不思議だった。




私が日本に帰る時には涙は流さなかったが、瞳に涙が溜まっているのが分かった。
プレゼントもたくさん持たせてくれた。


1ヶ月前のホストファミリーとの関係ではありえないことだった。
最後には抱き合って笑顔で別れることができた。


私がもしこの本に出会えていなかったら、本に書いてあることを実行しなかったら、お互い変わらずに毎日毎日泣いて過ごしたのではないだろうか。


留学中、笑うことより泣くことの方が多く、早く日本に帰りたかったが、今思えばこの経験があったおかげでかなり根性がつき、苦手な人との接し方も身についた。

相手の立場になって考えることの大切さ、そして「ありがとうございます」という言葉の威力も知った。

当時はすごく辛かったが振り返ってみるといい経験をしたと思える。

「人を変える前に自分が変われ」


本当にこの言葉の通りで、人の性格を変えることは不可能なことだから、自分が変わればいい。


本当に不思議なことだが、自分が変わると少しずつ人も変わっていく。




誰もが世界を変えたいと思うが、誰も自分自身を変えようとは思わない。

- トルストイ -


トルストイの石のお話はこちら


野坂礼子さんの感謝法のお話はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?