〈映画〉を見ようシリーズ第二弾　『シビル・ウォー　アメリカ最後の日』ネタバレまみれ感想

前回が楽しかったので飽きるまでこのシリーズ時々やっていきます。
ネタバレ注意

雑な感想

　若干の中弛み(というか序盤弛み？)はありつつも全体的にはかなり面白く、見て良かったと思える作品。
　タイトル的にB級かと思いきや戦闘含めてチープさはあまり感じず（ミリオタからしたらわからん）見応えがあると思えた。
　ただ、個人的には平気だったが、まぁまぁグロい。スプラッタ、リョナ的なグロさというよりは変にリアルな人間の恐ろしさというか、「実際にどこかの国で起きてそうで嫌だ」というか……ある種の爽快感すらないグロさなので、苦手な人もいるかも。

良い点

　内戦が起きた理由（大統領は何をやらかしたのか、西部連合の主張や目的は何なのか、何が原因なのか）がほぼわからないのが良かった。このおかげで観客の視点ではなく、その世界の一般人の視点の様に思えるので、映画に没入できた。気づいたら海外で戦争が起きていた、知らない内に意味不明な法律やルールが決まる目前になり、気づいた所で止められない、なんてことは現実の日本でも残念ながら度々あることだと思う。だからバックボーンが語られないからこそ、現実の諸問題の行き着く先の様に思えて、アメリカ人ではない自分にも他人事と思わせなかったと感じた。
　登場人物の狂気もキャラクター的でなくて素晴らしい。ガソリンスタンドを占拠し近所の住民を拷問した挙句それを嬉々として見せる自警団。お互い敵か味方か、なんの為か、それすら分からずに殺し合う狙撃手。多分どちらの陣営にも属さずに勝手に通行人とっ捕まえて差別してぶっ殺してるヤバいサングラス。主人公パーティーの女（ジェシー）は写真目当てに飛び出した挙げ句庇って死んだ主人公に声もかけず写真を撮るという始末。（報道の役目とも言えるのかもしれないが、個人的には狂気を感じた）。これらの狂気もぶっ飛んでいる、もしくはバックボーンもあり説得力があるというよりは、現実の現代人の成れの果ての様に思え、とても良い。
　あと音楽の使い方も結構良かった。曲知らんけど

良くなかった点

　アジア人男性の扱いは例の如く雑で笑った。民兵グループのリーダーっぽい？奴は居たとは言え印象に残ったのは死ぬために出てきた二人のキャラのみ。差別によってロクな見せ場もなく殺されるならせめて仲間キャラにして出番あげろよってのはちょっと思った。

総評

　概ね面白い。見て後悔はないし、人を選ぶ作品とは言えオススメしたいと思った。お時間ある方は是非ともご覧ください。

あと地味に「アサルトライフル突きつけられたらどうやって抵抗しよう」って思った（どう考えても無理に決まってるだろ）