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東博所蔵「紺木綿地璃寛縞模様小袖」に帯を合わせてみた

染色作家の甲斐凡子です。

本日は、先日、東京国立博物館にて展示されておりました「紺木綿地璃寛縞模様小袖」に、フォリアの作品を合わせてみましたので、そちらのご紹介です。簡単に、切り取って貼り付けただけですが、分かりやすいかと思います。そっけないようですが、このような画像は、お客様とのやりとりでよく使用しております。お客様とイメージの共有を具体的に出来るのが良い点です。

さて、こちらのお着物とても格好良いのですが、実際に着こなす...となると帯に悩みます。勿論、素材の良い無地の帯は合うでしょう。師匠と共に、「あの帯ならどうだろう?」「あれも合うかも...」と会話しており、それを実際に具体的にしてみました。ちょっとしたイメージトレーニングですね。実際に合うかどうか、確認してみたかったのです。

本日、ご紹介する名古屋帯は全て、師匠・仁平幸春の作品です。

まずは、染め分け系の名古屋帯3点。

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3点とも、どれぞれ魅力的だと思います。染め分けは、色々な着物に合わせやすく、且つ現代的な着姿になりますので、個人的には一家にイチ染め分けを推奨しております。色々なデザインのバリエーションがありますし、おすすめです。

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↑「青い月」丸紋も合いますね。縞の直線とのコントラストが格好良いです。

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↑「月と小花」少し具象要素を加えて、可愛らしさを演出。可愛すぎない...というのがポイントです。

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↑「コプトの葡萄文」着物の縞文様の力強さに負けないインパクトのある帯です。”力勝負”という印象があります。

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↑「コプトの十字紋」こちらもコプトの文様。上の葡萄文に比べると繊細な印象ですが、着物に負けない文様の力強さを感じます。女性らしさ...みたいなものが、感じられる取り合わせです。

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↑「天使の羽根」可愛らしい雰囲気になります。白地(実際には白汚しですが)の帯を持ってくると、ヌケ感があり、スッキリと洗練された印象が強くなるように思います。

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↑「シーレの樹」エゴン・シーレの絵画を参考に制作した帯です。現代アートを身にまとっているような取り合わせです。帯は、和装として成立するように考えられて作られております。

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↑「花の額」師匠と「意外と合いますね」と驚いた取り合わせです。着物の面白さを感じます。着物を鑑賞している時には、想像もしておりませんでした。アリです。

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如何だったでしょうか?上記の画像は良いイメージトレーニングになりました。着物あるあるかと思いますが、「合わせてみないと分からない」というのは、本当に面白いですね。

という事で、以上、「名古屋帯がものすごく合せにくい着物でも、フォリアの帯なら合わせられるよ見本」でした。笑


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