染色作家の習い事
わたくしが着付けを習い始めたのは、工房内独立をした年の10月の事でしたので、30歳になった頃でした。修行を開始したのは、23歳くらいだったので、呉服業界と関わり始めて約7年経ってから、ようやく着付けと向き合う事になったのです。
着付けを習い始める時期が、早いか遅いか...というのは判断が難しいと思います。わたくしは、1つ1つ、しっかりと着実に出来る事を増やしていきたいと思うタイプ...というと良い風に聞こえますが、同時進行で何かを学び・身につける事が難しいと感じる人間です。それに、フォリア工房の修行というのは1つの事を出来るようになれば良い...というタイプの工房ではありませんので、わたくしとしては、まず、しっかり本業の修行をしてから、その後、出来たほうが良い事を学んでいこう...というようなイメージを持っていました。
修行中の7年の中でも、色々な方々に「着物は着ないの?」「着付けは習わないの?」というような声を掛けて頂きましたが、当時のわたくしには、そのような余裕は金銭的にも時間的にも精神的にもありませんでした。着付けを習いに行く時間があるならば、フォリアでの染を中心とした作家としての修行の時間を増やす方を優先するべき立場にありました。
今もそんなに余裕はありませんが、自分のステップアップの為に必要な事だと感じ、着付けを習い、着物を着られるようになりました。
不思議なもので、必要な時期...タイミングになりますと、少しこちらが動くだけで良い流れ...良い出会いというのもが舞い込んでくるような印象があります。着付けの時もそうでした。森田空美先生の着付けレッスンに通えるようになった事は、本当に幸運だったと思います。
今も、工房での仕事というのは日々修行ですし、出来ない事も多いので、少しでも出来ることを増やしたい、成長しなければ...という毎日です。唯一の習い事である着付けも、仕事の中に活かす事が出来、とても満足しております。
今後、他の習い事をする予定はありませんが...興味がある事というのは、書道やピアノ、華道や茶道など色々ありますので、少しずつ体験・実現出来ると良いな、と思っております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?