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ビジョン無きコミットメントの要求は単なる責任転嫁。ビジョンを創ろう



1.「ビジョン」って会社に大切? ボクは求めてしまうし、大切にしたい派

ビジョン。会社の共通ビジョン。大切ですか。必要ですか。

大企業や一定以上の規模になったり、中小企業を同族経営している方々は必要性を感じていませんし、著名な経営者・経営学教授などの本でもそんなもの何の役にも立たない、という方もいます。色んな考えがあります。

でも、ボク個人は、自分が、自分の会社で仲間と共に日々、道を歩む時間のために、あるいはサラリーマンとして勤務する会社での時間のために、自分と仲間が共に、自主性と熱意を自発的に持って、充実し、有意義に、人間として成長し、そして楽しく過ごすために、どうしても必要にしてしまいます。

創業したり、数十名単位の小さな会社を経営してきたからかもしれません。大企業サラリーマンで終わっていたら、要らないと思っていたかも。


2.最近、みんな大好き「コミットメント」のためには「ビジョン」は大切では?


ところで、最近、もうここ10、20年ぐらいかしら、「コミットメント」がみんな大好きですね。あっちこっちで「コミットメント」。英語というのかカタカナというのか、横文字好き。

背景はこんなかと。会社なるものは、今まで、「追従」「従属関係」「主従関係」を社員に求めていた。人口が増え、市場が勝手に拡大するから、社長が何をどう指示しても一定は儲かった。だけど、今は市場の成長は停止。デジタル進化は凄まじく、低資本で日本でも海外でも競争相手がにょきにょき。社長だけの知力あるいは気合いだけでは会社の数値が成長しないとわかる。それに奴隷的関係は現代の社会性にも背き、すぐにSNSで批判が拡散。デジタル技術・活用に詳しい若者も集まらない。だから、1人1人のチカラを活用しないと、となる。でも、奴隷はダメだけど、自由だけでは「いけない」気がして、妥協として「コミットメントだぁ!」となる。

つまり、社員が、上に「追従」するのではなくて、内発的に自発的にクリエイティブに発想して思考・行動して、責任持って、自分事として「実現」してね、ってこと。

ルールを守り、やるべきことをやり、指示にも従い、そして期待以上のことをする「良き兵士」ではなく、ルールを破って、新しい構図を生み出し、大事のために小事は時に脇に押しやっても良い、自ら提案し責任感強く突き進んでね、ってこと。

こんな「コミットメント」なるものを実現したいなら、当然に「ビジョン」が必要になってしまう。共感する、自主的になれる、自分事になれる未来像がないと、コミットメントは無理ですものね。


3.「ビジョン」に共感できないと「コミットメント」は単なる押し付け・責任転嫁


でも、これだけ聞くと、単なる押し付けでは? 単なる責任転嫁では? なんかとても拒否したくなります。

で、なぜ、拒否したくなるかというと、そこにビジョンが無いからだと思うのです。ビジョンが無いと押し付け、になる。だから反発したくなる。無理難題・責任を下に押し付けんなよー、明確に指示してくれよー、そしたら動くからさぁ、となる。

ビジョンなしでコミットメントを要求する本末転倒が原因(もちろん、”それだけ”、ではないのですが、重要な一因)。

ということで、皆が「コミットメント、コミットメント、コミットメント」と騒いでいるのは、それは、まだコミットメントがない、からであり、それはビジョンがないから、なんて整理します。

「みんな、コミットメントをよろしくね! ビジョン・ステートメント作ったからね。あ、でも、どんな表現だっけ。どこにしまったっけ。探しておくね」って現実・・・


4.こんな「ビジョン」が良いと思うのです


コミットメントを本当に求めるならビジョンは必須です。会社でも事業部でもその下の組織単位でもいいのです。とにかく必要。

では、どんなビジョンがいいのかな。ちょっとした条件はありそう。わかりやすい例で言うとこんな風に思うのです。

1.「甲子園をめざそう!」
野球少年はみな甲子園に行きたい。でも「目指す」のは高校の野球部なら誰もが目指すし、具体性がない。自分達も家族も周囲の助けてくれる人達の心に共感を起こせない・動かせない。

一定の具体性は欲しい

2.「甲子園で1勝する」
これはより具体的。「甲子園で5対2で1勝しよう」なんて具体性はいらない。でも、なんか目標的。

具体性と拡がりが欲しい

3.「甲子園で1勝。日本に勇気を与える。弱小でも為せば成るで魅せる」
広がりがでた。具体的でもあり広がりもある。悩むひと、負けぐせがあるひと、いじめられているひと、自分に自信がないひとへのメッセージだよ!って。これに更に自分達らしい他とは違うユニーク性がもう少しエッセンスされるとより良い。

他とは違う自分達らしいユニーク性が欲しい

4.「甲子園で1勝。日本に勇気を与える。弱小でも為せば成るで魅せる。1人1人の得意を伸ばし!欠点なんて目もくれず!強くなる!」
ビジョンに、戦術的/行動指針的/社風的な要素が含まれたとも言えますが、過程も入れることでユニーク性が増したように感じ、共感が増さないでしょうか。

ま、結局は何でもいいのです。どんな言葉・表現でも。短くても、長くても。ビジョン、ミッション、バリュー、フィロソフィー、パーパスなんて横文字やその区別がわかりにくい定義など気にせず、自分”達”が本心で心躍るなら、信じられるなら、目指したくなるなら、共感するなら、それを目指した日々の思考・行動にコミットメントできるなら。

そうなると、自然に周囲も巻き込んで強いモメンタムになるのです。ってカタカナ使ってしまった。自主性・熱意で、”勢い”になるのです!あとは戦術、計画、リーダーの日々のコミュニケーション。弱小でも得意を伸ばすとなぜ勝てるのか!これの説明力・説得力がキモ。

そう思うのでした。

読んで頂きましてありがとうございます。
(v8_86)


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