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採用時の性格/適正/タイプ別心理テスト。意味が無い?

性格判断テスト。皆さまは信じますか? あるいは、人間をタイプ別に分けるテスト、職業/業種の適正テストなどもあります。信じますか? ま、楽しいのは確かですね。酒の肴にはなります。合コンでの血液型の話のように???ボクもスキではあります。

が、ボクはこれらを信じていないのです。でも、スキですし、本当は信じたいのです。

例えば、タイプ別に分ける場合であれば、80億人ほどの人類を例えば4やら8やら16分類などの区別に分けましょう。そして、そのタイプごとに合わせたコミュニケーションしましょう。そうすると円滑に自分の望む結果が得られます、ということかと思います。効率・効果的。だから、本当は信じてたいのです。

でも、ボクには、日々の人生で相手の性格、適正、人間タイプを、即座に、あるいは長く接していても、判断するスキルが無いのです。そして、仮に読み解けたとして、次にどう自分はアクションすべきかも、わからないのです。

過去の研修、OJTで試みたのですがダメなのです。ボクの出来が悪いのか。。。自分自身のタイプも納得できないし、テストのたびにころころ変わりえるし、対峙した相手を読み解くのも、できないのです。だから、諦めてしまった。。。

この「タイプに分ける」件を学ぶ努力を諦めただけでなく、性格判断も、適正テストも同じく努力を諦めました。上記で信じなていないと書きましたが、正確には、努力を諦めた、ということかもしれません。

で、どうして諦めたのかの紹介が以下です。諦めても別に人生で、会社生活で、仲間とのコミュニケーションで支障ないよ、という紹介もかねてです。

諦めさせた経験1:
心理学や社会学、経済学などの本を読むと、「逆」を伝える社会実験の話も多々でてくるのです。例えば:

複数の人に、同じ性格判断テストをさせ、それぞれの結果が出たのですが、それにもかかわらず、全員に同じ内容が記述された評価レポートを見せると、みんなが納得する、そうなんだよなぁー、私ってこうなんだよなぁー、って。つまり、みんな色んな性格を持っていて、時と場合により、外部要因や自身のその時の気持ちによって、どれかが表出するだけ、とも思えるのです。

つまり、会社という場面でテストを受けさせられたら、会社という不都合な環境で仮面をかぶっている状態での性格が表出し、その人の実体ではない可能性があると思うのです。で、時に職場でもリラックスするとついうっかり現れるのです、本当の性格が。あれ、こっちが本当なのかも。。。

諦めさせた経験2:
過去に左脳・右脳のテストをさせられた。ボクは右脳派と出た。経営コンサルをしている時代だった。一方で、ブランドコンサル(経営はArtだ、と主張する会社で)をしている時代には左脳派と変わった。2年ぐらいの時間差での出来事です。

これは単なる天邪鬼かもですが、ロジカルばかりを言う世界では、えーーー、感情だって大切だ!と志向することに価値があると思うし、逆に、ロジカルでひとは動かない、EQこそが大切だと言う世界では、えーーー、ロジカルじゃなくてビジネスで生き抜けるわけないじゃん、と志向することに価値があると思っていたからだと思うのです。

つまり、テスト結果は簡単に変わりえるかなって。

諦めさせた経験3:
それに、Aさんが右脳派で、Bさんが左脳派との結果が出ても、右か左かはその個人の中での相対論であり、右脳のチカラも、左脳のチカラも、両方ともAさんが優れているということもある。

つまり、一人の人間としての自分の心の中での性格・適正・タイプであって、世の中のひとと比べると、実はそうとも言えない、かなと。

飲み会で、ボクのことを「B型でしょー!?」と言われることもあるし、「完全にA型ですね」、と言われることもあります。相手の性格との比較論だから、どうにでも変わるのです。

それに、ボクは自分は一定のロジカルな性格があると思っているから、多くの人が感情的に見えます。一方で、ボクは自分はとても感情的だとも思っているので、多くのひとがドライにも見えます。つまり、もはや、意味不明です。

諦めさせた経験4:
過去にボクが勤めたある会社では、採用可否に適正テストが必須でした。で、その目的は、人事部いわく「迷った時の参考にしてみて。テストをやること自体に損はないでしょ。1件あたり数千円だしね」、とのこと。

で、この会社には、面接・採用ルールが無いのです。つまり、面接官の個人の判断基準(=面接官個人の勘にゆだねる)でゆだねられていたのです。だから、適正テストをやっても、その「結果」に利用価値は無いのです。

だって、テスト結果を見るひとが(=面接官が)すぐにでも誰かを採用したい、猫の手も借りたい状況なら、適切テストの結果を肯定的に読むでしょうし、あるいは、女性を採用したいと心の中で思っていて、男性が来たなら、否定的に読むでしょうし、あるいは、数日前にボーナスをたくさんもらえて、宝くじも当たって、彼女もできた直後の面接官なら、心が広くなり、どんな候補者のテスト結果も肯定的に見る、からです。

つまり、性格/適正/タイプテストの結果を、どのように判断するかは、判断する側の気分に左右されるのです。テスト結果の判断ルールがその会社明確で無いならば、実施する意味は無いと思うのです。

ルールが明確という意味は、例えば、テスト結果が7点以上でないと絶対に合格させない、とか、積極性・チャレンジ精神の項目が8点以上は必須、7点未満は採用しない、とか、3人が個別に、事前の情報交換無しで、面接し、それぞれの持ち点を10点として、それに性格・適正テストの総合点数(10点満点)を足して、32点以上は採用する、などです。明確な忖度なきルールが必要です。

諦めさせた経験5:
上記のような明確な採用・面接ルールがあるなら意味はありますが、そのルール自体がそもそも自社に合った正しい人を採用するうえで意味があるかと問われると、それはまた別問題なのです。

つまり、採用・面接って組織にとってのとても重要なのです。「結局、組織はひとだ!」なんて皆が言うほどに大切なのです。でも、多くの会社で採用・面接はテキトーになっています。適正テストなどをして決めればよい話ではないのです。「正しい」面接方法があるのです。

複数の面接官が、個別で、情報交換無く面接する、とか、
面接官が知っている社内のモデル人員との比較で採点する、とか、
外見に左右されずに面接する、とか、
実績のみならず、将来を問う質問をする、とか、
氷を3分握らせて、どういう反応をするか、とか。。。

最後に、ビジネス界ではある程度有名?な「ビジョナリー・カンパニー②飛躍の法則」(ジェームズ・コリンズ著、日経BP社)の言葉を紹介。

「だれをバスに乗せるか」

これが企業を成長させる・飛躍させるうえで最重要、とのこと。そりゃそうですね。だから、正しい採用・面接方法を実施したいですね。性格、適正テストに頼らずに、あるいは面接官個人の勘判断に頼らずに。

職場を良質にするコンセプトv6_27
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。



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