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将来を思うと不安ばかり。あくせく働くしかない。でもコレでイイんだと思えた


生きるって「不安」がいっぱい。将来どうなるんだろう。どうにかなるさ、と口では言うけど、やっぱり「不安」。

今の生活レベルは落としたくない。所有しているものは失いたくない。子供がいないから将来を頼れない、退職金も無い、給料もあがらない、貯金もわずか。年金も期待できない。両親に甘える選択肢もあるけど、いずれ両親の面倒を見るのが自分になるなら、両親の蓄えを自分がいま使ったら、将来の自分にツケを回すことになる。。。

ひとは、将来を想像できる。動物はちょっと先までは予測する。だからエサを捕れる。危険を回避できる。移動できる。でも、そんな程度。

就職できなかったらどうしよう、会社が潰れたらどうしよう、自分のスキルが時代遅れになったらどうしよう、給料がさがったらどうしよう、事業が失敗したらどうしよう、地震が来たらどうしよう。

動物はこんな先の心配はしない。人間は将来を考えられるからこそ、「不安」がいっぱい。

人間の認知的能力はすさまじく進化し、学習している。万能のチカラを所有し、もはや神をも超えている、と表現する科学者もいる。この将来を思えるチカラが、人間を、科学的に、技術的に進歩させた。

その見返りが「不安」。

そして、現代社会の「自由」がこの「不安」に拍車をかける。
人間は、個人は、「自由」であるべきという”正しい”思想が生まれ、今や当たり前。「自由」に将来を選べるのはありがたいが、責任は自分。

そして、「自由」に選べると言っても選択肢が、ショートか、トールか、グランデの3種類ぐらいなら問題ない。適度にばらけ、前例がたくさん。農民か、武士か、商人か、みたいな。ところが現代はそうではない。

様々な道が複雑に絡み合い、選択肢が”無数”過ぎるほどに”無数”。技術進歩が凄まじく、社会の変化が目まぐるしく、新しい仕事が生み出される。前例のない社会・前例のない生き方、様々なパターンの生き方がある。参考にできる前例・凡例・モデルケースがない(少ない)。

これが自分の将来を益々「不安」にさせる。あの人を真似すれば、このレベルの人生は送れるのね、と思える事例がない。経済が30年成長していない日本の状況も拍車をかける。

同じ大学・学部を同じ年に卒業し、サラリーマンとしてひとつの一部上場の大企業で25年過ごす友達2人。2人の違いは勤める業界・会社が違うだけ。1人は年収2000万円を超え、1人は年収600万円。身近で見てきたからわかる、ひととしての差はない。例えば、低い方は英語をはじめ3カ国語をしゃべる。大学院も出ている。単に会社が違うだけだ。。。不安を凌駕した1人と、不安が残るもう1人。大企業だから「不安」が無いとは一概には言えない。。。

結局、あくせく働くしかない。「自由」に職業は選べるし、自分の夢を追ってもいいけど、責任は自分。安定とは無関係。「不安」は助長される。「孤独」でもある。自分で決めないといけない。誰も責任はとってくれない。「自由」だけど「不安」と「孤独」と隣り合わせ。だから仕事に駆り立てられる。あくせく、あくせく、するしかない。動いてないとますます不安。

不労所得をうまく稼ぎ、生活費の安い東南アジアに引っ越した友人がいる。先祖からの莫大な資産を幸運にも引き継ぎ、「不安」無く人生を謳歌する友人もいる。が、一握り。不労所得を目指すことが強制されてたら違う道だったかもしれないが、「自由」があるからこそ、好きになってしまった給料の低い、廃れてしまいそうな仕事を選んでしまった。そんな友人もいる。

結婚して「不安」と「不安」が足される。頼りあう相手を得て「不安」を多少解消しようと試みる。しかし、あれれ、もっと「不安」が増えちゃった、なんてケースもある。。。

「不安」を作り出す、将来を考えられるという脳の機能をどうにかしてー。

でも、行き着く先が「ソーマ」(オルダス・ハクスリー著「すばらしい新世界」で登場する合法ドラッグ。不安を無くしてくれて気持ち良くなる)だと、本当は幸せなんだろうけど、なんだか許してはいけないと思う。なんでそう思うかは自分でもわからない。。。

子供は母親からではなく、人工授精によって瓶から生まれる~ので親子関係なるものは社会に存在しない。結婚制度もないから夫婦関係もなく、~家族という概念もない。特定の恋人と長くつきあうことは不適切な関係とされるから、みんな複数の異性とカジュアルに交際している。~娯楽産業は大いに繁栄する一方、シリアスな文学や芸術は社会から排除され、哲学も宗教も存在しない。~、60歳で安楽にぽっくり死ぬまで、セックスとスポーツを楽しみながら健康で幸せな毎日が送れる(万一、なにか不愉快な目に遭ったときは、ソーマの力を借りて桃源郷に遊び、ストレスを発散できる)

「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスリー著。大森 望訳、早川書房)の訳者あとがき

こんな社会は超幸せ? うーん、違う気がする。。。ということは、「不安」を抱え、「孤独」を思いながら、あくせくあくせく働くのが現代の人生なんだ、と思って納得。ボクは、いいや、不安いっぱいで。将来どうなるかわからなくても、いいや。今、あくせくあくせくで満足。

こういう意味でも「ディストピア」を読むのはありですね。うん、本は素敵だ。。。むむむ、実は、あくせく働け!っていう裏の主張があったり???


(読んで頂きありがとうございます。
(最近出会った素敵な気づきフレーズv7_47)


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