経営はやさしくても、非情でも成功する。徹する限り。どっちに徹したい?
社員を大切にしたら20年以上、連続して黒字ですよ、とか、敵をつくらないという意味での無敵になる経営をめざそう、社員を大切にして経営しようね、とか、そういう主旨の本がある。やさしさ経営での成功体験がある。
社員を大切に、信頼し、感謝する。だから、自発的に当事者意識を持って動いてくれる。指示待ちではなくて、現場、現場で最良を思考して、行動してくれる。失敗があっても、やさしく許容し、次の挑戦に促すから、失敗を恐れず行動できる。結果はいずれついてくる。そういうロジック。
「サーバント・リーダーシップ」なんて考え方もあります。リーダーは社員に奉仕しないとダメだよ、ってこと。もう50年ほど前から提唱されてきた考え方です。最近でも時々、言及されますね。
一方で、経営者は非情でないとダメ、という主張もあります。動物である人間としての個々の本能・人格が織り成す複雑な利害関係が組織というものだから、個々の欲望を抑え、組織全体として進むべき道に行くには、確固たる決意・非情が必要だ、みたいな。
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さて、この両極端、企業の業績を上げる、売上・利益・利益率を成長させる、という意味では。どちらでもいいのです。どちらでも可能なのです。リーダーご本人がどっちでありたかいか、それだけの問題。
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非情であっても社員は来ます。社員も色んな人がいるのです。非情な組織で数年学んでみようというひともいるでしょう。血眼になり、疲弊しながら、でも給料は高いし、辛さに勝つ精神を養おう、みたいな。あるいは自分で考えるのはウザいので、指示命令してください。従いますから、そんなキャラもいる。離職率は高く、勤続年数は低く、新陳代謝は激しいが、それが偶発的な強さにもなりえる。個人が変わっても、誰かが来るならば、会社は回りますしね。
ということで、指示命令が明確で、怖い、からみな行動する。乱れなく。結果、業績は付いてくる。
一方、リーダーがやさしさに徹しても、企業の業績を上げ、売上・利益・利益率を成長させることはできます。でも、やさしいからと言って、社員が嘘を言っても許されたり、法律違反がOKだったり、仕事しないで寝ていても給料がもらえるという非常識なカオスではないですね。
やさしさの本質は、指示命令・強制ではなくて、自発的・自立的・自走的に、当事者意識で行動し、クリエイティビティを自由に発揮し、その結果の失敗・ミスが許容され、次の挑戦が笑顔で促される、鼓舞される、という意味です。だから、数値結果はどこかでついてきます。
なので、どちらも答えですね。
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でも、どちらかに徹しないとダメです。付和雷同、八方美人、優柔不断、不平等、異常な朝令暮改はダメ。社員が混乱し、行動できなくなっちゃう。
非情なら非情に徹する。指示命令には完璧に従え、従わないなら辞めろ。従わないで他のことをしたら許さない。従ったけどミスしても許さない。でも、従って完璧にこなしたら高評価だ!好待遇する。まるでどこかの中古車販売会社だけど。。。
やさしいなら、やさしさを貫く。ある挑戦による失敗は寛容に許容し、違う失敗は叱責し、給料さげる、などはダメ。
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でも、だいたい「やさしさリーダーシップ」に挑戦するひとは、途中で頓挫しちゃう。だって、非情に徹するより難易度が高いからだ。高尚な人格、精神力、知性が求められるのですから。
非情は、うまくいったらニコニコして、失敗やら何か想定外のミス、イライラすることが起きたら、そのまま怒鳴り散らしたら良い、とも言える。人間としてナチュラルにしたいこと。我慢せずに、自分のストレスを社員にぶつけていいなんて、気持ち良い!もの。権力ってステキ! 社員は怒られないように言われたことを粛々とやる。できれば褒められる。M的だが、ボクは吐き気がするが、統率はされている。これを心地良く思う人も確かにいる。
やさしいリーダーの方が知的レベル・人間性が高い、と思う。それをリーダー本人が目指したいと思うかはひとそれぞれだけど。。。
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大愚和尚がステキなことを言っていた。
本当、その通り。徹しないとダメ。やさしさに。そして、何でも許すがやさしさではないし、任せっきりで無関心に指導しないこともやさしさではない。社員の悩みに傾聴せず、さっさと気にするなと笑顔で答え対面しないこともやさしさではない。自分が怒鳴りたくなったらこの件は怒鳴ってもいいだろう、相手のためだ、これはやさしさだと、ストレス発散するのも、ぜんぜんやさしさではない。
やさしさ、やさしいリーダーシップ、自分らしく定義して貫く。人生挑戦なのだから、簡単にできる非情なリーダーシップではなくて、やさしさに徹するリーダーシップを、リーダーならば選択して欲しい、かな。。。
読んで頂きましてありがとうございます。
(v8_9)
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