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全ての健康に関係するマイクロバイオームを知ってますか?

こんにちは!body∞infinity(@body8infinity)の宮邉です。

今回はあまり聞きなじみのない言葉”マイクロバイオーム”についていくつかの文献から情報をまとめて書いていきます。

自身の健康に気を付けておきたい方はもちろん、健康に関するお仕事に携わっている方や医療者の方も知っておくと役立つかと思いますので、是非見ていってください。

それでは、いきましょう!

【今回のポイント】

①マイクロバイオームとは細菌叢のことである

②様々な病気や健康に関する研究が進み、マイクロバイオームの重要性が説かれている

③マイクロバイオームは内因性と外因性の影響を受けると言われており、中でも比較的実行しやすい食事に関しての研究が進められている。

【マイクロバイオームとは】

 マイクロバイオームって何でしょう?答えを先に言っちゃうとマイクロバイオームとは細菌叢のことです。因みにですが、われわれ人間に存在するマイクロバイオームの事をヒトマイクロバイオームと呼んでいます。

細菌叢(フローラ)とは
人間の体には多種多様な細菌が生息しています。 たくさんの細菌が住んでいる様子が「お花畑([英]flora)」に見えることから名づけられました。例えば、腸内に生息する細菌叢(さいきんそう)は「腸内フローラ」と呼ばれています。 腸内フローラの種類は1000種類以上、その数は約100兆個とも言われています。

最近ではマイクロバイオームと病気に関する関係を調べた研究がどんどん進んでいて、マイクロバイオームと関係されているであろう病気や健康に関する研究が数多く発表されています。

例えば、

〇慢性腰痛
〇冠状動脈疾患などの心疾患
〇がん
〇関節リウマチなどの自己免疫疾患
〇皮膚疾患

その他にも健康との関連として

〇老化
〇肥満
〇生活習慣病

などの研究も進められています。

【マイクロバイオームが注目されている理由】

 なぜ、このマイクロバイオームが注目されているのかというと、2010年にアッカーマンという欧州の研究者によって、ヒトの消化器に1000種以上、330万個の微生物の遺伝子の数があることが判明しました

これはヒトゲノムの遺伝子2万5千の約150倍の数があるとして科学者たちから注目を受けたんです。

更に、人類のDNAは99.9%が同じと言われているのですが、ヒトマイクロバイオームに関しては構成が同じ人はいない事も面白いなと感じました。

何が面白いかというと、遺伝的要素の強い病気(例えば糖尿病など)がありまよね?

これらは遺伝的要素が強いので「親族に糖尿病が多い家系であれば、自分もいずれは糖尿病になってしまう」となるのですが、マイクロバイオームは同じ構成の人がいない事を考えると

遺伝的要素の強い疾患でもマイクロバイオームを整える事で病気を発症するリスクを減らせる可能性が考えられます。

マイクロバイオームの多様性は社会的問題として考えられてまして、個々の病気や健康の状態が多岐にわたっているのもここに関係しているのではないかと言われているんです。

マイクロバイオームは内因性の影響(ストレスなど)や外因性の影響(食事や服薬)を受けるため一部は自分でもコントロールが可能です。

この中でも特に食事に関しては比較的安価で実行しやすいことから、食事と腸内細菌叢(腸内マイクロバイオーム)の関係性や病気に関する研究が進められています。

確かによく健康に気を付けている人は腸内環境を整える事を徹底して食事療法を行っているなど番組で放送されたり、R-1などのヨーグルトを食べる事で風邪を引きにくくなるなど今までも耳にしたことはあるな~と思います。

過去の記事でも腸内環境と免疫について書いた記事があります。
こちらでは具体的な腸内環境の整え方など解説していますので、良ければ是非。

<過去記事を貼る>

次回にはこの食事ついてマイクロバイオームに関する記事を書いていきたいと思います。

【まとめ】

 さて、今回はマイクロバイオームという中々普段の生活では聞かれないものについて書いてきました。

なんにせよ、まだまだ研究途中の分野ではあるので「こうした方がいい!」なんて事は言えません。現に病気とマイクロバイオームの関係(マイクロバイオームが病気の原因や結果である事)を誇張しすぎているというレビューがあるのも事実です。

しかし、食事に気を付ける事は古来より健康につながる事は言われていますし、”風邪を引きやすい人”や”家族に特定の疾患にかかっている人が多く自分も不安だという人”は一度腸内細菌を整える事を考えてみても良いのではないか。と個人的には考えています。

それでは、また次回!

※記事に対しての質問や、健康に対する悩みや書いてほしい内容があれば下記のメールアドレスまでお願いします。

body8infinity@gmail.com

【参考文献】

1)M Hasan Mohajeri et al. The role of the microbiome for human health: from basic science to clinical applications. Eur J Nutr.2018 May;57(Suppl 1):1-14. doi: 10.1007/s00394-018-1703-4.

2)Nuria Salazar et al. Microbiome: Effects of Ageing and Diet. Curr Issues Mol Biol. 2020;36:33-62. doi: 10.21775/cimb.036.033. Epub 2019 Sep 27.

3)F De Luca , Y Shoenfeld. The microbiome in autoimmune diseases.Clin Exp Immunol. 2019 Jan;195(1):74-85. doi: 10.1111/cei.13158.

4)Jens Walter et al. Establishing or Exaggerating Causality for the Gut Microbiome: Lessons from Human Microbiota-Associated Rodents. Cell
. 2020 Jan 23;180(2):221-232. doi: 10.1016/j.cell.2019.12.025.

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