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愛にできることはまだあるかい【はすぬま温泉@蒲田駅/蓮沼駅】

 僕は毎朝、iPhoneに「Hey Siri, 今日の天気は?」と声をかける習慣が身についている。そのSiriの回答によって、自宅で仕事をするか近所のカフェや図書館まで行くか、洗濯物をベランダに干すかサウナに行くか等々、その日の予定の最終判断をしているのだ。

 そんな今日、11月7日(土)は鎌倉まで小旅行に出かける予定を組んでいた。僕は一年に一度、突発的に鎌倉に訪れたくなる時があり、それがたまたま今日だった。
 ただ、サウナの魅力を知ってからの僕は今までとは違う。自宅から鎌倉方面への路線図を見た時に、「これはもしや……」と、あることを企てたのである。
 ちなみに、Siriによると天気は晴れ時々曇りの予報。僕は晴れ男なのか、外出する予定を立てると高確率で晴れる。

 鎌倉駅に到着したのは10時半頃。軽く散策をして、Go To Eatキャンペーンを利用して予約した「焼肉かまくら本店」さんへと向かう。

 初めての無煙ロースター(※水が通っている金属のパイプの上にお肉を置いてパイプの下から発せられる遠赤外線で食材に火を通す装置)に感動し、鶴岡八幡宮や銭洗弁財天などメジャーなスポットを一通り巡って鎌倉を満喫した僕は、電車に乗り込み横浜駅で京浜東北線に乗り換えて蒲田駅へと向かった。

 ちなみに京浜東北線の”駅ナンバリング”は「JK」らしく、蒲田駅のナンバーは「17」、要するに京浜東北線蒲田駅は「JK17」となるそうだ。他意は無い。​

 さて、15時過ぎに蒲田駅に到着した僕は、さっそく徒歩で次の目的地を目指した。すると、駅から10分ほど歩いた住宅街の一角に、旅館のような佇まいの和モダンな建築物が現れた。

 そう、それこそ今日の主役「はすぬま温泉」である。

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 今まで僕にとって蒲田と言えば、世界初の黒湯炭酸泉を味わうことができる銭湯「改正湯」さんでリフレッシュしてから濃厚of濃厚にぼしつけ麺「宮元」さんで優勝するコースが数年前からの鉄板だったし、他の温浴施設についてはそもそも調べたことすらなかったけれど、はすぬま温泉さんの公式Twitterアカウントをたまたまフォローさせていただいたことがきっかけで伺ってみることにしたのである。

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 はすぬま温泉さんに到着したのは15時半頃。徐々に雲が出始めていたものの、すぐに雨が降る気配はない。
 店舗の前では20代後半と思われる数人の男性客が建物の外観を撮影しており、人気の高さがうかがえた。きっとその写真を僕と同じようにSNSにアップするのだろう。
 彼らの後に続いてのれんをくぐり、ありがたく下駄箱の「37」の札をいただく。

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 さっそく奥へと進んでみると、2017年にリニューアルされたということだけあって、外観だけでなく内観も清潔感がありおしゃれな雰囲気だった。

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(大田浴場連合会 https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-448 )

 受付でサウナを利用したい旨を伝えると、「これでちょうど一杯になりました」とのこと。人数制限ギリギリに滑り込むことができたようだ。お会計を済ませてタオルとサウナマット、そしてサウナ室の鍵を受け取り脱衣所に進むと、それなりに混雑している様子。やはり人気なのだ。

 服を脱いで浴室に入ると、脱衣所をさらに上回る混雑ぶり。このご時世、ここまで盛り上がっている銭湯は珍しい。そしてなにより、道後温泉をイメージしたという荘厳で重厚感のある内装が目を引いた。

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※写真は女性側
(大田浴場連合会 https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-448 )

 お客さんの年齢層は比較的高め。古くから通っているであろうご高齢の方々の比率が6〜7割ほどを占めていた。こういった、地元の常連の方々が通ってくれているおかげで、この魅力的な銭湯の経営が維持できているのであろう。そして、そのように地域住民から愛される店舗を創り上げている企業努力にも感心である。

 さっそく体を清めて、まずは温泉に浸かってみる。少し熱めのお湯は刺激的だったが、肌触りはやわらかい。ほどほどに体を温められたタイミングでサウナに向かう。
 鍵をひっかけてドアを開けると、最大で8〜9人ほどが入れる2段構成のドライサウナが待ち構えていた。2名ほど先客がいたが、上段が空いていたので失礼して腰をかける。温度を確かめると84℃。サウナ自体に個性や特徴があるわけではないものの、コンパクトながら必要な機能を凝縮させた設計で、しかも賑やかなお風呂場と比べて非常に静か。あまりの居心地の良さと安心感に、ついつい時間を忘れてしまう空間だった。

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※写真は女性側
(大田浴場連合会 http://ota1010.com/explore/%E3%81%AF%E3%81%99%E3%81%AC%E3%81%BE%E6%B8%A9%E6%B3%89/ ) 

 ヒーターの熱で10分ほど蒸されると、呼吸が徐々に荒れてきた。サウナ室を出て、すぐそばに設置されているシャワーで汗を流してから水風呂に入ってみる。ちなみに、なんとこの水風呂も温泉、しかも源泉掛け流しなのだ。

 温度計を確認すると24℃を指しており、15〜18℃程度の水風呂に慣れている僕としてはやや高めの設定。とはいえ、源泉掛け流しは侮れない。とにかく水質が良いし、そもそもサウナ利用客数自体が制限されているから結果的に水風呂も空いていて快適だった。
 さらに、浴槽の縁に頭を乗せると、正面の壁に大きく描かれた大迫力のタイル絵に心を奪われ、いつしか全身の力が抜けて意識もふわふわと浮遊していくのだった。徐々に呼吸が落ち着いてくる。

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(LINEトラベルjp 旅行ガイド:https://www.travel.co.jp/guide/article/35607/)

 その状態で、ほかのお客さんの邪魔にならないように浴室の隅にある風呂椅子に座り、壁にもたれかかって目を閉じ深呼吸。心がととのうサウナ、それが「はすぬま温泉」なのかもしれない。

 そういえば、ふと気付いたことがある。明らかに浴場全体の混雑が入店時よりも緩和されていたのだ。その理由を少しだけ考えてみた。
 あくまで仮説だが、15時オープンのタイミングで銭湯組の第一陣が駆け込んでくるので15時00分〜15時50分頃までは混雑して、それから一旦は落ち着くのではないか。もしかしたら、銭湯における混雑緩和タイムは開店から50分程度が経過した頃なのではないだろうか。

 実際、それから周囲の様子を窺っていると、16時20分頃から再び混雑し始めた。おそらく、開店後1時間程度が経過したタイミングで第二陣が集まり始めたのだろう。この仮説はどこかで検証してみる価値があるかもしれない。

 結局この日は4セットいただいたのだが、ほとんどのお客さんは銭湯のみの利用だったので、浴場全体は混雑していたもののサウナ室の中が混み合うことはなかった。17時ごろまで滞在させていただいたが、サウナをメインにすると結果的に快適な時間を過ごすことができたのだった。

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 この時間帯、外はすっかりと暗くなっていた。そして雨は降っていないものの、道路が濡れている。どうやら、僕が入浴中にちょうど雨雲が通り過ぎたようだった。

 天気をコントロールできるのは天野陽菜くらいしかいない。ただ、この日は常連の方々の愛によって僕の”晴れ舞台”がととのえられたようだ。

(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/channel/UCOXI5aYTX7BiSlTt3Z9Y0aQ


①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます