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ゴールデンウィーク3日間を使って世界標準の経営理論の本を読み切って知った理論の軸の使い方

久しぶりに重厚な小説を読み切ったときのような読書体験を得た。

世界標準の経営理論は全てのビジネス書を網羅する

世界標準の経営理論なる本である。本書は全てのビジネス書を駆逐するといっても過言ではない約800ページの情報量ある構成となるが、とにかく読みやすい。

その読みやすさを後押しするのは、本書の巧みな構成に加えて読者がビジネス書なりで何かしら勉強していればいるほどフックとなってひっかかり理解を深める箇所が多いところにつきる。

PDCAというキーワードやMBAに登場するフレームワークに論理思考といった視点を元にビジネス書で個別に学習してきた人には特になるほどと頭に入りやすい。また、心理学・社会学・経済学の本を何かしら手に取っている人にもすんなりと頭に入る作りだ。SECIモデルや心理学視点から見た近年の採用方式など部分的に書籍として登場しているもの点通しが線となってつながり理解を深めてくれる。

なにせ、経営学の理論は様々な学問を参考に前提を定義して理論を発展してきた歴史があるからだ。その歴史まるごと本書では学ぶことができる。

あくまで理論は理論だがその理論を知りたかった

包括できる理由はただ一つ。理論を説明しているからである。

個々に勉強したことを個々に活用するということを仕事のように仲間と共に何かを作り上げるということをするにあたって、いろんな問題にぶち当たる。その解決方法を例えば有名な経営者の言葉から学ぶとか、心理学の視点から人間関係を考えるとかそういう学びを得たい人がビジネス書を手に取り学び、活用しようとしてくだろう。

だが、なぜそうするのか。その方法でうまくいくのかに答えてくれるものは少なかったように思う。うまくいくかどうか仮説と検証を繰り返すのみだったはずだ。

そこで本書は思考の軸となる理論を解説するという作りなのである。

経営学の理論を学びビジネスパーソンも向けの思考の軸を提供する本

経営学は既存の学問を使った統合的な側面があるところを知ることができる。博士論文を主体とした生き残ってきた理論を体系的に学べることはこれ一冊でスタート地点はよいと思わせる力がある。

今まで個別に学んできた分野が統合され違った視点で戦略が立てられそうでこの書を読んだあとに触れる世界が楽しみでならない。
自分で考えるための軸となるWhyの術を得たい人にはもってこいだ。

理論の軸の使い方

本書を読み終えればあとは実践である。その実践を経営に活かす場合は、個別の章立てから実際にこれからチャレンジする対象にあわせて理論を使うだけである。ただ答えがある理論を当てはめればいいというわけではなく、理論をベースに思考を巡らせるということができるということだ。

その軸を本書でお借りすることができる。実践において、博士論文をベースとした現在科学的にそうであると理論化されたものを参考にすることほど心強いものはない。再現性のある可能性を人にも説明することができるからだ。

今まで読んだ社会学・心理学・経済学系で良かった本

私は個別に様々な学問で科学的に提示されてきた事例の本をアップデートしながら読んでいたので、本書の納得感は高かった。

本書からスタートした人は以下で紹介する本を読むとより深く知ることができて楽しいと思うのでオススメしたい。

有名な作品。今回紹介した本内でも紹介している下巻は読まなくても大丈夫。上巻だけで十分。人間の持つバイアスについて考えるきっかけになる。

より具体的にはこちらの犯罪心理学の視点からバイアスの妙を発見することができ、さらに流行のファクトフルネスでデータドリブンの時代の到来を知ることになるだろう。バイアスとうまく付き合うしかないのだ。

個人的なオススメはこの二冊。

心理学の視点はこれぐらいで、社会学の視点だと近年のソーシャルネットワークの効果を示す視点の書籍がおもしろい。

経営という視点だと本書を読んだあとだとこちらの書が独占・寡占の意味がよくわかる。今の時代を表しているのでプラットフォームを得る力の大きき差を実感しながら読めるはずだ。

経済学だと本格的なマクロ・ミクロ経済学となるのでマンガ系からとりあえずケインズ。あとは経済は地政学とも関わってくると言うの近年の解釈と見るので地政学のマンガ本もよいと思う。どれも読んだことのある本を紹介する。

このあたりの学問も複合的な進化をとげるように、いろんな学問が組み合わさっているのが現代科学と考えるととてもおもしろい。今読もうとしている本がどの分野のくくりかを持つと国語算数理科社会のような網羅性の視点を持つことができたので経営学という視点は今回紹介した本を読んでおきたいし読むだけで十分だろう。あとは派生を広げるだけだ。

今回紹介した書籍の書評も機会があればnoteで語っていきたい。

このような読書体験を得たのも家に引きこもっているおかげだと考えると、状況に合わせて時間の使い方は変える必要があるなと感じた。

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