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組織フィードバックの視座がマネージメントの核心

すでに読んだことある本だったを3回繰り返していた。

フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術を読んで、なんだか読んだことあるなと思ったらすでに読んでいた。2017年6月に初めて読んで、1年半後に2回目を最近読んで3回目だと気がついた。

1,2度目はいわゆるコーチングなのかティーチングなのか論争にフィードバックも忘れずにねの視点が大事なことを知れた。3回めで気づいた点は、フィードバックは組織の問題だということ。読み直せば読み直すほど頷ける。

本書の副題に改めて目を通すと、耳の痛いこととはネガティブフィードバックも含むもの。フィードバックする立場の人は、最悪、配置転換などの人事権を執行する覚悟も必要かもしれない。

マネージメントは組織をフィードバックする視座で語る

組織の視点でわかるようになった理由はマネージメントを経験したから。視座が高くなったからだ。仕事を委譲したり育成をしたりを考えると1on1となりフィードバックの必要性が出てくる。

中間管理職の仕事の難しさは、一言で言えば、「他者を通じて物事を成し遂げなければならない(Getting things done through others)ということです。

引用:フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術
P.45

この他者を動かすのにフィードバックが欠かせない。本書P.97ではSBI(Situation、Behavior、Impact)情報の準備紹介しているが、どんな状況の振る舞い(行動)が影響を与えたかを手がかりに対話したいもの。

これがわかるようになるには場数との指摘もある。人を動かすと聞くとカーネギーを思い出すし、前回より「ヒト」の繋がりを「組織」と考えると、組織そのものを動かす視座を軸にフィードバックが必要になる。

また最近二度め(5年ぶり。名著は何度読み直してもいいと言うこと)の読み直しをしてしまったアンドリュー・S・グローブのHIGH OUTPUT MANAGEMENTより。

「マネージャーのアウトプットはその監督下または影響下にある組織のアウトプットである」
(中略)
 人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか。やろうとしないのかのいずれかである。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント
P.232

フィードバックの後は、できないのかやろうとしないのかの見極めも必要になる。そのどちらに対してもアプローチができていないときは、フィードバック側と関係性の見直しが必要になるだろう。

本書はフィードバックでタスクを促す際は、どのようにするのかの細分化にも目を配らせている。タスク習熟度にあわせた評価も行うためだ。日本語訳だが、副題も「人を育て、成果を最大にするマネジメント」とある。

つまり、組織を見るマネージメントの視座の話になる。

マネージャーは、何をすればよいのか

フィードバックに関する本を何度も手にしたのは、改めてマネージメント関連の本を読んだ時に、その引用元を含めフィードバックはネガティブフィードバックを含むことを基本とするのだなとその強調に気づいたからである。

エンジニアのためのマネジメント入門のP.39にフィードバックの話がある。その際に、冒頭で紹介した本が参照されており、SBI法の話もあった。

フィードバックには、信頼関係ファクトが必要です。信頼関係とファクトがないと、フィードバックは成り立ちません。

エンジニアのためのマネジメント入門
P.40

この実現のために、1on1の話やアクティブリスニングの話も出てくる。コンフォートゾーンからラーニングゾーンに進む細かさを知るべく本書を手に取った。行動変容を促すフィードバックに再度注目したかったのだ。

p.117ではマネージャーの視座なるタイトルもある。これも、二つ目に紹介したアンディー・S・グローブの話をベースにしている。

マネージャーには、自分の組織のアウトプットだけではなく、影響力が及ぶ隣接所組織のアウトプットを最大化することが期待されます(Grove,2017.p85)。そのためには、チームメンバーとしての視座とは別に、組織としての視座が必要です。

エンジニアのためのマネジメント入門
P.117

内向きと外向きのマネジメントを分けてと定義すると、外向きのマネジメントの組織の要がステークホルダーとなる(p.120より)。このとき役立つし実践したこととして、ステークホルダーマップの紹介があるが適切だ。

結局は視座が高いとなるには、手元には地図が必要なのだ。これが俯瞰の根拠になる。

このように本書の魅力はその引用と文献がまとまっており、委譲と委任の話は、マネージメント3.0の話にもつながる。これも人に仕事を頼むときに大事なことで、ここでも1on1やフィードバックの力が必要になるだろう。

また、戦略の話もありRBV理論やSCP理論の話もちらっと出ていたり、SECIモデルの話もあるが、こちらは世界標準の経営理論を読み直すことで復習とした。あと、組織醸成だとTeamGeekも出てきたので読み直したいところ。

フィードバックを恐れないように

また、フィードバックであれば、こちらも触れておきたい。

エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法P.46の3.1.4にフィードバックをするにはがある。関係性が大事で誠実に接するとなるのはこの一言に込められている。

フィードバックを伝える最良かつ簡潔なアドバイスは、徹底的な本音です。同じ名前の本になっています†2[Sco17]。

引用:エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法
P.46

なお、[Sco17]は訳註より、Radical Candorで和訳本もそのまんまGREAT BOSS(グレートボス): シリコンバレー式ずけずけ言う力である。やはり、言うべき時に言うという力が求められているのだ。

あと、10.4(p.188)は行動変容の話につながるダニング=クルーガー効果 とインポスター症候群の話があるので、押さえておきたい。

加えてもう一言。特に1on1の章がオススメ。以前の書籍紹介でも語ったが、今すぐやる必要性がわかる。書籍だとヤフーの1on1が有名で最近読み直したが、人にはこちらをオススメしたい。

なお、1on1の話をするとGoogleでアンドリューとなり、これもHIGH OUTPUT MANAGEMENTを参考にすると載っている。いろんなところに源流があるものだ。

組織を動かすには一人をフィードバックすること

フィードバックの必要性の旅に出たが、言いたいことを言ってくれるという状況は大事だなと感じる。私も、日々フィードバックされたりしたりを関係性をベースに丁寧にやりたい。

ただ最近あんまりマネージメントする立場じゃないので、この辺りの感覚が抜けていたので勉強しなおした。行動変容を促すことを模索しているが、一人一人じゃなくて全体から促すにはどうすればいいかと考えていた。

ただ、結局は一人一人という前提の元に組織ができていると考えるとやりようは、ステークホルダーやストラクチャ・ホールの見極めという結論に至っている。つまり、一人だ。私が一人へ提案とフィードバックをする。

ここを間違えなければ、レバレッジが効くということになるはずなので、そのポイントを見極めたいし、再びフィードバックの力が必要になると感じている。

その際にはネガティブフィードバックの出番があるはずで、上記まとめたことを頭にいれて組織の行動変容に寄与したい。


引用画像:https://www.dl.ndl.go.jp/api/iiif/1258839/R0000031/1724,714,780,1512/328,/0/default.jpg

広尾松栄堂意匠部 編『聚秀』第4巻,広尾松栄堂,昭和5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1258839/1/31 (参照 2023-08)

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