《システム論》 4-1-4-1システムについて (2)
ご覧いただきありがとうございます。前回の続きです。
⬇︎前回記事
前回は①バランス型、②技術特化型について書いたので、後半後2つの型についての説明です。
③カウンター型
これはイメージしやすいのはルイスエンリケ時代のバルセロナでしょうか。強力な3トップのMSN(メッシ、スアレス、ネイマール)を生かすためにエンリケ監督はカウンター戦術をバルサに取り入れました。
型としてはまずFWとWGに強力な突破力のある選手を置くこと、そして中盤の構成で大事なのはカウンターを下から支える機動力とボール奪取力です。
中盤はシャビをいましたが、この戦術にはラキティッチの機動力が適していたためラキティッチとシャビの序列が入れ替わりました。しかし、シャビが控えにいることで引いた相手にはシャビを入れてポゼッションからの崩しを狙うことも可能で、チームにバリエーションをもたらしていたと思います。
この動画でも分かる通り、ラキティッチがボールを持った瞬間から前線を見てジャッジするまでのスピードに、ある程度チームコンセプトとして早い攻撃が意図されていたことがわかると思います。
④守備特化型
これはもう完全に南アフリカW杯での日本ですね。
これはアンカー阿部がとても器用かつ守備においてのユーティリティさを備えていたからこそのフォーメーションだったと思います。
実際には遠藤、長谷部もボランチ気味になっていて、阿部が必要に応じて最終ライン間に入り5-4-1への可変もできていました。
このフォーメーションでは基本的に攻撃はカウンターまたは手堅く押し込んでセットプレイ狙いになることが多いですが、おそらく描いていたのは1トップの本田選手にキープさせ、大久保選手、松井選手がサイドを突破していくイメージであったと思います。あとは長谷部選手が元々はアタックの選手なのでその機動力を活かしたいという狙いもあったかもしれません。
このやり方だと攻めになるたびに左右のウイングはスプリントして出ていかなければならないため相当な負荷がかかると思います。記憶では松井選手の代わりに岡崎選手、大久保選手に代わり玉田選手が交代で入った試合がありました。これはある程度計算道理だったと思います。
あとはポリバレントな今野選手をサブにおいて、攻撃に転じたいときは中村憲剛選手、中村俊輔選手を入れるといった感じですかね。GLで唯一負けた第二戦のオランダ戦だけ中村俊輔選手が後半出場していました。
このハイライトを見ても、まず攻撃時の人数の少なさがわかると思います(笑)
長谷部選手が突破した時なんか一人もゴール前いませんね・・・。
しかし、攻撃はチャンスは多くなくともFKで2得点と岡田監督からしたら狙い通りの展開だったと思います。
まとめ
③のカウンター型と④の守備特化型の違いはあくまで一番何に重点をおいているかです。③はある程度引き込みながらも、守りきることではなくあくまで引き込んでからカウンターで攻めることを狙いとし、④はあくまで失点を最小限にして守りきることを想定した上で組まれた布陣です。
同じシステムでも監督のゲームモデルによって色々なバリエーションが出ますし、4-1-4-1は柔軟性も高いシステムなので、成熟させていくと面白いのではないかと思います。
ご拝読ありがとうございました。
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