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"志"とは【就活】

(去年6月に書いたものです)

夜、電話がかかってきた。


同じ志望業界の友人からだった。ただ今絶賛就活中の私達。


「優しい人が報われる世の中にしたい」

それは私も同じだった。しかし、世間は、会社は美談を認めてくれない。そんな葛藤の電話だった。なりたいものになれなくても、自分の店とか開いたりして、好きなことをして生きていこう。そんなことを言い合って、電話を切った。

この社会は実力主義。

小さい頃からなりたいものがあって頑張っている人はあまり認められない。目に見えない夢は判断基準にはならない。そんな友人達は皆優しい。優しすぎると思う。

器用な人は何も考えない。そんな口ばかりの奴を見てると心底腹立たしい。でも、そんな人ばかり社会に出てから結果を残す。表の社会が大嫌いだった。


話は変わるが、私の人生で一番"優しかった"人は私の祖父だ。

いつも笑って、祖母の尻に敷かれては「しゃあないなぁ」と溢していた。祖父の葬儀は4人しか来なかった。

父から、祖父が工場で働いていた時の話を聞いた。祖父は「次の社長はお前だ」と言われながらずっと働かされていたのだという。

考えてみると、職場を引退してからは家族に振り回された人生だったと思う。祖母の我儘に振り回され、息子の面倒を見に車を飛ばし、孫の世話のために車を飛ばし。家族のために人生を使っていた。

祖父は世間的に見れば「報われない」人生だったかもしれない。しかし、祖父にとっての"志"が家族だったのだと思う。祖父なりに、生きる意味を家族に見出した。そして、家族は健やかに生き、家族に泣かれて死んだ。祖父は絶対天国に行けたと確信する。


「志」とは他人のためにあるものだ。


夢と志は違います。             夢は漠然とした個人の願望であり、志は個々人の願望を超えて多くの人々の夢を叶えようとする気概です。夢はこころよい願望だが、志は厳しい未来への挑戦です。              夢を持つなんて程度で終わらずに志を高く持たないといけない。          ー孫正義


「身の回りの人を大切にする」ことも"志"だと思う。誰かに泣かれるような人生を送ったら、それが人の本望だろう。


"志"とは、自分の人生の経験から、小さいヒントを探り出し見つけるものだ。


報われるのは死んだ後かもしれない。しかし、願い続け行動し続けることに意味があるのだろう。それは途方もない旅路だ。だが、私達は夢を持ってしまう生き物だ。なおさら、"志"を持っている人には少しくらいの加点をつけて欲しい。


志を立てよう。
本気になって、真剣に志を立てよう。
生命をかけるほどの思いで志を立てよう。
志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。                 志を立てるのに、老いも若きもない。
そして志あるところ、老いも若きも
道は必ずひらけるのである。
                                             ー松下幸之助


ちなみに、その友人は第一志望の企業の内定をもらった。努力は報われる、というのもあながち嘘じゃないかもしれない。


そう信じて、信じ続けよう。


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