Ruth.

幼児育児と自己ブラッシュアップに 奮闘する88年生の主婦の徒然草𖡼.𖤣𖥧 (読んだもの…

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幼児育児と自己ブラッシュアップに 奮闘する88年生の主婦の徒然草𖡼.𖤣𖥧 (読んだもの/日々/価値観 等。)

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Monet150

今年は印象派の誕生から150年の節目の年。ということでモネだけで構成された展示を見られる『連作の情景』に二月半ば、再び中之島美術館へと足を運んだ。 スイレンで有名だが、フランスの画家クロード・モネは印象派を代表する光と色彩の巨匠である。 若きモネはクールベやバルビゾン派という写実主義から強い影響を受け画家として歩み始めた。しかし自然に魅了されていた彼は光の移ろいや色彩がどう見えるかを捉えるには写実主義では限界があると気付く。 そこで絵の具を混色せず純粋な色で描くことでス

    • 表現が難しいんだが「嫌なら~しなければいい」という言葉は該当する場面もあるだろうが、そうではない部分も多分に含むのではないかと最近思えて来た。誰もが好き勝手に振る舞いながら「嫌なら~」を適用すればそこは同族ばかりの集団となり、どこか危険を感じられるからだ。今こそオルテガか(略

      • 甘くない湖水/感想

        昨年の11月7日に発売になったこの『甘くない湖水』という一冊の本を当時以下のnoteで知った。 以前オーエンズの「ザリガニの鳴くところ」を読んで以来、どこかちょっと疑問符の浮かぶタイトルがつけられた海外小説に興味があった。また著者であるジュリア・カミニートは1988年イタリア・ローマ生まれ、同い年だ。 「甘くない湖水」はイタリアの最も重要な文学賞であるカンピエッロ賞を受賞した。ここ数年芥川賞・直木賞の発表を楽しみにしている自分としては、この作品に惹かれずにはいられなかった

        • 正欲/感想

          第34回柴田錬三郎賞受賞作。 『あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。』と紹介されている、多様性を安易に謳う現代の傾向に疑問符を投げかける一作。 パンチを食らったような気分になる問いかけに、読み手の多くが面食らったことだろう。だが私は寧ろ冒頭の「あってはならない感情なんて、この世にない。」という一文に胸がざわついた。清々しいとすら感じるほど言い切っている。そのくせ「そりゃ気持ちいいよな」だなんて、どこか恨みがましい文句だ、矛盾を感じずにはいられない。 何らかの

        • 表現が難しいんだが「嫌なら~しなければいい」という言葉は該当する場面もあるだろうが、そうではない部分も多分に含むのではないかと最近思えて来た。誰もが好き勝手に振る舞いながら「嫌なら~」を適用すればそこは同族ばかりの集団となり、どこか危険を感じられるからだ。今こそオルテガか(略

        • 甘くない湖水/感想

        • 正欲/感想

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          親といるとなぜか苦しい: 「親という呪い」から自由になる方法/感想

          親という呪い、恐ろしい響きだ。しかし『親といるとなぜか苦しい』とは誠に切実な訴えであり、昨今で定着しつつある親ガチャや毒親といった言葉が示すものから、表面的にはもっと平穏そうな「一般的な」という仮面をかぶった謎にモヤモヤする親子関係に何年も苦しめられてきた、または現在進行形で苦しんでいる人たちがいることを示している。 私がこの本の紹介を読んでパンチを食らった気分になったのはこの冒頭の「家庭環境は平凡です。だけど親が嫌いです」という一文である。平凡だが嫌い。一般的には中の上ま

          親といるとなぜか苦しい: 「親という呪い」から自由になる方法/感想

          コウフクノジッカン

          私は無類の酒好きである。…というとちょっと盛った表現だが、とにかくお酒が好きだ。バリキャリ時代は一人でも時間が余っていたらフラッとバーにお邪魔して一人しっぽりやっていた。なんともおっさんくさいなと思われるかもしれないが、もっと言えば牛丼チェーンでおひとりさまなど余裕である。 そんな私だけども、飲む時は隣にチェイサー…というより、何かツマミを用意することが定番スタイルだった。何かをもしゃもしゃと食みながら飲むお酒はとても美味しい。ペアリングというのだろうか、もっと気軽に味変と

          コウフクノジッカン

          氷の致死量/感想

          先日また面白そうな本を以下記事に拝見した。 「死刑にいたる病」は二年前の初夏の頃読み終えた手に汗握る一冊だったことは記憶にそう古くない。シリアルキラーの歪んだ世界をその蠱惑的な眼差しで語られると、まるで吸い込まれるように魅せられてしまうのが恐ろしい一冊だった。 個人的に同じ著者の作品で手に取るのはこれが2作目になる。先日対悪魔系映画を観た(また別途語りたい)せいで「聖なる」というニュアンスに惹かれたのか、手に取らずにはいられないと思ったそのあらすじはこうだ。 このシリア

          氷の致死量/感想

          論語にまつわる本を読んでいるんだがなかなか面白い。

          論語にまつわる本を読んでいるんだがなかなか面白い。

          新しい学びと再出発24'

          私が今年学びたいこと、その理由 バリキャリ時代の私はいわゆる「食べる専門」で好き嫌いもなく、何でも喜んで食べる消費側の人間だった、というのを以前書いたことがある。 子が生まれてからはキッチンがほとんど私の仕事場になった。加えて料理以外にも、二年前には少しずつ菓子類を、そして昨年はパン作りをするようになりレパートリーが増えた。 レシピを参考に試行錯誤して作ってきたが、少しずつ慣れてくると簡易のものから少し難しいものにも関心が湧いてくる。またどうして失敗するのか、何をどうし

          新しい学びと再出発24'

          あいさいの日

          気づけばもう新年始まって一か月を過ぎようとしている。 2024という時空の敷居を跨いだあの時のドキドキワクワク感は今もまだ鮮明だが、もうあと数時間もすれば2月なのだ。早い… ところで、愛妻の日らしい。 そこで社会的には妻であるが価値観がより昭和の旦那の様な自分が、細々と子をお世話し、また家族全体を俯瞰して物言う良妻賢母の様な夫に、ひっそりとお礼を述べたいと思う。 今日という日は振り返っても普通の日だった。可もなく不可もなく、天候は曇りのち雨。夫は普通に寝起きし、ごはんを

          あいさいの日

          ザリガニの鳴くところ/映画感想

          2020年3月に日本で出版されたこの小説は前年の2019年、全米で500万部を突破する売れ行きを記録したベストセラーだ。2021年には日本でも本屋大賞・翻訳小説部門第1位を受賞し、アマゾンを参照すれば今や全世界2200万部を突破しているという。 タイトルを見て(動物学者や生き物に詳しい人間以外)誰もが一度は抱くであろう疑問、果たしてザリガニは鳴くのか。 結論から言えば、どうやらザリガニは鳴かないらしい。鳴き声の様に聞こえるのは呼吸をする際に出る小さな音のことだそうだ。そこ

          ザリガニの鳴くところ/映画感想

          今年はどっかのタイミングで遺伝とかについてまとめたいと思いまする。予定は未定。うふふ

          今年はどっかのタイミングで遺伝とかについてまとめたいと思いまする。予定は未定。うふふ

          今年から読書感想の書き方を少し変えてみた。どうなんだろう?まあ、模索。

          今年から読書感想の書き方を少し変えてみた。どうなんだろう?まあ、模索。

          ともぐい/感想

          第170回直木賞受賞作品『ともぐい』著者/河﨑秋子 実家は酪農、綿羊飼育を学び羊飼いをしながら小説執筆…という経歴を読んで、以前読んだジェイムス・リーバンクスの「羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季」をなんとなく思い出した。 当時リーバンクスの書籍を広げて感じたのは、イギリスの湖水地方という訪れたこともない土地に広がる草原やそこに展開される折々の四季。表紙に張り付けられた写真が魅せる羊飼いという特殊な職業。どこか浮世離れした世界に思い馳せながら読んだものだった。 一転

          ともぐい/感想

          九段氏の『生成AIを使って書かれた』という部分が一人歩きしている、と平野氏が指摘してたけど、自分はなんとなくそんな気もしていた。これは今後のAI活用における個人の見解の差かもしれない、と思いつつ私自身は既にあるものをなき物として扱うことはとうに難しく、困難を極めるように思う。

          九段氏の『生成AIを使って書かれた』という部分が一人歩きしている、と平野氏が指摘してたけど、自分はなんとなくそんな気もしていた。これは今後のAI活用における個人の見解の差かもしれない、と思いつつ私自身は既にあるものをなき物として扱うことはとうに難しく、困難を極めるように思う。

          赦し -罪を憎んで人を憎まず-

          以前このnoteを始めた頃に何者かにならなくてはいけない、のになれない、という強迫めいた概念にずっと悩まされてた時期がある。 振り返ってみればこれは親に「日本に巨大な災害が起こった時に真っ先に死ぬ奴」と何度も言われていた事が原因だ、となんとなく思った。 何かにならなくては命が助からない、という焦燥感を抱きながら同時に、別にこんな命いつだってくれてやるわ、という希死念慮に常に苛まれていた。何者かになることによって報われて助かる、が本当かどうかはさておき(むしろ冷静に考えれば

          赦し -罪を憎んで人を憎まず-