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道のど真ん中に落ちていた「アイツ」

坂道のど真ん中に、「そいつ」は落ちていた。


両手で、すくえそうなくらいの、みごとな1本だった。

でも、そんなことをするのは、
たとえ叙々苑で、一回おごってくれると言われても、「ゴメンナサイ」である。

ボクは、せまい坂道を、
そいつを踏まないように、よけて目的地へ急いだ。


想像するに、

そいつはには、飼い主がいて、道のど真ん中でしてしまったのだと思う。

しかし、なんで飼い主は処理しなかったのだろう?

「道具を忘れたのかな?」
「面倒くさかったのかな?」

そんなことが、頭をよぎる。


目的を終え、再びあのせまい坂道を上る。

ボクの30mくらい手前に、ポメラニアンを散歩する、カップルがいた。

ラブラブの幸せが、匂ってきそうである。

例の爆弾10m手前であった。


そのとき、脳が急速に回転し始めた。ふだん使わない頭が、フル回転しだしたのだ。

(このままゆくと、きっと・・・・!)
ボクの想像は、現実になるのだろうか?

3秒後、女性の大きな声が聞こえた。

「もー、なんで処理しないんだろう!?」

そして、ボクが通り過ぎる時に、もう一度ボクに聞こえるように、同じ言葉を言った。

(ビンゴ~!!)

心の中で、ボクはガッツポーズをする。

想像通りの、シナリオだった。

そうだよね。
自分の犬がしたわけでもないし、
まして、他の犬のものだからと言って、そのままにはできないよね。

その飼い主は、
*まずは自分たちのものではないことを主張。
*通行人のボクに、それを伝え冤罪を免れる。
*そして、おなじ犬の飼い主として、それを処理したのだ。

人の心理とは、面白いものだ。

先ほどのポメラニアンのカップルさん、

ほんとに、ほんとに、ほんとに、ほんとに、

ご苦労さん♬

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