瑠璃

懐古のような、想像のようなお話。

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16歳の私は彼女に恋をした|第1話|前編

あらすじ 「私」はこの春高校に入学した女子高校生。偶然隣の席になったクラスメイトの「彼女」に心を奪われてしまう。初めて同性に恋をした私は彼女への想いを募らせて、次第に激しい嫉妬心、独占欲、さまざまな感情に揺れ動かされていく。10代の多感な心模様に振り回されながら、ひた向きに相手を想い続ける。そんな女子高校生の実り叶わぬ、切ない"初恋"を描いた物語。(前後編2部作) 前編 うららかな春の日─── 私は高校の入学式を迎えた。 「優しくてかっこいい彼氏が欲しい」 私は新し

    • 16歳の私は彼女に恋をした|第7話|前編(終)

      満開の桜が風にそよいでいる。 私は高校の卒業式を迎えた。 2年間を共にした私たち5人は、一緒に受験を乗り越え、それぞれの進路を叶えた。 5人で過ごした毎日は馬鹿みたいな無駄話も、涙も、すべて笑いに変えられるほど笑顔で溢れていた。 私の高校生活は"青春"に彩られていた。 最後に5人で桜の木の下で記念写真を撮った。 「おいー!俺だけ半目じゃん」 「待って、あたしの頭に桜の花びらついてる」 「じゃあもう1枚!」 そう言って何枚も何枚も撮り直して、 最後のさいごまで別れ

      • 16歳の私は彼女に恋をした|第6話|前編

        2学年が終わりに近づいた頃 学級担任との進路面談が行われていた。 私の第一志望は関西にある大学で、 地元から離れて1人暮らしすることになる。 "大学で留学していつか海外で仕事がしたい" その夢に近づけるために選んだ進路だった。 私と親しいクラスメイトの4人は、1人は東京の難関大学、残る3人は地元の国立大学を目指している。 もし進路の希望が叶えば、 私はみんなと離ればなれになってしまう。 「みんなで第一志望に合格したいけど、寂しくなるよね」 1人がそう言った。 正

        • 16歳の私は彼女に恋をした|第5話|前編

          合宿2日目の朝 「おはよう、よく眠れた?」 彼女はいつもと変わらぬ素ぶりでそう言った。 私の脳裏には昨夜の"情事"が鮮明に焼きついて離れない。講義中もそのことを思い出しては陶酔していた。 私は平静を装っていつものように振る舞うことに必死だった。 だけど彼女は決してあの夜のことに触れようとしなかった。 まるで "何もなかった"ように── 彼女の本心が雲隠れするようだった。 彼女は後悔しているのかもしれない もしも取返しのつかないことになったら…… 彼女との関係

        • 固定された記事

        16歳の私は彼女に恋をした|第1話|前編

          16歳の私は彼女に恋をした|第4話|前編

          昨日、彼氏と別れちゃった── 彼との関係が終えたことを彼女に伝えた。 彼女は大きく息を吞んで、目を見開いて私を見た。 「他に好きな人でもいたの…?」 「私に魅力が足りなかったみたい」 そう言って誤魔化すことしかできなかった。 "彼女のことが好きだから" そんなことは絶対に言えなかった。 ・ それから彼女は放課後に私を誘い出してくれるようになった。 まるで失恋で傷心した私を慰めようとしてくれているようだった。 私たちは週に2、3度いつものカフェでお喋りして帰

          16歳の私は彼女に恋をした|第4話|前編

          16歳の私は彼女に恋をした|第3話|前編

          「放課後、時間ある?」 彼女に声をかけられて驚いた拍子に スマホを落としてしまった。 「うん、今日は何も予定ないよ」 彼との図書館に行く約束はそっちのけで彼女の誘いに応えた。 私は嬉しさを隠しきれず笑みが溢れてしまった。 最後に彼女と放課後を過ごしたのは、もう2ヶ月も前のことだった。 ・ 学校近くのカフェに立ち寄る。 彼女が好きなミルクティーを2つ頼んだ。 「じつは昨日彼氏と喧嘩しちゃって」 彼女の潤んだ瞳に影が見える。 儚げに憂いた表情さえ美しかった。

          16歳の私は彼女に恋をした|第3話|前編

          16歳の私は彼女に恋をした|第2話|前編

          「学校一の美女がいる」 夏休みが明けると彼女は校内で一躍有名になっていた。 一目見ようと教室を覗いて群がる男子生徒。 彼女を舐めるように見る目が許せなかった。 私は苛立ちを隠せず舌打ちをする。 彼女はその視線を嫌って 休み時間になるとカーテンの影に隠れて外を眺めている。 そこには彼女に想いを寄せている男子生徒の姿があった。 彼の噂は私たちの耳にも届いていた。 「彼ってどんな人だと思う?」 彼女は私の耳元で囁いた。 「学校一のイケメンだよ。美男美女でお似合いじゃ

          16歳の私は彼女に恋をした|第2話|前編

          お詫び

          皆さまご機嫌よう。 先日来、投稿していた物語がありましたが、一度中断することにいたしました。 と言いますのも、もう少し精度を上げたい、と思いついた時には後の祭りでして…。準備不足かつプランニングが下手としか言いようのない私の不手際です。 一度作品にお目通しいただいた方々には大変申し訳ない気持ちでおります。 いましばらく練り直してまいりますので、再掲をお待ちいただけると有難く思います。 誠に申し訳ありません。

          お詫び

          自己紹介|はじめてのnote

          はじめまして noteを始めてみたので自己紹介します。 プロフィール 名前:瑠璃(るり) 世代:ゆとり 出生:雪国 趣味:音楽鑑賞、旅 人柄 極めてマイペースに生きています。 厳しい家族のもと育てられたせいか「自由」でいられることに心地よさを感じます。自分の思うがまま物事に向き合いたいです。 とても頑固。 noteを始めたきっかけ 私は誰にも話すことなく内に秘めていることがあります。それは「セクシュアリティ」です。この場を借りて伝えてみようと思いnoteを始めまし

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