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どこかの街で

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いつか・どこかの街の光景
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#喫茶店

休日【2021/10/09】

休日【2021/10/09】

今日は久しぶりに休日らしい休日を満喫できたよい1日だった。

10時頃にゆるゆると起きて、昼の病院の予約に向けて動き出す。
来週には身辺整理をしないといけないので、とりあえずゴミをまとめる。ついでに排水口を掃除する。
玄関先に転がっていた蝉の死骸も長いちり取りと箒で間接的に撤去。蝉は嫌いなのである。

病院はいつも通り。仕事のことや睡眠のことを相談する。特に進展はないが、経過報告は大切。
薬局のお

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2018/12/11

2018/12/11

儚いもののうち、紫煙は好きなもののひとつ。莨は嫌いだが、紫煙を眺めているのは好きだ。奥の席の男が吐いた紫煙が、一緒にいた彼の背中を掠めて、申し訳なく思ったが、甘い香りがした。莨の減りがはやかった。強く吸う人なのだろうと思った。

天井の電気がひとつ、外れていた。不釣り合いに釣り下がった電灯はカメラを向けると眩しかった。

机にはさまざまな雑誌が立てかけられていた。美術書、喫茶店雑誌、地図。ゆるやか

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2018/09/03 (回想録 Vol.5: 或る喫茶店[1])

2018/09/03 (回想録 Vol.5: 或る喫茶店[1])

地下というのは静かな空間だ。かつてこの国が裕福だったころ、店主の趣味で作られたこの豪勢な喫茶店は、今でもなおそのままに形を残している。

夜の更けた駅のロータリーは、タクシーを拾おうとするサラリーマンの他には、思いのほか人が少なかった。そして、駅の周囲でも最も人の少ない方角へ歩き始めると、人通りはさらにすくなくなった。交差点で、画材屋の大きな袋を持った女性が信号を待っていた。真っ白な袋を持っていた

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