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シン・美食倶楽部(一皿目)「漬物」

 昔から愛されるごはんのお供といえば「漬物」もともとは野菜の保存のために生まれた、日本各地の食文化が伝わる食べ物です。ここでは漬け物の分類のしかたや全国各地の漬物を見ながら「漬物の魅力」をご紹介します。

☑そもそも「漬物」とは?

 「漬物」とは、野菜などの食品の貯蔵法のひとつ。使われる調味料は塩、味噌、醤油、酒粕、麹などで、作り方も種類もさまざま。こうした調味料は野菜のほか、魚介類や果物などを漬け込むのにも使われます。漬物は日本だけでなく、世界各地でさまざまな方法で作られています。中でも「塩漬け」の歴史は古く、人類が誕生して以来の食品貯蔵法といわれています。

▶漬物の分類方法

 漬物の一般的な分類方法には、主に次の3つがあります。

  • 副材料を使った漬物

漬物を作るときに使う副材料(例:塩、ぬか、酢、味噌、醤油、酒粕など)で分ける方法です。

  • 味の変化のある漬物

乳酸菌などの発酵によって風味が変化するものと、調味によって味が変化するものがあります。

  • 貯蔵期間で分ける方法

漬物を作る際にかかる時間によって分ける方法。たとえば即席漬けや一夜漬け、当座漬け、保存漬けなどがあります。



☑全国つけもの紀行

 全国各地、そのエリアの地域性に合った野菜や調味料を使って作られています。例えば、北海道は昆布やするめ、人参などを醤油に漬けた「松前漬け」や十勝地方で作られる「ヤーコン漬け」、さらには特産の夕張メロン使った漬物などもあります。野菜だけでなく、サーモンやニシンなどの魚介類を使うのも北海道ならではだと思います。寒さが厳しい東北地方では、寒さを乗り越えるための住民たちの知恵や工夫が漬物にもあらわれています。

 秋田名物「いぶりがっこ」は干した大根を煙でいぶして作る独特の製法。
その他、岩手は瓜を使った「金婚漬け」、福島や山形は塩、米麹、米を3:5:8の割合で使う「三五八漬け」などがあります。

関東では、特産の「醤油」を使った漬物が多く「福神漬け」や「ハリハリ漬け」、「たまり漬け」などが代表的なものとして知られています。

ほかにも、中部地方は長野「野沢菜漬」や愛知・静岡「たくあん漬」が有名。近畿では「奈良漬」、中国地方は山陰・島根の「砂丘らっきょう」と「葉わさび漬」のほか、山陽エリアの広島・「広島菜漬」山口寒漬け」などがあります。

南方、九州・沖縄は「高菜漬け」や、桜島大根を粕漬けにした「薩摩漬け」、鹿児島の干した大根を壺に漬けた「壺漬け」などが有名ですね。


☑まとめ

 日本各地のさまざまな食文化の下で作り続けられてきた漬物。発酵食品である漬物は健康にも良い影響をもたらしてくれます。塩分の摂り過ぎに気をつけながら、自宅で手作りにチャレンジしてみたり、旅行先で探してお土産にしたりと、毎日の食生活に漬物を上手く取り入れていきたいですね。



次回 シン・美食倶楽部(二皿目)「頼れるコロッケ」(仮)

お楽しみに!※なお、「シン・美食倶楽部」は隔週月曜、更新予定です。


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