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【地方創生×企業】東京のITベンチャーが瀬戸内の島に拠点を開設して1年。島で働く私たちがこれまでの活動を振り返る(後編)

バレットグループCOCODEMO江田島ラボの定木(さだき)です。

記事前編で、弊社システム開発拠点「COCODEMO江田島ラボ」で働くメンバーと瀬戸内の島で行った活動をインタビュー形式で振り返りました。

江田島ラボを開設してから「開発拠点としてだけでなく、地域に根ざした拠点として江田島で貢献できる形とは何か」を模索しながら日々活動に励んでいます。

今回もインタビュー形式でこれまでの活動について振り返りをした模様をインタビュー形式でお伝えします!

【 活動年表 】

物理的距離に囚われない「学び」を通じた関わり

ー定木:昨年6月に小学校教諭の皆様に向けてデザインアプリのワークショップを開催しました。開催のきっかけや研修の内容について振り返ります。

辻:きっかけは、 「デジタル端末を使ったデザインに関する授業を一緒に考えたい」と江田島市 小学校教育研究会 図工部会から話を頂いたことです。私たちのプログラミング教室の活動を見てお誘いを頂きました。

後藤:東京本社のデザインチームの皆さんが主導となって、コンテンツを作り、僕たちは現地でのサポートが中心でしたね。当日はアプリを利用して、1コマずつ絵を描いてパラパラ漫画のようなアニメーションを制作していく研修内容で、僕も一緒に触っていて面白かったです。


東京本社では、このように現地の様子を確認しながら進めました。

定木:教師の皆さんから「図画が苦手な子でも素材を組み合わせて自分のイメージを形にしたりして創作過程を楽しめそう」といった声も頂けたので開催して良かったですね。

後藤:学校現場の「IT化」が叫ばれる中で、子ども達がいろんな切り口からITに触れる機会が得られる可能性を感じたかな。

ー定木:7月には島唯一の高校でプログラミング教室を開催しましたが、実施した背景について教えてください。

川森:高校生向けの教室では、「プログラミングを体験する」「エンジニアという職業を知ってもらう」という2つの目的で開催しました。

定木:教室は、ビジュアルでプログラムを表現できるScratchを触ってもらった後に、実際のプログラム言語の記述をpaizaで体験してもらい、「プログラミングは難しい」というイメージを無くすことを意識したコンテンツを作りました。

辻:アンケートに「プログラミングは難しそうなイメージだったが、英語や数学の応用なので、基本を覚えたらできそう」との声がありましたね。

後藤:高校生は小学生と違ってコンテンツに沿ってゲームを作るだけでなく、「このプログラムを加えたらどうなるか」とか「このように動かしたいけどどうすれば出来るだろうか」など、各自でアレンジを加えて楽しんでくれてたね。

ー定木: 同じ月に4回目の小学生向けプログラミング教室を開催しましたが、集客で課題が出た前回の反省を活かした形となりましたね。

辻:そうですね。前回の応募は1組だけだったので、より多くの人に知ってもらえるよう江田島の小学校全校にチラシを配布しました。結果、たくさん応募していただけましたね。

定木:江田島市教育委員会や市役所のご後援があって集客範囲の拡大や教室の信用性を示すことができたので、本当に感謝の思いでいっぱいです。

後藤:小学校全校にチラシを配布できたことで「私たちがこういった活動をしているんだよ」と島の人達に伝えることもできたと思っとるよ。

新たに仲間が加わり、活動が活性化

ー定木:9月には東京から川森さん(写真)が移住されました。COCODEMO江田島ラボのマネジャーとして今活躍していますが、移住したきっかけや経緯など教えてください!

川森:きっかけは3月のプログラミング教室の出張で江田島を訪れたことです。
「教育」に興味があり江田島ラボの活動に参加していたのですが、活動を通じて江田島ラボに対する関心が高まりました。島の景観を気に入ったことも理由の一つです。

定木:7月の出張で川森さんの移住がほぼ決まったイメージですよね。

川森:そうですね。7月の江田島出張と重ねて妻を説得すべく、二人で江田島を周遊したり、移住相談をしている方と会いました。そこで予想外だったのが妻も江田島をすぐに気に入って、そのタイミングで家も決まってしまったんです。

後藤:川森さんもそうだけど、奥さんも決断早かったですよね(笑)

川森:はい。説得できたとしても年を跨いでからの移住かなと思ったので、まさかこんなに早く決まるとは思わなかったです。

ー定木:10月には江田島ラボの活動を知った広島西法人会という団体から依頼を頂き、東京で働く社員と一緒に壇上で講演する機会がありました。

川森:ありましたね。あれどんなテーマでしたっけ?

定木:「地方×ITによる未来の企業像」をテーマに江田島ラボの地方拠点展開までの経緯と事業・研究開発、CSR活動の具体的な活動・成果について話しました。

後藤:前日に会ったけど、とても緊張しとったね。

定木:はい。地元企業の経営者や幹部社員の皆様を相手に講演ができる機会など滅多にないので、エンジニアの僕としては貴重な経験だったと思います。

ー定木: 11月にはCOCODEMO主催のイベントを開催しました。きっかけとイベントの内容を振り返りましょう。

後藤:広島県が主催している「ひろしまさとやまみらい博2021」というイベントの一つとして企画したものですね。もともと県が中山間地域にサテライトオフィスを誘致するのに力を入れる中で、COCODEMO江田島ラボの活動は「絵」になるということでご依頼頂きました。

川森:「ALLひろしまでITコミュニティはできるのか!?」をテーマに江田島のIT企業関係者と県内のコワーキングスペース代表者に集まって頂き、江田島でITコミュニティをどのように作るべきかを議論することができましたね。

後藤:そうですね。結局ITコミュニティは作るものではなく、自然と出来上がっていくものだという話にはなったけど、江田島においてはIT人材の母数が少ないから、自分たちで動く必要がありそうですよね。

川森:はい。地方でコミュニティを作る難しさを痛感しましたが、逆に今後自分たちで動けば新しいモデルケースができる可能性もあると考えています。

ー定木: 年が変わって1月には、川森さんがICTシンポジウムというイベントでこれまでのプログラミング教室の活動について講演されましたね。

川森:はい。子どもに対してICT教育活動を展開している人や団体同士で、知見を共有し、課題解決を図ることを目的としたシンポジウムだったんですけど、他の先輩方・団体の講演も聞くことができました。江田島の活動でも活かせそうな取り組みをしている団体もあったので非常に勉強になったと思います。

辻:すごく丁寧に発表されていて、わかりやすかったですよ。その後の質疑応答でも冷静に対応されていたと思います。

川森:ありがとうございます!

ー そして、2月から3月にかけて島唯一の高校でプログラミング教室を開催しました。昨夏に一度開催しましたが、その時とは何が違ったかを含め振り返りたいと思います。

川森:以前開催した時は1日完結型でしたが、次の高校生向けプログラミング教室は全3回構成で実際のエンジニア業務を体感できるようなロールプレイ方式を採用しました。

定木:一部講師はリモートでの参加だったんですが、子ども達の積極的な姿勢が画面越しでも見て取れましたね。辻さんはクライアント役として最高な演出で参加されていましたね(笑)アイディア素敵でした。

辻:なるべく本物のクライアントが行うコンペを再現しようと準備したのが好評価で、やった甲斐があったな。

川森:最終日の発表では予想よりクオリティが高い作品を発表してくれて非常に驚きました。

後藤:担当の先生もすごい驚いてたよね。今後も高校側と関わりが持ちながら、エンジニアを将来の選択肢として選んでくれるような活動ができると嬉しいです。

ー 最後に今後COCODEMO江田島ラボをどのように展開させていきたいか皆さんの考えを聞かせてください

後藤:この1年間はどちらかというとCSRという形で地域とのつながりを図っていたと思うんですけど、来年度は小さくても良いので案件の獲得に繋がるような動き方ができればと考えています。

定木:地域雇用促進の狙いも含め、技術者にとって有益な勉強会を開催したいのと、産官学連携を図ったCSR活動を将来的にラボ発信で展開したいと考えています。

辻:江田島の産業や行政分野においてDX推進の一助になるような働きかけができればと思っているのとR&Dを展開していきたいです。

川森:商工会や行政からもDXというワードが聞こえ始めているので、DXに先駆けまずは利用イメージのしやすいLINE公式などを用いながら、それぞれの抱えている課題解決に向けてデジタル化の促進に尽力できたらと考えております。

おわりに

以上、ここまでご覧いただきありがとうございました。
一年の振り返りを通じて、多くの方々にお世話になったことを再確認いたしました。
みなさま本当にありがとうございます。

2021年3月に開設してから様々な活動を通じて、島内での交流も徐々に深まりました。「地域に根差したオフィス」を目指し少しずつですが、歩みを進めることができているのではないかと思っています。
今後も江田島からITを活用した事業開発・CSR活動を通じて、雇用創出や地方創生に取り組んでまいります。

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