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のどやかに世を儚むということ

 「邦画で一番好きな映画は?」と聞かれると、ぼくは『横道世之介』という映画を挙げていた。  長崎出身の横道世之介という素直でお人好しな青年のことを、学生時代を知る旧友たちがふと思い出しては「良い奴だったな」と笑みがこぼれてしまうという映画。  これを早稲田松竹で観てからというものの、ぼくは「こんな人間でありたいな」と人に優しく分け隔てない世之介のような人物であろうとした。作中、祖母の葬儀で泣く人々を見て「自分が死んでもみんなは泣いてくれるのか」と考えた世之介は、10余年後、

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    • しばらく恋というものをしていないので、これまでの恋を思い出してみる

       タイトルの通りである。かれこれ5年くらい、誰か好きな人を想って胸が苦しくなるようなことがない。だから、これが正直な気持ちなのだけれど、過去に誰かを好きになっていた自分のことが他人のように思えてしまう。  だから今、臆面もないので、客観的に過去の「恋した自分」について書き出してみたい。なんかもっと... ぼくって甘酸っぱい野郎だったと思うのだ。でも今(最近)は多少なりとも違う、気がしている。だからそれも不思議で面白いから、皆にも読んで面白がってもらいたいなと、被虐心めいた発

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      •  なんだかんだ、最近ぼくは色んなところに出入りし、色んな人々に出会うようになった。本当にありがたいことに。なので今あえて自戒の念を込めて記しておきたい。  「職業に貴賤無し」と「全ての人生に敬意を」ということについて。自分語りのお時間です。  小学生の頃、父親が旅行会社を潰して焼き鳥屋で働き始めた。物心ついた時から「歯を食いしばってやってやる」みたいな気合に溢れたとか、額に汗する姿は一度も見たことは無かったが、父が「旅行が好き」ということはなんとなく伝わっていた。だからある

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        • "FRED PERRY"いいなぁの話

          ・まず唐突にファッション自分語りをします ぼくは自他共に認めるイギリスかぶれの人間である。  よく友人には「世界史やってないから(イギリス大好き♡なんて)言えるんだよ(笑)」と笑われたりもするが、イギリスへの憧憬心がぼくをロンドンへの留学へ駆り立てたと言えるし、そのかぶれ具合は僕自身のアイデンティティーとして「イギリスが好きな自分」とさえ表しても良いとすら思う。  何故イギリス好きを自称するに至ったのかは色んな理由が挙げられるが、そのうちの一つとして「ファッション」がある。小

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          Caravan

          雑記 (11.13.2018)

          この2週間くらいの間に「働いたなぁ〜」って感じる大きな2つ3つくらいのことが起きて、反動として流行りの喉風邪と熱をもらい喉周りがプックプクに張っている状態です。他の人が撮ってくれた写真を見返すと本当に目も背けてしまうくらいデブな自分に嫌気がさしているので痩せます。マジで痩せます。 んで、「自分がどう見られているか」にまつわる身の上話なんですが、ポップにヘビーな内容をニューヨークでの体験から長々語りたいと思います。何というかここ1年は自分的に節目だなってここ最近改めて思っ

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          Fragile

           それはまるで、冬の朝に澄んだ池から拾い上げた薄氷のような、そんな少女を見た。  彼女はただ一言も物を言わない。父親と思しき男にただひしと縋るようにして掴まっていた。地下鉄が大きく揺れるたびに、青い筋が浮いた真っ白い手が尚更に強く、男のジャケットを音が聞こえそうなほど固く掴んだ。  地毛の金髪にベレー帽を乗せ、銀縁の眼鏡の向こうには憂いを湛えたグレーの瞳と美しい鼻筋が見え、滅多に動かさないであろう小さな口は真一文字に結ばれていた。  私は「怯える」という言葉の意味

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          ムードメーカー

          この前5・6年ぶりに幼馴染の「ユウキ(※前記事参照)」に会った。 積もった本を整理するような、話を一つ一つ徐々に消化していく感じではなかった。彼の仕事の話とか、ワールドカップが熱かったからサッカーの話をしたりしてサラッとあっと言う間に楽しく終わった。お互い野球をやっていたのに、今じゃ野球の話は少しも無くて、サッカーの話ばっかりだ。面白いでしょう? ここではサッカーの話ではなく、ぼくが話したいのは野球の話なので、ユウキとぼくとを語る上で切り離せない野球の話を書き記してい

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          僕にとっての「白球」

          「ユウキ」という幼馴染がいる。 まだ1歳にも満たない頃、新宿の大きな公園の水遊び場で「ウチの子と同じくらいですよね?」と彼の母親が声をかけてきたことから付き合いは始まったそうだ。 お互い近くに住んでいたことから公園で遊ぶにも病院に行くにもいつも一緒で、僕が隣町に越してからも付き合いは続いた。彼は少しやんちゃで、運動神経が良くて、大体のことは彼が先にやっていて、僕は後追いで彼の真似をすることがほとんどだった。 例えば、ブリーフのパンツを「だっさ(笑)」と言われて彼を真似してト

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          痛みを知る

          「失ってから初めて気付く」とよく言われるものがある。 いつの間にか片方落として間抜けになってしまったいつものお気に入りのイヤリングであったり、潰れてしまった家から一番近いコンビニであったり、自分の存在を肯定してくれる恋人であったり... いつの間にか自分の(生活の)一部になっているものたちである。自分という存在が少し欠けてしまった気分になる。 もっとも、”健康”以上に「失ってから初めて気付く」大切な存在として当てはまるものはない。今までできていたことができなくなる感覚。存在

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          March till death

          「死ぬまでにあと何歩歩くのだろう。」 別に、普段から歩数計を持ち歩いているわけではなく、日常的に死を意識しながら歩いているわけではない。 ただ、目的地は徒歩で30分かかると地図が示していた時に僕はなぜ無料で借りられる自転車には目をくれず、アクセルベタ踏みで馬力を誇る車たちの横をまるで生態ピラミッドの下層に位置する小動物のように歩く羽目になっているのかを考えていたらこの言葉が浮かんだだけだ。 正直に言えば、僕はこの数か月の間、難しい日々を過ごしていた。 外に出ることもま

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