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しばらく恋というものをしていないので、これまでの恋を思い出してみる

 タイトルの通りである。かれこれ5年くらい、誰か好きな人を想って胸が苦しくなるようなことがない。だから、これが正直な気持ちなのだけれど、過去に誰かを好きになっていた自分のことが他人のように思えてしまう。

 だから今、臆面もないので、客観的に過去の「恋した自分」について書き出してみたい。なんかもっと... ぼくって甘酸っぱい野郎だったと思うのだ。でも今(最近)は多少なりとも違う、気がしている。だからそれも不思議で面白いから、皆にも読んで面白がってもらいたいなと、被虐心めいた発想がここにある。

 ちなみに、恋の対象は全て女の子である。
 違う展開を期待していた方、居たらなんかごめん。と一応言っとく。

突然の回想

 電車に揺られながら右から左へ明かりが流れるのをぼんやり見た後、乗り換える駅だから電車を降りて、前を歩く人について行って階段を上っていた。その時、「恋ってどんな気分だったっけな」と、本当に急に思った。

 映画本編がいよいよ始まるぞ!って時の数秒のような、無音で、真っ黒いスクリーンに白抜きでパッと、まだ無音のままで、何か明朝体のボールドっぽい字で「恋ってどんな気分だったっけな」って現れた感じだ。そして階段を上がりきった品川駅構内の雑踏のざわざわとした音で現実に引き戻される。

 ...雑踏の音で現実に引き戻されたのは嘘かもしれない。だって曲は忘れたけど何か音楽聴いてたから。

 とりあえず、唐突にそんな言葉が浮かんだものだから、自分でも「えっ??恋??」って問い直して、5番線のホームに降りて改めて考えてみた。「ああ、その瞬間って、なんか胸の中で風船が膨らんだような気がする。あと体温も上がっただろうな」と。

 向かいの4番線のあるプラットホームは、寂寞と言うには静かではないが、暗くて人気が無いことは確かだ。昔はあそこが南下する青い電車の乗り場で、つい最近までよく間違えて降りそうになったのだけれど...
 まぁ、そんなホームに過去の記憶を投影するように、高校生の時に東急線のホームであったことを重ねて思い出してみた。


とりあえず「恋だったなあれは」というものを羅列する。

 いわゆる、初恋というものから書き出していこうと思う。同じ時間を過ごした人には(「あぁ、あの子のことだな...」)と分かるに決まっているが、それは君たちの特権だ。おめでとう。目一杯にニヤッとしてくれ。
 基本的には箇条書きで、それぞれの話に一人、好きだった人がいる。それぞれの女の子に対してそれぞれの思い出があるが、「恋か?」と問うてみると、一瞬の場面のことを恋だったとも思うし、慕っていたその日々のことをも恋だったとも思ったりもするのだなぁと興味深く回想している。
 羅列と言いつつ、一言くらい説明を付け加えるかもしれないけれど、加えたいものには後でちゃんと解説を加えるので、まずは問題集の正解ページのように「ほう...」とか「えっ!?どういうこと?!」とか思いながら見ていって欲しい。解説しないものもある。そういうのは先生に聞くように、個人的に後で来てくれたまへ。

・誰にでも「好き」って言う子のことを好きになった。
 幼稚園、めだか組さんの時のことである。

・小学校で最初に隣の席になった背の高い子が優しくてよくお喋りした。
 
すぐ転校してしまった。よく覚えてないけど。

・なんかついその女の子の太ももを見てしまっていた。
 性に目覚めていたわけではないけれど。

・幼稚園からの友達しかそう呼ぶことを許してなかったけど、「わたしも"けーちゃん"って呼んでいい?」とか巧妙に距離を詰められ、毎日毎日アプローチをかけられた。

・隣の席だったのがきっかけで、よく長電話もした。

・一緒にバカな事したり、男女何人かでよく遊んでて、よくいじってくるけど、一緒にいるのが楽しかった。
胸が苦しくなるって感じではなかったなー。

・電車を待っていると、向かいのホームから笑顔で手を振ってくれた。声は聞こえなかったけど、「バイバイ」と確かに聞こえた気がした。
 急行が通過したのか、向こうの電車が先に来たかでこちらからの返礼は遮られてしまったが、照れてしまったので都合が良かったよなと思う。

・ふと先輩の顔を思い出して、昼休みにふらっと教室を訪ねた。ドアのところからひょいと顔を出してみたら、その先輩と丁度目が合ってしまって、驚いた先輩は箸を咥えたまま固まってしまった。
 
思い出してもかわいい。先輩はぼっち飯をしていた。先輩結婚おめでと。

・卒業制作の大きな展示作品をしゃがんで見ていたら、女の子も隣にしゃがんできたのでそちらを見遣ると、笑いかけてくれた。

・5年ぶりに2回目の「好き」と書かれた文を読んだ。

・関西弁がものすごく可愛かった
 こちとら東京生まれ、東京育ちの江戸っ子でよぉ!弱いの、方言に。

・深夜のカラオケオールで気が付いたら肩を寄せ合って寝ていた。
 その後、別の飲み会で酔って記憶が無い間にぼくが告白して、困らせた末に泣かせてしまって終わったらしい、誰も幸せじゃない悲しい恋。

・めちゃくちゃぼくのことを好いてくれていてかわいいなと思った。

・吉 岡 里 帆

・文庫整理の作業をしていた際、とある本の筆者が直筆で裏表紙の裏に妻への愛と感謝を綴っていたものを発見し、それを一緒に発見した子が「素敵。」とつぶやいたのを聞いた。


傾向分析

 吉岡里帆を除けば、どうやらぼくは今までの人生で13回くらい「胸の中で風船が膨らんだような気がして、あと体温も上がったと思われる=恋」という状況にあったようである。この数字が多いか少ないかどう感じるかは人によるだろう。てか、「胸の中で風船~」のくだりはもうやめる。
 一つの箇条書きにつき一人の女の子のことを好きになった計算だと14人だが、吉岡里帆と例外があるので12人だ。
 数字の明言はしないが、きっとお察しの通り"敗れた恋"の方が多い。ヤクルトの原樹里ですらぼくより勝率良いと思う。

 そしてここから考えられる傾向としてまず一つ、

"隣の席の子、好きになりがち"

である。これは仕方がない。接する機会が増えれば増えるほどその人の良いところが見えてしまうのがぼくである。先生にも「人の魅力を見つけるのが上手い」と通信簿で褒められたことがある。エスノグラフィーの才能が昔からあったのかもしれない。

 また、二つ目の傾向として挙げられるのが

"ピュア"

である。やっぱりぼくって甘酸っぱい奴だったのである。最早、「シチュエーションに恋していたのではないだろうか?」と見紛うばかりである。だがこのピュアさ、人生で一番濃い時期を共に過ごした大学の友人たちやサークルの先輩・後輩たちからすると、ぼくのことを信用に足る人間だと思ってくれる理由にもなり、ネタにもなったようである。「最近恋愛とか全然無いわ...」と言うと皆本気で心配してくれた。ここ最近は会う人も限られ寂しい限りである。

 そして、傾向とは異なるものの見逃してはおけないのが、一際この羅列の中で異彩を放っている

・なんかついその女の子の太ももを見てしまっていた。

という恋である。この恋の結末を簡潔に語っておくと、「なんか脚見てきてキモいんだけど」と友達に言ってたことがすぐに発覚し、反省とともに悲しい終わりを迎えたのであった。ちゃんちゃん。

 次に、このようなノリでいくつかの恋の詳細を解説をし始めていく。


解説:最後にピュアは勝つ

・幼稚園からの友達しかそう呼ぶことを許してなかったけど、「わたしも"けーちゃん"って呼んでいい?」とか巧妙に距離を詰められ、毎日毎日アプローチをかけられた。

 まんまとその気にさせられたのである。(小学校の頃のことだからその気にさせられても「だから何?」という話である)
 この子は本当におませさんな感じで、大人相手でも通用するような距離の詰め方を会得している子だったという思い出がある。ぼく以外の友達の男子も数人が「○○は... 話しやすいと思う」とか言っていた。ちなみに、照れ屋な小学生男子の「話しやすいと思う」は「好き」と同義だ。
 厳密にいえば、この時のぼくは毎日アプローチをかけられても左程はなびかず、仲は良くなったので「"けーちゃん"って呼んでもいい?」という頼みに対して「まぁ... いいけど」と心を許した程度だった。すごいのは3年くらいあんまり話さなくなった期間があって、そこからまた仲良くなった時期、他の友達が周りにいない時にだけ「けーちゃん」と呼んできたことだ。恐ろしい子!!
 
大学生になってから何人かでの飲み会でその子の彼氏についての相談を親身に聞いてあげたら、帰り際にキスされたこともあった。でもぼくはピュアだったので「え、ついさっき彼氏とのこと応援したぼくに、なんで...??」と引いてしまった。浮気とか不倫とかワンナイトとかそういうの無理な童tピュアだったので✋。


解説:恋とか愛とかよく分からないまま

・隣の席だったのがきっかけで、よく長電話もした。

 初めて告白をしてOKをもらった子だった。でも、学校であだ名が「彼氏」と「彼女」になってしまって、恥ずかしくなって1~2週間くらいで自然消滅してしまった。
 ただ、毎日学校に行くのが楽しかったし、頻繫に電話がかかってきて携帯や子機を持ってリビングから一番遠い部屋で長電話をしたのも覚えている。会話の内容も覚えていないけれど。家の電話に出たその子のお母さんから「君がタキハラくん?ふ~ん」と言われたこともよく覚えている。友達の言う「付き合う前が一番楽しい」という言葉もこの思い出のおかげで頷くことができた。何も恋人らしいことはしなかったけど、好きだったのは覚えている。
 その子は家庭の事情で転校してしまった。その頃になると以前の気まずさもいくらか無くなっていた。引っ越しの日を教えてもらって、「見送り行くよ」と言ったけれども、最後に会っても結局なんて言ったらいいのか分からなくて、行けなかった。


解説:東急線のホーム

 すごくかわいい子だったんですよね。

・電車を待っていると、向かいのホームから笑顔で手を振ってくれた。声は聞こえなかったけど、「バイバイ」と確かに聞こえた気がした。

 確かこっちのホームには急行も通過して、向こうの電車も先に来たかでこちらからの返礼は中途半端に手を振るしかできず遮られてしまったが、絶対照れて変な顔をしていたので見られなくて都合が良かったよなと思う。電車が行った後、

「青春ってこれかぁ~!!!!!!」

ってなって、もしかしたら桜も舞ってたんじゃねえか?!ってくらい、本当に今も時たまに思い出してしまうくらいにレジェンド級の美しい思い出だけど、それ以上には何もなかったのでおわり。


解説:仕掛け絵本

・卒業制作の大きな展示作品をしゃがんで見ていたら、女の子も隣にしゃがんできたのでそちらを見遣ると、笑いかけてくれた。

 ぼくの通っていた高校は美術系の学科もあって、先述の先輩もそっちの学科だったから教室も離れていたわけだ。(だから先輩は突然の訪問に驚く)
 卒業が近い大学受験真っ只中の時期、ぼくは成績が急落して、たぶんもう全然いいところは受からないだろうなと半ば諦めていたし、自分のクラスの連中とは会いたくなかったので毎日図書館に通っていた。勉強から逃げて小説を毎日一冊のペースで読んだ。厭世的な気持ちも、向かい合うべきでない活字に向かう背徳感と、クラスメイトの代わりに外でカラカラと集まって揺れているカエデの木を見ることで忘れることができた。
 諦めの境地に達した受験生の緊張感の無さはものすごい。勢いでおすすめ図書の仕掛け絵本にまで手を出した。すると「ペネロペ、面白いよね」と声をかけてきたのが、図書室に教室が近い美術科の女の子だった。そこからしばらくの間交流があり、その子の貸りた本も読んだりもしたし、メールのやり取りもした。
 そんな付き合いもあって、美術科の卒業制作展を見に行った時の出来事が↑だ。ぼくが勝手に一人で見に来たのに、なぜか「あっ!!」って言って階段をととととーって降りてきて、頼んでもないのに隣に一緒についてきて「これ好き」とか「これ面白いよね」とか言ってくる。二人してしゃがんで見た大きな展示は最後の方に見た作品だったかな。もう作品どころじゃなかった気がするけど(笑)目の前で見せる無邪気さと、メールのやり取りをしていると時折見せる翳のような部分とのギャップが魅力的だったと思う。
 余談、当時全盛期だったmixiでこの子とか、もう一人よく図書館にいた後輩のかわいい子の話とかを日記に書いていたらやたらめったら反響があって、その子は「ペネロペ」と友達連中から呼ばれていた。
 彼女に会わなければ、きっとぼくはその後美術に興味を持ったり、海外の美大に留学することもなかっただろうな。ペネロペの仕掛け絵本は何冊か今でも持っている。


解説:御守り

・5年ぶりに2回目の「好き」と書かれた文を読んだ。

 まだ10年は経たないか。
 何かのきっかけで、昔好きだった女の子と連絡を取った。彼女と出会った頃のぼくは本当に背が低くて声変わりもずっとしていなくて、久しぶりの電話越しの声の低さに戸惑っているようだった。大きくなったぼくの写真を見て「かっこよくなったね(笑)」と言ってくれた。浪人生となっていたぼくは、誇れるものなど何もなかったのだけど「浪人するってことは頭良いんだ~」と言われ、そんなもんなのか?と思った。彼女はお金を貯めたら保育系の専門学校に行きたいのだと言い、大学に行くことが当然でもなければ、学校へ親に行かせてもらうのが当然でもないのだということをぼくは改めて知った。彼女のお母さんは亡くなったのだとも聞いた。
 色んな話をした気がするけど、今覚えているのは「キャバクラ通いで皆から冷やかされていた中学の教頭は実はすごく良く彼女の面倒を見てくれた」という話くらいか。キャバでお金も落とすし生徒も大事にするしめっちゃ良い奴じゃん教頭。
 あとは、ずっと後悔していたことを謝ることができた。「引っ越しの見送りに行かなくてごめん。あの時ずっと好きだったから、会ってもなんて言ったら良いか分からなかった」と。「そうだよ!好きとか言って、じゃあ来いよ!」と怒られた。そして、「そういえばその引っ越しの時、懐かしいもの見つけて今も持ってるんだけど~」と違う話になった。
 「じゃあさ、受験上手くいくように御守り送ってあげるよ!」と彼女は唐突に言った。嬉しい心遣いだったからありがたく受け取ることにした。しばらくして「頑張れ浪人生!」みたいな短い文と、鈴の入った手作りの御守りを受け取った。激励文の書かれた紙には「合格(う)かるまで絶対開けるな!」とも書かれていた。それから何回か色々と話をしたけれど、浪人生と地方で働く女の子とで互いの状況も違えば、ぼくは今できる目の前の勉強を頑張るべきだという話にもなり、次第に連絡は取らなくなってしまった。

 春になり、ぼくは一応大学に受かった。入学してしばらく経ち、ふと御守りのことを思い出して開けてみることにした。
 御守りの中には袋の中でチリチリ鳴っていた鈴と、何遍も折られた紙が入っていた。その紙には「合格おめでとう!!先に開けて見てないよね?」から始まって、「ずっと好きだったって言ってくれたことが嬉しかったから、引っ越しの時見つけた懐かしいものをあげます!」と書いてあった。
 懐かしいものというのは、プリクラだった。と言っても、ぼくと撮ったものではない。写っていたのは彼女と、中学の時の同級生の女子。そこにぼくの名前と、親友の名前が書かれていて、「好きだぞー!」と書かれていた。同級生の女子も親友のことが好きで相談をされたこともあった。その時は確か、彼女が引越しをする少し前だったような気がする。
 最初、顔も見れずに告白した時の返事はメールで返ってきた。
 だから、彼女からの「好き」と書かれた文を読んだのは、そのプリクラで5年ぶり2回目ということ。

 その後、ハッピーエンドだったなら完璧なのだけど、そうはならなかった。良くも悪くも、この2回目の恋はずっと忘れないと思う。


(...笑い一切無しでこれ書いたら書き始めのテンション失いました)


解説:流石、よく見てるわ

・めちゃくちゃぼくのことを好いてくれていてかわいいなと思った。

 付き合った後輩の女の子が、別れた後、ぼくが卒業する時にもらったメッセージ集みたいなのに「本当に色々お世話になりました!もっと自分に自信を持って下さい!」って書いてあったのは今でも笑える。ガチコメントすぎ。


解説:お揚げは最後に食べる派

・吉 岡 里 帆

 最近になってやっと母親と妹たちが「どんぎつねが嬉しくて尻尾を振る回」のどん兵衛のCMを見て「かわいい(笑)」って言ったんだけど、女性はあの子のかわいさを認めようとしなさすぎる。
 確か、『ゆとりですがなにか』で「ウッ、カワヨ」ってなった気がする。
 女優さんに言うのもなんだが、彼女の真の魅力はインタビューとかラジオで出る素の彼女だから。京都市長とのトークイベントに行ったことがあるけど生で見た吉岡里帆さんがかわいすぎる余りにそこで熱が冷めた。結構前の恋ということですわ。幸せになって欲しい。そしてグラビアも見たいな。


解説:文庫

・文庫整理の作業をしていた際、とある本の筆者が直筆で裏表紙の裏に妻への愛と感謝を綴っていたものを発見し、それを一緒に発見した子が「素敵。」とつぶやいたのを聞いた。

 大学で本格的に美術へ興味を持ったことで学芸員課程の授業を取っていた。4年の実習で大学図書館の所蔵する「文庫」と言われる寄贈書群の整理と清掃を行っていた。ページをパラパラとめくりながら、刷毛でゴミを取ったり、傷みなどの確認をするのだ。すると、とある本の裏表紙の裏(←その箇所の呼び方分からんくてググったら、紛らわしい名前が出てきた模様)に筆者が直筆で妻への愛と感謝を綴っていたものを発見した。一緒に作業していた隣の子に見せると、「素敵。」とつぶやいたのを聞いた。てっきり「え~、恥ずかしくない?(笑)」とか言うのかと思ったら、「こういうの憧れるなぁ~」と真剣な眼差しで言うもんだから、「ぼくもそう思う」と答えたのでした。
 特に横浜に行くと二人で遊びに行ったことを思い出すことがある。延々と連れまわしてしまったけど文句ひとつなかったな。


考察:何故、恋をしなくなったのか(というのを晒してしまっているのか)

 ここまででぼく個人の恋愛経験を約7500字も書き連ねてしまった。なるべく相手のことが誰だか分からないようにところどころフェイクは入れたものの、ネタにしてしまったこと自体には少し申し訳なさを感じている。その証拠に、徐々にテンションが下がり真面目な文章になっているのがお分かり頂けただろうか?
 だが、そこまでして身も心をも削ってでも知りたかったのは、「どうしてぼくは人を5年間もの間好きにならなかったのだろうか?」を理解したかったの一言に他ならない。なんなら、他の人はこんなぼくを見てどう思うか知りたくなった。5年間は斉藤和巳がリハビリに費やした期間に迫る勢いの長さだ。もう一度、人を好きになることができるのだろうか?とすら思えてきているのだ。

 解説まで書いてきて、自分の過去に向き合い少し理解できたことは「歳を重ねるほど、好きになった相手への感情に真面目な向き合っていた」こと。そして、ぼくがこの5年の間、大学院生だったり、留学をしたり、起業をしたり、「自分の立場が高校生・大学生と割と他の人と同じ一般的な立場から、少し社会的には特殊な立場へと変わったこと」が、誰かに恋をすることに影響を及ぼしているのではないかということである。
 前者については、こう、これまでの文章から何となくお察し頂けるかと思う。おちゃらけてみても根はゴッドタンの「腐り芸人セラピー」回のノブコブ徳井氏みたいな真面目さである(真面目なことを言って面白がられるあの構図、サークル等で何度もあった。嫌いじゃない)。
 後者は、そう、浪人時代もその立場に引け目を感じて恋どころではなかったのだが、今も「ぼくにはやらねばならないことがある!」って感じの立場であり、まだ「自営業うめぇっす^^うぇい恵比寿横丁行こうぜ!!MUSE・Alife行こうぜ!!」って感じには全然なれていない。(あのねぇ、ぼくねぇ、お金持ちになったらねぇ、好きな飲み屋さん全部でボトル入れて、捨てられないようにぐるぐる通うんだ...)

 ...ん?これじゃあ「今は仕事が忙しくて女の子と向き合えないのが嫌だから彼女つくりません」って言ってるようなもんだけど、そんな理由で納得できるわけないんだけど!!もっと稼いでる人の発言だもん!!それ言ってる人でぼくが納得できたの知り合いの超多忙のデキる建築家だけだわ!!

○○さん!月に一回くらいは休んで!


 それでは更にもう一つの仮説。
 ここはもう本質に触れてしまうかもしれないのだが、

好きな人が自分から離れていくのが怖いから、
恋をするのを無意識のうちに避けるようになってしまったのではないか?

うーむ、これ。どれだけ自分に自信無いんだよというね...
(※これについて過去のnoteではポップに少しヘビーな話を語っています。)

ちょくちょく友達にはこの仮説のようなことを語っていて、
「この①・②だとどっちの意味なの?」と聞かれるのですが、

①告白して振られて、今までの関係性が変わってしまうことを恐れている
②付き合った後に別れてしまうことを恐れている

どちらかというと、②のほうかもしれない。自分のことを一度は好きになった人に離れていかれるのは確かにダメージが大きい...
 リヴァプールからトーレスがチェルシーにスターリングがマンCに移籍した時、めっちゃショックだったもん...

しかし、しかしですよこれは...

過度なリスクヘッジによる機会損失が発生している...??
「何もしない」という大きなリスクなんじゃないですかこれは??

というか、そんなに付き合ってから幻滅されて離れられそうな性格的な問題は、もういい大人だしあんまりないんじゃないの??

という感じで、単純になんだか人を好きにならないのが勿体なく思えてきた。さーて、やっとこさ少し心持ちが楽になったんですけど、これからどうしようかね...


今後の展望

 そう考えるとこの5年間で、あの時のあれも!あれも!これも!それも!めちゃくちゃフラグ(付き合えたかもしれないじゃん!という機会)をへし折りまくってきたかもなぁと思うんですけど、その気がなかったから仕方が無いとしか言いようがない。
 女の子に対しては、セクハラめいた言動も勿論しないように心がけていれば、「”男”として恋愛対象に見てくれ!」と振る舞うというよりは、”友達”とか”イベントで会った人”とか、一つ上の大きなくくりで見てもらうように振る舞うのが普通だし、(「かわいいな」)と思っても本人へはこちらから特段アプローチをかけることもない。
 そういう場合には、後になって本人いないところで仲の良い他の女友達に「ねぇ... あの子(or ○○ちゃん)かわいいよね??」と話し、「ね、めっちゃわかる」とか「け-さん、気付きましたか...」と平和に推しの協定を裏で結んで終わる(平和会談)。ついこの前下北沢のカレー屋でやった。
 男子間でも声のトーンを落として同じような会話を喫煙室でやる。「いいじゃん。いけよ」とか言ってくる奴には「いかねぇよw」とか適当言って流してた。5年間、なにやってたんだろうぼく?中学生に戻ってたのかな?

 ただ、今後はこのような態度を改めていこうと思っている。もっと恋してもいいんだね... とはいえ、現状、予定無しである。


おわりに

 人生でここまで「恋」というワードを使ったのは初めてでした。ちゃおとかなかよし1冊の中でもここまでの数は出てこないと思う。しかしながら、努力の甲斐あってか、恋に対する忌避感は薄れ、今ならカラオケでモンパチの時にマイク向けられても笑顔で歌えそうだ!『あなたに』だったら喜んで歌う)

 駅でこんなことを思い出してからというものの、キャッチーなタイトルまで浮かんでしまったものだから面白半分で書き始めてみたのですが、クッッッッッッソ長くなりましたね(笑)(この文で驚異の10,000字越え)
 ちょっと書いていて真面目になりすぎて正直涙ぐむくらいの部分もあったのですが、なんか久しぶりに色々なことを思い出しました。個人が特定されて相手に不利益が生じたり迷惑をかけることもないように書いたつもりですが、何かあれば公開すぐやめます。ネタとして笑えるよう用心したつもりですし、そんなにいつも多くの人からは見られないので不測の事態(何の?)は大丈夫かとは思いますが。

 最後に、ぼくはファンとして今年のプロ野球では、新天地楽天で2年目のシーズンを送っている和田選手に注目しています。お互い頑張りましょう!!



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