両極端はわかりやすい
SNSを見ていても、
新刊の書籍のタイトルを見てみても、
「◯◯だけすればよい」
「××は買ってはいけない」
「△△をすれば病気になる」
「これは絶対◯◯だ」
「××しない人はおかしい」
「全てポジティブに捉えると運が上がる」
「ネガティブこそ必要」
といったような文言を目にすることが多々ある。
またそれが注目を浴びたり、流行ったり、盛り上がったりする。
みんな、誰かに背中を押してもらいたい。
これぞ正しい道だといってもらいたい。
その意見に同調することで、仲間意識を持ちたい。
あなたは"これで大丈夫"と言われたい。
といったような人間の心境が裏にはあるからではないか。
また、単純明快でビシッといってもらえたことの方が、わかりやすくて惹かれやすい。
政治家もそうではないだろうか。
わかりやすく単純明快なストーリーを語る人ほど、熱狂的な支援者が増える。
でも私は
世の中に、良いだけ、悪いだけの事柄というのはない
と思っている。
東洋医学を勉強してから、そう感じたのだ。
物事や世の中の事象には、陰と陽があり、
それは一組の相対する性質を持っていて、
どちらが良い悪いではない。
また物事は静止したり常に変わらず一定ということはなく、
変化している。
陰はどんどんと極まっていけば陽に転じるし、逆もまた然りだ。
またこの世界の成り立ち、全ての事象が科学により詳らかになったわけではない。
わからないことだらけなのだ。
だから、
前述した、非常にキャッチーで、魅力的な文言だけを信じて、それに基づいて行動するというのは、危険なことではないだろうか。
もちろん、かくいう私も、前述した魅力的な文言を完全スルーできるわけでもない。
なんなら、とりあえず目を通すこともある。
ふぅーん。。。
とそれを見て、他の意見や考え方も見て、自分でそれをどう捉え、考えるかではないかと思う。
これは医療の現場でもそうだ。
両極端のみを信じて関わった場合、
こちらの方がエビデンスがあるから、(医療者としての責任感や、また人としての親切心から)絶対これを勧めたい!
患者さんが自分が勧めたいのと違う方法を希望してきたら、どう自分の意見を呑ませるか考えよう!
自分がこの治療法で救われた経験があるから、これを勧めたい。そのほかの方法は、自分が救われなかったから、必要ないし、勧めない!
ということにもなりかねない。
なんなら、そういう対応をされている医療関係者もいるのが現実だ。
もちろんなろうと思ってなっているわけではないのかもしれない。
根底には、人を良くしたいという信念や、患者さんを救いたいという使命があるのだと思う。
一歩間違えると大きな違いを生んでしまう。
自分も気をつけねばならないことである。
話が色々と飛躍したが、
なんの場面においても、わかりやすい、とっつきやすい、明快な内容やストーリーというのは、
物事の真の姿を表しているとは考えにくく、
一歩ひいて、全体を良く見て、いろんな意見を聞いて考えるべきかなと思う。
こんな言い方をしたらあまり良いイメージとして捉えづらいかもしれないが、
いいとこ取りで、その場面、状況に応じて変えていく
でいいのではないか。
ビシッと、ギュっと、一点で定めるのではなくて、
いい意味で、ユラユラ揺らいでいく。
私もまだできていない所が多々あるから、これからの人生の根底にある大きな課題だなと考えている。
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