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おじさまと猫 12巻 【ネタバレあり読書感想文】 飼い主を選べない猫の涙

★★★★☆
Amazonでレビューしたものです

パパさんのことが、もっともっと好きににゃってるんだにゃー!
キャットタワーを買いに来た神田、ふくまるに似合うものが選べずに・・・?
突如、庭に現れた迷い犬、空子が家中に招き入れてしまい・・・!?
不登校の高校生・真はSNSで交流する『ティンクルベル』さんが気になり・・・!?
シャムちゃんに新しい飼い主が見つかり、ふくまるたちと離れることに・・・!?
「あの頃より、ふくまるパパさんのことが、もっともっと好きににゃってるんだにゃー!」神田とふくまるの絆が、より一層深まっていく。

Amazonのページより




現在この漫画は、妻を亡くして人前でピアノが演奏できなくなったおじさまがふくまるという新しい家族を得て、トラウマを乗り越えていく話が描かれています。
さらにサブストーリーとして、ふくまるの兄弟との出会い、おじさまの息子・星鳴とおじさまの職場の同僚・森山先生のバンド結成話があります。

前の11巻でひんやりした人間のいやらしさが怖かったこの漫画ですが、この12巻でまたほのぼの猫漫画に戻りました。

表紙をめくって、おじさまとヒビノンとジョフロワの3イケメンと猫たちのカラー絵がもうたまりません。何このギャップ。

1.おじさまとキャットタワー


おじさまは優柔不断で、キャットタワーが決められません。
優柔不断というよりは、見栄っ張りのいい顔したがりでしょうか。
っていうか、なぜ名ピアニストなのに名前や柄のセンスがこんな酷いのこの方。。。服装は別に問題ないのに。。

おじさまがやっぱり欲しいものを決めて買いに行くまで付き合ってくれる小林は、いい友達です。

やっとこさ買いたいキャットタワーを決めて買いに行ったら売り切れという、結構悩んだ買い物あるあるですな。

予定より小さくなっても、猫たちが気に入ってくれてよかったねえ。

2.シャム猫ちゃんがやっと手に入れた飼い主と名前


腐った水を飲み食事はほぼ与えられずゴミ屋敷でなんとか生き、ついには飼い主に置いて行かれてしまった、シャム猫ちゃん。

保護され、おじさまの家でやっと一息ついて一緒に暮らしつつも、ふくまるたちと仲良くなろうとはしません。

どうせ自分は他に引き取られるのがわかっていたからでした。

猫たちは自分で自分の飼い主を選ぶことができません。
ペットは人間の所有物だと、人間が勝手に法律で決めてしまいました。
どんなに酷い目に合わされても。たとえ殺されても。

もし彼らが人の言葉を理解できたら、勝手にあっちこっちに売られ引き取られる自分たちの立場を、どう思うでしょう。
もし彼らが人の言葉を話せたら、そんな飼い主たちになんというでしょう。
もし彼らが自分の飼い主を自分で選べたら。

本当は自分を助けてくれたあいつに飼い主になって欲しかった。
でも金もなくペット不可のアパートに住んでいるから無理なのもわかっている。
引き取られる先が今までの飼い主よりマシならそれでいい。

おじさまに愛され可愛がられるふくまるたち子猫たちを毎日横で見ながら、彼は何を思っていたのでしょう。

小さな体で現状を必死に受け入れ、自分を慰めようとするシャム猫ちゃんは、涙が出るほど可哀想でした。
ぎゅって抱きしめてよしよししてあげたい。。

と思っていたら、ちゃんと抱きしめてくれる飼い主がいました。
素敵な名前をつけてくれて。

よかったね、カノンちゃん。
幸せになってね。

3.森山先生と息子のバンドメンバー集め


森山先生と星鳴のバンドは、星鳴のわがままでメンバーが決まらず、結成前から解散の危機に瀕しています。
星鳴と仲直りした輝明くんがなるかと思っていましたら、違いましたね。

でも、いくらおじさまがSNS始めたとしても、不登校がいきなり路上ライブしてSNSで繋がった相手にあって、さらに唐突に息子につながったりは、ちょっと話がうますぎるかなと思いました。

サブストーリーの方はもうちょっと再考してもらった方がいいかな、と思いました。あと人物(と猫)が増えてちょっと区別がつきにくくなってきました。
キャットタワーのような日常のほわほわした話が続くのでも、私は楽しいです。

著者:桜井海 (著)
出版社 ‏ : ‎ スクウェア・エニックス (2023/11/10)
発売日 ‏ : ‎ 2023/11/10
言語 ‏ : ‎ 日本語
ISBN-10 ‏ : ‎ 4757588992
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4757588998
寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 1.5 x 21 cm


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